神戸東部市民まちづくり支援ネットワーク
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

サロン

改行マーク今日も世良さんにお話しいただきますが、 世良美術館のようにサロンとでもいうべき施設があります。 つまりその運営主体が企業というよりも、 個人に近いものです。 それぞれ大変なご苦労をされながら続けていらっしゃいます。 これがある意味では東部文化施設の中心をなすものではないかと思われます。

〈写真47/48/49〉

画像ma047 画像ma048 画像ma049
写真47 サーラ・デ・ムスク 写真48 サーラ・デ・ムスクの薮内馨さん(左)と薮内奈保子さん 写真49 サーラ・デ・ムスク内部
 

改行マークまず「サーラ・デ・ムスク」。 こちらは平成二年に区画整理に伴って移動された際に、 ご家族の方々の希望でつくられたものです。 一階部分にホールを持ち、 上は居住スペースになっています。 こちらでは、 オペラ、 読書会、 コーラス、 各種の教室と、 幅広い活動を月一回とか週一回のペースで開かれています。 さらに高齢者に対する支援の活動、 電話相談などもされています。 「ムスク」とは何ですかと尋ねますと、 ご家族の皆さんの名前の頭文字を取って名付けられたそうです。

画像ma050
写真50 南天荘画廊
画像ma051
写真51 南天荘画廊
〈写真50/51〉

改行マーク「南天荘画廊」です。 昭和五十二年に開設されました。 子育てを終わられた後、 何かしたいということでギャラリーを思い立たれたそうです。 ちなみに南天荘画廊は灘区の中でも専門書を数多く置いておられる書店でもあり、 その点でも文化的な中心になっているのではないかと思います。 平成七年に震災に遭い、 平成九年に再オープンされました。

改行マーク建物は道に対して開かれ、 ガラス越しに中が見えるつくりです。 年に何度かの企画展を開催され、 若いアーティストを育てようという心意気でやっておられます。

画像ma052
写真52 イハラ楽器店
画像ma053
写真53 イハラ楽器店内部
〈写真52/53〉

改行マーク「イハラ楽器店」です。 後で庵原さんから詳しいお話をお伺いできると思いますが、 昭和二十三年に創業され、 現在月一回第四日曜日にコンサートをされています。 趣味的というよりレベルの高い文化を伝えようと努力なさっているということです。

改行マーク写真53はその内部です。 サロンと申し上げましたがこの写真はまさにその印象にぴったりくると感じました。

〈写真54/55/56/57〉

画像ma054 画像ma055 画像ma056 画像ma057
写真54 世良美術館 写真55 世良美術館内部 写真56 世良美術館内部 写真57 世良美術館館長の世良さん
 

改行マークこちらが「世良美術館」です。 平成四年に世良さんご自身が安らげる場所にということで美術館をつくられました。 小磯良平さんとご縁があって、 このような施設をおつくりになられたそうです。

改行マーク内部は非常に明るく優雅な雰囲気です。 女性がすごくいい気分になれる場所だと思いました。 地下一階がギャラリーになっており、 新進のアーティストに貸されているそうです。 一階では年に五、 六回サロンコンサートも開かれています。 水彩画教室、 チェンバロ教室もされています。

改行マーク光あふれる御影、 神戸、 阪神間という雰囲気を良く表している施設ではないかと思います。

 

改行マーク以上で各民間文化施設の報告を終わらせていただきます。

改行マーク最後に申し上げたいことは、 今紹介したもの以外にも、 例えばお菓子や料理の教室を開かれてそれが全国的に知れ渡っているとか、 陶芸の延長線上でいろんな生活用具を展示されているといったところがたくさん開設されるようになってきております。 最初に申し上げましたように「民間文化施設」といったときに、 その区切りをどこにするかが大変難しいのですが、 調査を進めていく中で、 定義としては曖昧であるけども、 施設のあり方は非常に多様性に富んでいる。 そしてそれが神戸東部、 ひいては阪神間の文化的豊かさではないかと思うようになりました。

改行マークところで、 各施設の方がどなたもおっしゃっていましたが、 どういうことをやっているのかを知ってもらうための広報が大変難しいそうです。

改行マークそういうことから「カメラミュージアム」の呼びかけで世良美術館、 白鶴美術館、 香雪美術館の四施設が連携して共同のチラシをつくったこともあったそうです。 これからはもう少し違った意味でのネットワークが模索されれば、 より豊かな成果、 文化的土壌が育まれてくるのではないかと思います。

改行マークこの公共ではないということ、 「民間」であることの良さは、 今申しました曖昧で多様性に富んでいることにあると考えますが、 これを支える土壌を、 歴史的にも現在的にも、 神戸東部は持ち続けていると、 調査を終えて感じた次第です。

改行マーク以上をもちまして若手ネットワークからの報告を終わらせていただきます。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見は神戸東部市民まちづくり支援ネットワーク

(C) by 神戸東部市民まちづくり支援ネットワーク

阪神大震災復興市民まちづくりへ
学芸出版社ホームページへ