過疎地へ行くと、 文化人が何カ月か滞在しただけでも記念碑を建てるとかいう話をよく聞きますが、 それに比べると、 この阪神間は、 恵まれた文化的な資産や付加価値を十分に活用していないと思います。 それほど町おこしのネタが多い地域なのです。
『細雪』の舞台となった谷崎潤一郎邸にしても、 六甲ライナーを通すときにもめたことがありますが、 その事件がなければあまり知られていなかったかもしれません。 震災で岡本の谷崎邸が壊れ、 再建運動が始まりましたが、 関係者に聞いてみると再建資金がちっともたまらないらしいのです。 これは主に地元に頼ろうとするからであって(被災者に頼るのも酷な話ですから)、 世界中に資金を募るなど、 人的ネットワークを生かせばいいのではないでしょうか。
まだまだ東灘は文化的風土の自己主張ができるし、 人に見てもらうための工夫がもっとできると思うのです。 本山第二小学校では、 ついこの間『細雪』文学碑(作中に描かれた大水害時に流された石を使ったもの)の除幕式が行われましたが、 いろいろなメモリアルが残っている地域ですから、 それを徹底的に生かせば震災前を超えるイメージを復元できると思います。
東灘に眠る文化的資産
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