左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ

復興まちづくりニュース合本発行の打ち止めにあたって

まちづくりニュースは復興まちづくり活動のバロメーター

(復興まちづくり戦士)ジーユー計画研究所 後藤 祐介

 平成7年1月17日の阪神・淡路大震災から2年と1ヶ月が経過しました。

 この間、私は復興まちづくりのオタスケマン(復興まちづくり戦士)として、まちづくり協議会と3つの再開発事業を含む9つの共同建替え事業、2つの復興市民まちづくり支援ネットワークの世話役をしてきました。

 これらの活動の中で、まちづくりニュース・通信・ネットワークニュース等は、復興まちづくり活動に必要不可欠な情報伝達手段として作成してきました。

 神戸の新在家南まちづくり委員会では「我がまち新在家南」、深江地区まちづくり協議会では「深江地区まちづくりニュース」、美しい街岡本協議会では「街づくりニュース」、芦屋の若宮地区まちづくり協議会では「広報わかみや」、東芦屋まちづくり協議会では「緑通信」、西宮の北口・高木まちづくり協議会では「すまい・まち」、安井まちづくり協議会では「我まち安井まちづくりニュース」、そして、西宮復興まちづくり支援ネットワークでは「明日の西宮」、再開発事業地区では神戸の湊川中央周辺地区で「あすの湊川中央周辺」、西宮の六湛寺東地区市街地再開発事業地区では「―明日の六湛寺東―再開発ニュース」の編集、発行に関わってきました。

 それぞれのタイトルには、夫々の思い、意味が込められており、内容は勿論のこと、発行間隔(定期、不定期)、編集・発行担当者(リーダー、グループ編集、専門家任せ等)、紙面サイズ(B5版、B4版、A4版等)、紙の色(赤、白、黄等)いろいろで十人十色です。

 共通していることは、まちづくりニュースと復興まちづくり活動の相関関係であり、「活動が順調であればニュースの発行も順調であり、活動が停滞すれば、記事が無くなり、ニュースの発行も停滞気味で苦戦する」という傾向があります。

 まちづくりニュース作成の理想は、安定、経常的なまちづくり活動に支えられた「定期的発行」であり、そのことが読者のニュースに対する信頼感を増やします。また、一人のリーダーや専門家による編集より、グループ編集の方が好ましいことは言うまでもありません。

 この視点において、私が関わってきたまちづくり協議会の中では、芦屋の若宮まちづくり協議会が発行している「広報わかみや」が最も評価されます。

 今回、これまで約2年間に8号まで続いてきた復興まちづくりニュースの合本発行が打ち止めになることとなりました。これまでの合本は、阪神・淡路大震災における復興まちづくり活動のバロメーターとして、そのマンパワーを全国に伝えるものでしたが、ここで打ち止めになることは残念であり、寂しい限りです。

 しかし、復興まちづくり活動は終わる訳ではありません。阪神・淡路大震災からの復興市民まちづくりはこれからが正念場であり、5年、10年と続きます。私もこれまでと同様、復興まちづくりに携わる中で、まちづくりニュースの発行は続けます。

 全国の皆さん、この合本の発行が中止されても、阪神・淡路大震災の復興まちづくりは続いていきます。まちづくりニュースも発行されつづけています。この大震災の復興を応援して下さる方、いろいろな目的で復興状況をお知りになりたい方は、別の手段で情報をお求めになって下さい。私達は情報提供には出来る限り協力します。

 最後に、これまで当合本を発行して下さった学芸出版社に感謝の意を表するとともに、今後とも、阪神・淡路大震災の情報伝達に何かとご尽力賜りますようお願い致します。

復興市民まちづくりメインページへ