●ムンバイというのはどのような都市ですか
ムンバイとは都市の名前で、 昔でいうボンベイです。
といいますのも、 英語読みのものをインドの言葉に言い換えようとするインドナショナリズム運動があるからです。
インドを逆三角形とするとその左(西)のほうの中間くらいです。
●衛生的なことはいかがでしたか
私は行って明くる日から一週間下痢になりました。
ですが徹底的にそこの水になれてしまうと、 今度は生水飲んでもなんともないようです。
だからインドを旅行されるかたは、 体をまず現地の水になじませてから動くか、 あるいは徹底的に西洋風に動いて現地の水は一切飲まないことです。
トイレは水洗が多いようです。
●治安はどうでしたか
治安はものすごくいいです。
インドを旅行していて騙される人はたくさんいるけれども、 殺されるとか強盗にあうということはほとんどありません。
ただ騙す人がものすごく多くて、 100メートルごとに声がかかってきます。
男も女もですけど。
よく聞いてると全部騙しに来ている。
騙されてガイド料渡したりしてもいいのですが、 あまりにも数が多いので気軽に話に乗るのはおすすめできません。
●写真などとっても大丈夫ですか
カメラを向けるととても喜ばれます。
写真撮られることが嬉しいようです。
とくに子供は好きですね。
モデル料は払わなければそれでいいのです。
ただヘビ使いなどは、 最初からモデル料を要求してきますが。
●アメリカのスラムは怖いですが、 インドではいかがでしたか
スラムに入って平気でカメラを構えたのはインドだけです。
気にせずカメラを構えていました。
自分の置かれている社会的立場や環境ということに対して疑問がないんでしょう。
別に食うに困るとか着るものがないということではなくて、 衣食住は自分が欲するだけのものはあるわけですから。
顔つきが幸せそうです。
●旅行の交通手段はなんですか
基本的にはインディアン・エアなどの現地の飛行機ですがとても高いのです。
庶民の人はバスと鉄道が多い。
非常に安いですから。
私はバスばかり乗りました。
鉄道は予約にいくと時間がかかるので乗りにくいのです。
だから切符なしで乗り込んでしまうという手もありますが、 座れない覚悟が必要です。
予約を日本で旅行代理店に頼んだのですけど「とれない」ということでした。
●レンタカーは使えますか
レンタカーは使えますが、 インドで車に乗ることは危険を覚悟された方がよいでしょう。
必ず接触事故などがありまして、 とにかく道は車のものではないということです。
動物とか人間とかリクシャーはとんでもない振る舞いをします。
日本のような感覚ではとても運転できませんし、 インド人でもこれにはまいったというわけです。
信号もあまりありません。
●職業とカーストはおなじことですか
カーストというのは、 私は初め4つか5つくらいのランクだと思って行ったんですが、 実際聞いてみるとものすごく多いようです。
彼らの中でカーストは、 あいつは俺より高いだの低いだのものすごく厳格になるらしいのですが、 よく聞いていくとよくわからない。
職業集団ごとにあるようです。
廃品ビニールを集めるカーストというのは結果的にそういうカーストになってきているということです。
●宿泊はどのようなところでしたか
いいホテルになると2〜3万円しますが、 こういうところには私は初日と終わりの日だけでして、 あとは現地に行ってから探しますと、 だいたい500円から1000円くらいで泊まれます。
個室のシャワー付きなら3000円くらいかかります。
季節にもよりますが、 暑いときに1000円くらいのところだと大変なことになります。
●娯楽などはありますか
娯楽がないということはありません。
ナンバーくじやカラオケも多く、 インドは世界一の映画生産国ですから、 映画を見られるかたはとても多いです。
日本はハリウッド映画ですが、 インドは圧倒的に国内の映画が強いです。
●インドの普通の人の「夢」というのはなんですか
話を聞いていますと二極に別れます。
国外へでてみたい、 日本へ行きたいという人もいます。
ただそういう人は詐欺師が多いですね。
普通の人はやはりカーストによって囲まれている感じがします。
職業というのはカーストに依ってますから、 職業を変えるというのは不可能に近いんです。
ですからリクシャーの人はリクシャーですし、 それ以外のことはできない。
たとえばアメリカへ出て留学してやっていこうとする人は、 国民の中でも1パーセントにも満たないような少数で、 そういう人たちはやはりそういうカースト出身なのです。
ですからある意味で成熟している社会だといえます。
いいか悪いかは別として、 幸せの基準がその階層ごとに違うということだと思います。
ですから夢もそれぞれ違うということです。