今日の議論のベースとして、 私は持続可能なまちづくりに向けて中心市街地が何をしていけばよいのかを、 以下の4点に分けて整理したいと思います。
これまで都市政策と住宅政策は大きく分かれていたのですが、 それをどう連携させていくかが問われると思います。 あるいは、 まだ日本では都市での住み方が確立しておらず、 都市の集合住宅も日本化されていない面があるといえます。 それらを中心市街地の活性化の中で考えていく必要があるのではないかと考えます。
以上のように、 中心市街地の課題を4つに分類してみましたが、 この分類は私個人の視点によるもので、 今からの4人のパネラーから、 また独自の視点が示されると思います。 そのお話を聞きながら、 午後のディスカッションの課題を整理していきたいと思います。
1 なぜ中心市街地活性化なのか
大谷英人(高知工科大学)
大谷:
コンパクトな市街地の形成
これからのまちづくりは、 長澤さんが提起されたように「複合的なまちづくり」を目指すべきだと思います。 従来の中心市街地=商業・業務地というイメージから脱却して、 多様な機能が複合したまちづくりにしていく視点が必要とされています。 そういう意味では、 今までの商業・住宅などに純化していく土地利用を変え、 生産基盤と生活基盤が重なった、 良い意味での複合化を考えていく必要があるでしょう。
公共交通機関の充実と
広がっていった都市をもう一回見直すためには、 やはりモータリゼーションを見直す必要があります。 それは同時に、 公共輸送機関をどう考えていけばいいかという問題でもあります。 これも中心市街地の大きな課題だと思います。
マイカーの中心市街地への流入制限
都心居住の促進
長澤さんが言われたように都心に人が住むことは、 夜を楽しい街にすることにつながる課題ですが、 これをどう促進していくかが3番目の課題です。
個性あるいは中心市街地景観の創出
この課題は都市環境デザイン会議に直接関係してくる課題です。 中でも大きなウエートを占めるのは、 文化的・歴史的な蓄積をどう活かすかということです。
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