前に 目次へ 次へ赤旗で彩られるバリ
鳴海邦碩
(大阪大学)
スハルト大統領の退陣以来、 インドネシアの情勢は予断を許さない。 インドネシア野党の大会を前にしたバリは、 メガワティ歓迎で、 赤一色に塗りつぶされた。 祭りにおける旗などの飾りでは、 なかなかの腕前をみせるバリの人たちの能力が、 こうした時にも発揮されている。
すさまじいのは、 オートバイパレード。 参加者の多くは高校生ぐらいの年齢である。 その光景は一種のお祭りに近い。 パレードともめるのを嫌う車の運転手たちは、 同じ赤の旗を座席においている。 時々それを見せて、 仲間であることを示す。
黒い牛の頭を描いた赤い旗が、 村々に近付くごとに林立している。 そうした光景をみながら走っていて、 「百万本のバラ」の歌を思い出した。