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「大学のまちづくり」と地域イメージ

改行マークやはり都市イメージは大変大事なものです。 私は神戸山手女子短期大学の非常勤講師を務めていますが、 たとえば近くには異人館だけでなく各国宗教の寺院がたくさんあり、 多彩な表情を持つ街ですから、 よく野外授業をします。 タウンウォッチングが授業になるのです。

改行マークそう考えると大学も立派な地場産業と言えるのではないでしょうか。 京都でも明治になって落ち込んだとき、 京都大学が出来たおかげで(明治三十年創立)何万人もの職員の給料が東京から回ってきて経済的によみがえったという話があります。 逆に、 大阪は大学がどんどん外へ出ていって街の活力を失いつつあります。

改行マーク阪神間の大学はもともと郊外立地で出来た大学ですから、 そう外へ出ることはないでしょう。 文化的な地域としてのイメージを高めてくれているのは魅力的なことですが、 これからの生き残りは大変だと思います。 地域イメージの善し悪しで大学のイメージも変わるでしょう。 阪急神戸線の女子大が「高級住宅街にある」のか「山口組の隣にある」のかではまるでイメージが違います。 今は大学付属の小中高校から上がってくる地元の学生が多いのですが、 それも今後は少子化で少なくなるでしょう。 また、 大学としては今後社会人にも大学に来て欲しい。 つまり、 外からの見え方が重要になってきますので、 地域イメージが良いにこしたことはないのです。

改行マークそこで、 地域イメージが良いところとしてどんな町があるかを短大生にアンケートしてみたのですが、 彼女たちが最初に挙げたのは、 阪急岡本とJR本山の間です。 あのごちゃごちゃした、 かわいい街が楽しいのですね。 「垢抜けた村」という感じだそうです。

改行マーク東京でも原宿、 目白、 田園調布、 鎌倉など「おしゃれな街」と言われるような所は、 全部駅舎が小さい。 池袋や新宿のようなでかい駅ビルを建てるような所はダサイのです。 「おしゃれ」は見る、 見られることが楽しいのですから、 自分が埋没してしまうような、 でっかい、 騒がしい場所はいやなのです。

改行マーク阪神間の山の手で今後どのような再開発が行われるかは知りませんが、 今のヒューマンサイズの雰囲気を壊す方向にはなって欲しくない。 駅舎はレトロで小さいのがいいのです。 東灘が三宮や元町になる必要はありません。 落ち着きのある山の手と、 にぎやかな地場産業が共存している雰囲気を残して欲しいと思います。

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