パブリックを問う(1)
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 まだ基本構想の段階でしたので、 とりあえず絵を描かなければならなかったのですが、 その時ふと頭をよぎったのは、 日本人には広場みたいなものは向かないんじゃないかということです。 行政側がお皿をどーんと用意してあげても、 茫漠とするだけで、 そこがうまく人々に使われるのだろうかということでした。
 写真は広重の浮世絵です。 空間や広場のようなものは全く用意されていませんが、 七夕になるとどの家もそれぞれ笹を飾り付けている。 お皿はないけれども、 現象が先にあって、 それが一つの公共あるいはコミュニティの風景をつくりだす力強さがこの絵にはあるわけです。 公共のためにその受皿のような空間をまず作ってしまうことは、 何か空々しい。 むしろ先にこういう活動があるのではないかということを問いかけたいと思いました。

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