いつものセミナーでは3、 4人のパネラーをお招きして意見交換することが多いのですが、 今日はパブリックという問題にについて、 じっくりと腰を据えて取り組もうと、 若干スタイルを変えて進めていきたいと思います。
さて、 これまで作品(空間性)を中心にパブリックを語るというチャンスはあまりありませんでした。 そこで本日はまず、 三谷さんのほうからスライドを中心にテーマについて語っていただき、 その後三谷さんと私とで問題点の整理をしたいと思います。 私が三谷さんに質問をし、 三谷さんが彼なりの応答をしながらキャッチボールをしていく。 そのキャッチボールを背景に、 みなさん方から様々な質問をいただきたいと思います。
ここで、 三谷さんのキャリアをご紹介しますと、 東大建築学科の香山壽夫先生の研究室を出られ、 ハーバード大学のランドスケープアーキテクチュア学科に入られ、 そこでマスターを取って帰ってこられました。 私が三谷さんと知り合ったのも、 十数年前のそのアメリカでのことでしたが、 当時から私は、 デザインのキャッチボールをするのに恰好の人物であるという印象を強く持っておりました。
日本に帰られてからも様々な所で活躍され、 つい最近では98年度の造園学会賞を「風の丘」という作品で受賞されました。 若い方ですが、 理論と作品性については、 絶対に推せる人物だと私は確信しております。
これはもう廃刊になってしまいましたが『ジャパンランドスケープ』という雑誌のなかで、 三谷さんと登坂さんと宮城さんと私が3年間にわたってランドスケープデザインの近代史を書き続けてきました。 その第3回が「パブリックの諸相」というテーマになっており、 作品性を中心にしてパブリックの概念を整理しております。 もし機会がありましたらもう一度読み直していただければと思います。
今日は三谷さんがデザイナーとしてパブリックということにどう関わっているかを中心に問題点を取り上げていただきます。 従来の理論や歴史性から概念を展開するのではなく、 今ここにある現実の課題は何かというところからスタートするという展開をしたいと思いますので、 そういうポイントからの質問を発していただければと思います。
はじめに
鳳コンサルタント
佐々木葉二
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