写真1 植栽した植物のその後の生育 |
そういうよい条件の中で、 植えられた植物が大きく育っています。 中には、 外から入ってきた植物があります。 だいたい20種類ぐらいの植物が後から入ってきたのですが、 その代表がキリです。 もともとNEXT21の周辺は上町台地といい、 大地の周辺は湿地になっていました。 ですから、 キリとか、 エノキとか、 ムクノキとか比較的湿地とか河川系の植物が多いのです。 そういうものは、 まだ公園とか、 個人の庭とかに残っていまして、 そういうところから種が自然に運ばれてきて、 生えてきております。
写真2 屋上(現在) |
1階も特定の樹種の生育はいいのですが、 やはり屋上には及びません。 おもしろいのは、 見た目では分からない土の中です。 特に屋上がそうなんですが、 土壌動物がたくさんいます。 ちょっと掘るとミミズがたくさん出てきます。 木を搬入したときに一緒に土が根鉢として持ち込まれてきていますので、 それと一緒についてきたのでしょうが、 それが繁殖しています。 屋上はたくさん木が植えられていますけれども、 落ち葉を分解するというサイクルができていまして、 ちょうどこのあたりの雑木林と同じような種構成になっています。 もちろん全く同じとまではいきませんが、 同じ物がたくさんあって、 いい環境ができています。 それがずっと維持されてきているというのが現状です。
写真3 エントランスのツツジ |
写真4 雑草(ヘクソカズラ) |
生育しているものの中には、 雑草といわれているものもたくさんあります。 その一部をわざと残すとこで、 自然の雑木林の雰囲気を作ろうとしています。 その一つが、 通常造園家の方には嫌われる植物ですが、 ツル植物のヘクソカズラです。 ここでは上に巻き付かせるのではなく、 わざと下にたらして、 冬は葉が落ちて少し殺風景な景色になるのですが、 夏は青々とした緑が伸びて、 花もたくさん咲いて、 そこにチョウがきます。 雑木林の雰囲気を作る植物として利用しているわけです。