この「風の丘」でも大きなボイドである楕円をつくって、 その周りに園路をつくることによって、 人はほとんど園路沿いのベンチに拠り所を求めるわけです。 大きな楕円の園路のこちら側に日常的に来た人、 向こう側に火葬場で待っている人と、 お互いに見る見られるという関係ができています。 それは、 日常の人と非日常の人が、 あるいは、 公共の場の人とプライベートな場の人が各々の居場所を確保しながら交錯する空間、 ができているということです。
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