パブリックを問う(1)
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 これはある意味でこのプロジェクトの特徴だったのですが、 最初は火葬場の新築に付随した計画だったため、 ここを火葬場の庭のように考えていました。 しかし後から公園という位置づけになったので、 火葬場と公園で入り口が違うのです。 火葬場のために象徴性の高い空間をつくっていたのですが、 市からの要望で入り口を別々にし、 火葬場内と公園は軽くつながれているだけで、 ストレートに行き来できない関係になりました。
 実は火葬場と公園を直結する強いアプローチがあって、 公園からそのまま火葬場に吸い込まれていくべきなのではないか、 という意見もあり、 非常に悩みました。 しかし結果的には、 公園に来る日常の人達と、 火葬に来られた人達との接点をつくるにとどめました。 もし入り口を一つにしていたら、 公園とは言いながら、 火葬場のためだけの空間になってしまっていたでしょう。 結果的に、 日常と非日常のプログラムが交錯する場が出来たのは、 非常に面白いことだと思います。

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