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「門外漢」の雑感 〜「復興」と「まちづくり」と新聞〜

すたあと長田・WeeklyNeeds編集長 小野幸一郎

 震災から2年が過ぎ、この「復興市民まちづくり」シリーズもひとまず、終わるとのこと。まずは関係者の方々のご苦労に深く頭を下げます。お疲れさまでした。

 「ウィークリーニーズ」はVol. 1の第2号から現在のVol. 3まで、継続して掲載させていただきました。長田を拠点に手配りで配布していた者にとっては、大変有り難かったし、勇気づけられたと思います。この場を借りてあらためて感謝させていただきます。

 お気づきの方もおられるでしょうが、「ウィークリー」はこのシリーズに納められている「まちづくり新聞」とはちょっと(かなり?)趣が違います。大きくあげて、ひとつは「ボランティアグループ」が発行していること、ひとつは「内容が雑多」ということです。

 「まちづくり協議会」が発行する新聞はその目的がはっきりしています。「事業内容の説明」「協議会活動の報告」「勉強会・集会の告知」etc…震災後散り散りになってしまった住民に向けて送付された新聞は「地域」と「住民」を結ぶ命綱であり、まちの現状を知る唯一の情報源であり、「まちづくり活動」の証しであります。本をぺらぺら捲ると何となく同じ様な内容のものばかりと思われる方もいらっしゃるでしょうが、各地区の新聞にはそんな切実にして重要な役割が担われてきたわけです。

 しからば、わが「ウィークリーニーズ」は?

 約2年間、毎週→隔週ごとに約1万部発行しつづけたこのミニコミは、結局のところ「思いを伝える」新聞ではなかったでしょうか。

 「Vol. 3」と銘打ち、仮設への配布を始めた昨年3月からは益々その傾向に拍車がかかりました。

 しかし実際「まちと仮設をつなぐ」と言っても現実の状況は厳しく、長田を離れた人々の「元のまちへ」という思いはなかなか報われそうもありません。そして2年という時の流れは、「あきらめの感情」を煮詰めるには充分すぎるほどの歳月といえましょう。そして、そんな状況の中で「ウィークリー」は「長田からの発信」を繰り返してきたわけです。

 被災した、地区の大半が全焼したまちにとっての「復興」とは一体なんなのでしょう。何をもって「復興」と呼ぶのでしょう。

 そして、被災地にとっての「まちづくり」とは何でしょう。

 門外漢の僕自身、長田区御蔵通(区画整理指定地域)の「まちづくり」に関わってきたのですが、正直、徒労に近いものを感じます。

 まちに戻れず、まちが立ち直れずという状況の中、様々な方々の「思い」を載せて、「仮設とまちをつなぐ」ウィークリーニーズを、私たちはもう少し、作っていこうと思います。

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