そこで篠山に行ってから、 緑のなかで育った人は緑のことはなんでも知っているものだと思って聞いてみると、 子供たちは実は全然知らないのです。
彼らは結構都会の子供と変わらない育ち方をしていまして、 そういうのを改革していきたいと思いまして、 植物館の中で子供たちの自然科学教室やりました。
また丹波の人は子供からお年寄りまで音楽が好きで、 その子たちとミュージカルを通して自然について教える方法をとりました。
「森は生きている」というのをやりまして、 それは丹波の森のことなんですが、 丹波の森をテーマにしながら共生の話しをして、 地球は奇蹟であるということなんかを教えて、 子供たちはたぶん分かっていないのですが、 しゃべっているうちに「奇蹟って何。
どうして地球が奇蹟」と興味を持ってくれるようになりました。
また、 私は花と緑を通し社会を変えたいと思っています。
大体大学で変なことを教えているのが問題だと思います。
ランドスケープには「ランドスケープとはなんぞや」という教育がされるのですが、 園芸には「園芸とはなんぞや」という教育はありません。
つまり、 どうやれば早く花が咲くのか、 どうやれば夏にチューリップを咲かせることが出来るのかという、 まさしく「人間の力で植物はどうにでもなるのだ」ということを教えてきたのが園芸なんです。
実は私も植物をコントロールすることが大好きだったのです。
今もその気は非常にありまして、 そういうアプローチからいろんな面白いことをやっていこうというのはあるのですが、 これから環境の問題が非常に重要になってくるのに、 園芸がやってきたことは農業において今の生産高を上げることだけなのです。
そういう事に対してどう思うのかを、 研修制度などで教育できたらと思い、 花の植物館では大学生の研修制度を設けました。