都市環境デザイン会議関西ブロックの本年度第3回目のセミナーを「川と水辺のデザインを考える」というテーマで行いたいと思います。
最近水や水辺に対する関心が非常に高まってきていますが、 私にとっての水とはどういうものなんだろうと考えてみました。
私は岡山県北部の田舎に育ちました。 近くにあった川は、 ほんの50cm程度の小川というより溝といったものでした。 そこで水遊びをしたり、 魚をすくったり、 七夕の飾りを流したりしました。 また山の中の池に仕掛けを作り、 朝早くいって引き上げると魚が捕れました。 鰻を捕ろうとして亀を釣ってしまったこともあります。 朝霧のなかに山に囲まれて鏡のような池面が広がる風景がよく夢の中に出てきます。
きっと郷愁もあるのでしょうが、 子供の頃に夢中でいろいろなことをして遊んだ美しい場所、 それが私にとっての川や水辺の原風景だと思います。
もうそれから何十年か経ったわけですが、 最近川に対する関心が非常に高まってきました。 川に関わる様々な整備が行われ、 私自身も計画に関わることも多いわけですが、 何かやればやるほど現状がどんどん悪くなっていくような気もします。
今日はお二人の方にご報告していただきます。
最初に都市環境計画研究所の長谷川弘直さんに「日本のリバースケープ(川景観)について」をテーマにご報告いただきます。 長谷川さんは環境計画に携わっておられるわけですが、 最近全国各地の川あるいは水辺のオープンスペースの写真を撮っておられるそうです。 聞くところによるとその写真を見るだけでいろいろなことを考えさせられるということですので、 非常に期待しております。
もう1人は客野尚志さん。 大阪大学の環境工学科のドクターコースにいらっしゃいます。 そして今、 兵庫県の丹波の森研究所にもおつとめになっておられます。 滋賀県の近江八幡市の八幡堀を事例に「水環境と人間行動」というテーマで、 これまでの研究成果の中からご報告して頂きます。 それでは長谷川さん、 よろしくお願いいたします。
はじめに
(財)生活環境問題研究所
山本茂
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