東灘区役所まちづくり推進課の辛川です。 以前は、 関空とポートアイランドを結んでいるK―JETに勤めていましたが、 この四月からまちづくり推進課に勤めることになりました。 まだ四カ月しかたっていませんが、 私なりに感じた大学のまちづくりの方針や、 九八年十月に行われる神戸薬科大学のフォーラムについて話したいと思います。
私が考える方向性としては、 まず地域の人に大学に来てもらうことを第一歩として、 その後地域に開かれた大学となることを目標としています。
具体的な施策として、 平成六年に「大学のまちづくり連絡協議会」ができています。 これは大学や専門学校などの学校関係者だけでなく、 まちづくり協議会、 自治会、 ボランティアグループ、 行政もメンバーとして組織されたもので、 今までに「まちづくり国際フォーラム」を三回行っています。 平成七年は震災で活動が中断しましたが、 平成六年の甲南大学、 平成八年の甲南女子大、 平成九年の神戸商船大学に続き、 今年は神戸薬科大学でフォーラムを開催する予定です。
フォーラムでは、 まず学校へ来てもらって学校を知ってもらった上で、 公開講座をしたり図書館を開放していきたいと考えています。 大学の情報を地域共有のものとしてとらえることが大事ではないかと思うからです。 情報を共有しつつイベントを行うことで、 大学と地域が交流しあい、 まちづくりがスムーズにいくのではないかと考えています。
ですから、 まずは学校に来てもらう→情報交流をする→協働のまちづくりへと進む、 という計画です。
午前中はパネルディスカッション形式で、 食生活や薬の知識などを紹介する予定です。 会場からの質疑応答にも時間をとって、 地域の人の相談事にも答えていこうと思っています。
昼食は、 体にいい食材を使った料理を学生生協さんに作ってもらおうと思っています。 大勢に来てもらうため、 無料としました。
午後からは、 薬科大学を知ってもらうためのプログラムを考えています。 薬草植物園がありますので、 薬用植物のガーデニングとかハーブの苗プレゼント、 それに校内には、 六甲山系では珍しい横穴式古墳がありますのでそれも見学し、 図書館ではその古墳から出た銅鐸のレプリカを見ます。 これで図書館のPRになるはずです。 牧野富太郎コーナーも見てもらいます。
また、 薬科大学ですから薬のコーナーも設け、 間違わないための薬の選び方などのミニ講座を開きたいと思っています。 最後は利き酒会をいたします。 大学とは関係ないのですが、 東灘の特産ですし会場のなごみにもなるから是非企画に入れたいと思っています。
ともあれ大学に来てもらって、 どんな学校かを知ってもらうことが「大学のまちづくり」への第一歩ではないでしょうか。 ですから、 思いつく限りのサービスをして、 人を引きつけたいと思っています。
また、 地域が開くイベントや祭りに、 学生がどんどん参加できるようになればとも思います。 やはり、 大学から学生が街に出ていくことで地域の活力になるのではないでしょうか。 地域の人にとっても、 大学を使うことで生涯学習の場とすることができます。 そうしたことが一体となって、 まちづくりが進んでいくと私は思います。
大学以外でも、 六甲アイランドの中に二つの外国人学校がありますから、 それらも含んで国際感覚豊かな大学のまちづくりを目指していきたいと考えています。
私自身は、 こうした学校と地域の相互交流の取り組みの中で、 役所は主役ではなく仕掛けをするのが仕事だと思っています。 現在は行政主導で進んでいますが、 それはやはりおかしいことで、 本来は大学なり、 地域に住んでいる人なりが中心になって進めていくのが理想でしょう。 まちというものが住む、 働くだけでなく、 学びあえる場になって欲しいと思っています。 そのためにも今後も頑張っていきたいと思いますので、 みなさんどうぞよろしくお願いします。
リレートーク4
大学のまちづくり
東灘区役所まちづくり推進課
辛川 亨
大学のまちづくりとは
まず大学のまちづくりの位置づけですが、 これは東灘区の区別計画(区の総合基本計画)の中のリーディングプロジェクトという位置づけです。 「大学と地域の相互交流を拡大した文教のまちづくり」を進めています。 東灘区には四大学と二短大、 そのほかにも様々な学校があります。 それらのうち、 主に大学をまちづくりの核として、 大学と地域が一緒になってまちづくりをしていこうというものです。
今年のフォーラム予定
今年は「健康と食文化」をテーマに、 神戸薬科大学で行います。 このテーマは、 今市民の皆さんが一番関心のある分野が「健康管理」だろうということで選んだのですが、 それと共に今まであまり大学に縁のない地域の人、 特に中高年の人に来てもらいたいと思って設定しました。 中高年の人にとっては、 糖尿病、 高血圧など生活習慣病は人ごとではないはずですから、 きっと多くの人に来ていただけるのではないかと期待しています。
今後の方向性
こうした大学でのフォーラムは今年で終了しますが、 続いての活動としては、 それぞれの大学が持っている公開講座の充実や図書館の一般開放などを働きかけて、 より充実した情報を地域に広めていただきたいと考えています。
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