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ただし胎児や子供が成人に比べて放射線の影響を受けやすいのは確かです。

 子供の場合は全身の骨が赤色骨髄なので必要とする場所以外に放射線が当たらないように十分気をつけて撮影しています。またこれから長い一生の中でどれだけ放射線を使った検査を受ける機会があるかわからないので子供に対してはできるだけ少ない量で検査が行えるように努力しています。
 子供だけではなくもちろん大人に対してもできるだけ少ない量の放射線で十分な情報を得られる検査を行うことが我々診療放射線技師の義務であると思いますし、そうする責任があると思います。

 
ただ、いまだに施設間の差は大きく・・・

 胸部のエックス線写真でも1枚撮影するのに放射線の量が10倍以上の差があるのが現実です。また急速にデジタル化が進み一般的なエックス線撮影でもフィルムを使って撮影している施設は少なくなってきました。以前のようにフィルムで撮影していると放射線の量が多すぎると真っ黒になってしまって失敗します。ですから細心の注意を払って撮影をしてきました。
しかしデジタルでは限度はありますが通常の撮影の5倍や10倍エックス線が出ていても普通に撮影できてしまいます。CTなどでも子供や体格の小さな人でも大人と同じ線量で撮影しても何の問題もなく撮影できてしまいます。このようなことに気をつけて被ばく線量を抑えて検査を行うことは放射線に対する知識を持った診療放射線技師にしかできないことだと思います。
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