the Urban Enviornment Design Seminar, Yogyakarta & Bali

メガワティさんの旗

前田裕資

（学芸出版社）

　セミナーの前に５日ほどAPI APIに泊まりバリを堪能していた。
　最初の日に、 町外れの家で、 赤い牛の旗を見た。 お祭りに違いないと思って旗を飾っている家に入ろうとしたが、 普通の家みたいだったのでやめた。 その日、 モンキーフォーレストにゆくメインストリートにも飾られているのを見た。
　次の日に町に出ると赤い旗がなんだか増えたような気がした。
　次の日には赤い旗を振り回しながら群をなして走るオートバイの集団を見た。 50台ほどだった。 暴走族だと思った。
　API APIに帰ると、 管理人のマデさんの車まで同じ模様のステッカーを付けている。 聞いてみるとメガワティさんを支持しようというステッカーなのだそうだ。
　メガワティさんはスカルノ大統領の娘だそうだが、 「人々の生活のことを一番考えてくれているから」とマデさんは言う。 PDI（パルタイ・デモクラテック・インドネシア）の党首である。
　次の日にはマデさんの幼稚園に通っている息子が「メガワティ」さんの旗を買いに行くというので、 一緒に連れていってもらい、 僕も赤いＴシャツを買った。
　セミナーを挟んでバリに戻ると、 オートバイの集団は十倍ぐらいに膨れあがっていた。 ウブドのようなお町だけではなく、 ブブクのような町でもメガワティの旗だらけになっていた。 少年たちがお揃いのＴシャツを着ている。 眺めていると記念撮影をせがまれ撮ったのが上の写真だ。
　それにしても、 何故メガワティ一色なのか不思議でならなかったが、 最後の日に空港まで送ってくれたガイドさんが「メガワティのお母さんはバリ出身なのだ」と教えてくれた。 地元というわけだ。
　新聞によるとバリではPDIの党大会が無事終わったそうだ。 「中止になると暴動だ」とガイドさんが言っていたから、 ともあれ良かったねと言いたい。

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