この時私は「花」というものの位置付けを考えていました。
皆さんの中で「花」というのは人工の物のイメージが強いと思うのですが、 しかし地球の進化の中で「花」というものを見ていきますと、 「花」ほど美しく、 虫をだまして授粉をさせ、 自分は無駄なく生きて、 それで人を感動させるものはない。
つまり人間が生きるべき姿は花のように周りの環境をフルに利用すべきだと思うのです。
循環的な生活とはそうなのかもしれません。
花のような生き方をするのが望ましいのではないかと。
そこで花の地球館では、 そんなメッセージを伝えるようにと、 まずは植物が存在する以前の地球の歴史から植物館の展示が始まるようにアースギャラリーという展示スペースを設けました。
こういう植物館はあまりありません。
地球の歴史から始まって、 そして花というのが私達にとって何なのかという問いかけをして、 今までの人工的なきれいな花というのは花の中の、 地球の進化の中の一部分に過ぎないということに気付いてもらいたかったのです。
そこにはずーっと化石なんかを並べているのですが、 そこで言いたかったことはネイチャーデザインの素晴しさと、 ネイチャーデザインには美しさがありながらそれが非常に計算されたものであるということで、 その展示の最後には花を並べています。
そしてそのネイチャーデザインを意識した園芸を園芸生産地に働きかけて、 どのようにしてこれから花のまちづくりをしていくのか、 そういったことの起点になるような植物館になればと思っています。