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どのくらいの放射線を浴びれば体に影響が出てくるのかという話をします。

 以前ならたくさん放射線を浴びるとがんが発生する、また、たとえ量が少なくても浴びた分だけがんになる危険性が増す。というのが放射線に関する常識でした。ところが最近ではがんなどに関してもある程度の線量を超えないと増加しないというのが一般的になっています。実験のレベルではホルミシスといった一種のホルモンのような作用があり低いレベルの被ばくは体にいいという報告もされています。実際、原爆の被害者を調査した結果低い線量の人たちは逆に被ばくしていない人たちよりも白血病の発生が少ないといったこともあります。またまったく放射線のない環境の中では逆に細胞の活性化が抑えられるという実験結果もあります。ではどの程度の放射線を浴びると体に影響が出てくるのかと、いうといろいろ言われていますが50〜200mSvという量が一般的です。この値になったらみんなガンになってしまうというのではなくこれを越えるあたりから自然に発生するガンや白血病の値よりも数字としてわかるようにわずかずつ増えてくるというだけである。
自然発生の白血病の場合約10万人に5人とか6人とか言われていますがこの数が200mSvを越える頃から少しずつ増加してくるのがわかるといった程度です。では通常の検査ではどの程度の放射線を浴びるのかといいますと施設によって差がありますが胸のエックス線撮影でおよそ0.05から0.1ミリシーベルト比較的線量の多い注腸検査でも8ミリシーベルト程度です。またもし妊娠に気づかずに検査を受けてしまった場合でも胎児が100ミリシーベルト以上の放射線を受けないと何らかの影響は現れません。下腹部の被ばくが比較的多い腰のレントゲンを5枚撮ったとしても胎児が受ける線量は10ミリシーベルトにもなりません。通常の検査を受けたくらいでは何の心配も要らないのです。

 
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