the Urban Enviornment Design Seminar, Yogyakarta & Bali
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歩行者を苛むまち/ウブド

前田裕資

(学芸出版社)

 API APIの管理人のマデさんによると、 10年前のウブドは田んぼの中にお土産屋さんがポツポツとあったそうだが、 今ではお土産屋さんだらけ。 それも小じゃれた店が増えて、 一日や二日はお土産屋さんを見てまわるだけで潰せる町になった。
 しかし、 ともかく歩きにくい。
 その第一の理由はAPI APIなど周辺の宿から街の中心部に出る脇道がまったくないことだ。 隣り街などとつながる中心の街路は車が多く、 歩きたくないのだが、 他に道がない。 背骨から肋骨のように道が伸び、 その先に宿があるのだが、 背骨以外に縦に通る道がないのだ。 今のように車が溢れている時代には、 とんでもない構造である。
 そのうえ、 歩道というものを大事にしていない。
 写真はモンキーフォーレストに向かうお土産屋さん通りだが、 何故か歩道が車道から20cmも高くなっているうえに、 お店の前にくるたびに、 車道の高さまでガクンと下がる。 数メートルおきにこれだから、 嫌になって車道を歩いてしまった。
 ついでに言っておくと、 プリアタンンの王宮でレゴンダンスを見たのだが、 車の音で静寂というものがなかった。 没入出来ない。
 「バリはだめになっていない?」というのがバリから戻った旅行者に60年前から繰り返された質問だというが、 「バリはもう駄目だね」というのが僕の感想。 なんとかならないものか。

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