事例2 「風の丘」 −強い空間性をインストールする
これは最初に紹介していただいた中津の葬祭場の公園です。 葬祭場が出来たあとから、 その横が公園になりまして、 それを私が設計したわけです。 その時に一番考えたのは、 公園自体がさきほどのイサムノグチの例のように一つのアートであって、 そこにたまたまみんなが来て公園として使う。 しかし、 それがどのような使われ方をするのかとは別個に、 すでに空間が一つの存在としてあるべきではないかということです。
日常と非日常−距離感をもたせた対話関係
実は火葬場と公園を直結する強いアプローチがあって、 公園からそのまま火葬場に吸い込まれていくべきなのではないか、 という意見もあり、 非常に悩みました。 しかし結果的には、 公園に来る日常の人達と、 火葬に来られた人達との接点をつくるにとどめました。 もし入り口を一つにしていたら、 公園とは言いながら、 火葬場のためだけの空間になってしまっていたでしょう。 結果的に、 日常と非日常のプログラムが交錯する場が出来たのは、 非常に面白いことだと思います。
土地の記憶を表現する−現在と過去の対話
前に 目次へ 次へ
学芸出版社ホームページへ