あとがき
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一九九九年十一月一日
市民まちづくりブックレットは、 一九九九年二月に第1号を発行以来、 はや5号を数える。 神戸東部市民まちづくり支援ネットワークとしては、 去年の(第3回)まちづくりフォーラムを記録した第1号の「まちづくり文化のルーツ」に続く2冊目である。
ところで、 阪神・淡路大震災がもたらした副産物の一つに、 この神戸東部市民まちづくり支援ネットワークを含む各種復興まちづくりのための、 自律的活動があげられる。 このような復興まちづくりのための自律的活動は、 震災が生んだ阪神間独自の「まちづくり文化」と言えるのかもしれない。 これらは誰からも指図されず、 誰にも依存せず、 全く自律的、 主体的に活動している集団だからである。
神戸東部市民まちづくり支援ネットワークは、 神戸市東部(東灘区、 灘区)を中心に、 復興まちづくりのため、 地元のコンサルタント、 大学の先生、 行政担当者、 時々は住民が任意で集って情報交換をしているネットワークである。 規約もなし、 会費もなし、 名簿も確立させず、 流動的に活動しており、 いわば浮遊状態のクラゲのような集団であり、 それ故に壊れ難い性格を有している。
そして、 このクラゲ集団から、 今回のフォーラムの第2部「神戸東部地域の民間文化施設」の調査を担当してくれた(仮称)若手プランナーネットワークが生まれている。 この集団も小クラゲのようなもので全く自律的に活動している。
このメンバーは、 阪神間独自の「まちづくり文化」を支え、 継続していく可能性を有する者達として名前を記しておきたい。
「(仮称)若手プランナーネットワーク」神戸東部民間文化施設調査作業スタッフ
吉川健一郎・吉原誠(コー・プラン)、 松原永季(Team ZOO いるか設計集団)
慈憲一・野本馨子(六甲技研)、 中尾嘉孝(港まち神戸を愛する会)
山本和代・藤本恵理子(遊空間工房)、 田中正人(都市調査計画事務所)
中川啓子(ジーユー計画研究所)ほか
今回のフォーラムは、 私が支援している岡本地区まちづくりの中の岡本好文園コミュニティホールを素材に多くの人に参加していただき、 「まちづくりと民間文化施設」について議論し、 示唆に富んだご意見や励ましを頂いた。 「魅力あるまちづくりと文化施設は、 地域の独自性、 個性を生かしつつ、 多くの人の努力と知恵を重ねて育てていくもの」ということが今回の結論だったように思う。 岡本好文園コミュニティホールの運営もこれからであり、 エンドレスに続いていく岡本のまちづくりに対して、 今後とも暖かいご支援、 ご示唆を賜るようお願いする次第である。
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