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 小浦さんからパリのアマンディエ地区の話が出ていましたが、 パリの東北地域は手工業がたくさん集積している地区で、 地区周辺には図11のようなバラック市街地がどんどん成長していった時期があります。 これは、 1868年ですから日本で言えば明治維新の頃です。 フランスでは地主が広い面積を持っていますから、 地主から借りて家を建てていくのだろうと思いますが、 さっきのニューヨークの例のような敷地割りがなく、 多分適当に建てたのであろうと思われる景観です。
 昔、 こういうところを舞台にしたフランス映画がありました。 貧しいカップルが結婚するとき、 友達が集まって一晩のうちに彼らのために家の屋根と壁を作ってしまおうという話でした。 そうすると居住権が発生するのだそうです。 多分、 家は勝手に造ってしまうものだったのです。
 そうやって、 人がどんどん増えていく時代の街の写真です。 パリにもそういう時代があったのです。

(出典:Spiro Kostof,"The City Assembled",Thames and Hudson,1992)

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