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10月の展覧会スケジュール

10月5日〜10月17日
山口牧生石彫展
作品イメージ石を叩く

 山口牧生さんは、僕が出会った最初の彫刻家である。一九五五年四月、大阪市立美術研究所のうす暗い地下の奥の彫刻室であった。彼が二十八才、僕が十九才。この時どういう会話をかわしたかは記憶にない。只、彼は二分の一等身のザッキン風の裸婦をつくっていた。以後四年、この彫刻室で一緒に制作に励んだ。今思うと互いに競っていたかも知れない。
 この研究所時代の、どうでもなり、どうしようもない彫塑の試行錯誤が後に能勢の石にいきつき開花する。彼はすでに四十才という歳を重ねていたのである。「石を加工してなっとくできる形として、ぼくは四角と丸の外知らない」。五十八才の時の言葉。
 二〇〇一年、西宮市大谷記念美術館に於いて山口牧生展があった。一番の新作「石の中」が大きな部屋に一つ象徴的に置かれていた。舟形のこの彫刻は彼の絶作であり棺としてつくられたものである。彼は自分の死を予知していたからである。
 愛しく、いつもより時間をかけたが、くしくもこの作品は完成してしまうのである。
この時の山口牧生の喜びと戸惑いを想像すると僕は今でも涙する。絶望の末、再度小さな友舟をつくることになる。これこそ絶作だと、つくらねばならない。つくってはいけない。助けてくれ、死なせてくれ、と鑿をいれる。そしてこの冬彼は彫刻家をおえる。作業場には友舟が六、七分がた出来上がりゴロリとおかれていた。
 「石を叩いているかぎりにおいてかろうじてわたしは彫刻家であった」。山口牧生さん最後の言葉である

福岡道雄 (彫刻家)

10月19日〜24日
吉原和恵展 
作品イメージ吉原和恵個展に寄せる思い:

最近、私の目に飛び込んで来るものに、日本人が少し以前まで使っていた道具があります。
 とても、モダンに感じるんです。その道具に現代の感覚で描いた絵を吉原和恵の「アート」として表現し、あらためて古いものから発するメッセージを受け止めたいのです。
 かつての日本人の心と美意識を探りたいと思います。
古いものと新しいものとをいかに巧くコラボレーションさせるのか、不安でもあり、楽しみでもあります。
 過去の日本人の心と美意識探しの私の表現が、見て下さる方に上手に伝わり、見て頂いた方々にかつての日本人の心と美意識を再認識して頂ける機会となれば良いと考えています。
 決して、過去への郷愁や憧れだけで古いものを見たくないのです。古いものを古いものと思わず、古いものと新しいものとは一直線上に繋がっていたいのです。そして、そこからすばらしい未来が広がって行って欲しいのです。それは、私の生きる指針でもあります。
 今回の個展では、高さ121センチ、幅51センチ×6枚の6曲屏風を、いかに現代アートとして表現させるのか、不安と楽しみが心に同居しています。
 キャンバスやその他の作品と屏風をコラボレーションさせて、インスタレーションするのか今考えています。
2004.08.10吉原和恵
作家略歴:
1947      京都市に生まれる
1979〜     元永定正氏師事
1980      第13回日本国際美術展(東京・京都)
1981〜85   吉原治良賞美術コンクール展(大阪)3回
1981/83   個展(番画廊,大阪)
1982      個展(大阪現代美術センター)
1983/84   いま絵画はOSAKA(大阪現代美術センター)
1984      個展(アートスペース虹,京都)
1985      個展(スペースアウパ,名古屋)
1986      国際「WORKS ON PAPER‘86」(ABCギャラリー,大坂)
          第25回Joan,Miro国際ドローイング展(スペイン,モナコ)
1987      個展(アートスペース虹,京都)
1988      国際オリジナルドローイング展(TUZLA―YUGOSLAVIA)
1989      個展(OPEN HOUSE GALLERY,(New York)USA)
1990      個展(GALLERY DAVID,(New York Soho)USA)
1991      MEDIUM2展(Romania)
1992      個展(ARTRA GALLERY,(New York Soho) USA)
1993/94〜  自宅(町家)改修 町家での展覧会、サロンなどに活用
1995      コンテンポラリーアート展(スタジオ.コム, 京都)
1995/96   個展(ギャラリー耀,京都)
1998      個展(ABCギャラリー,大阪)
1999〜01   日本建築学会。京都の都市景観特別研究委員会(生活と景観)参画
1999      吉原治良賞美術コンクール展(大阪)
          京展(京都市美術館)
          個展(ギャラリーすずき,京都)
2000      京展(京都市美術館)
2001      個展(ギャラリーすずき,京都)
2003      個展(Gallery マロニエ,京都)
2004      京展(京都市美術館)
          個展(アートスペース虹,京都)

10月26日〜31日
辻 清香

作家コメント:

いつも見ている風景を違った観点から見てみよう。
木々の葉が重なり合う間から空を眺めれば、昨日とは違う雲のカタチを見つけられるから。
伸びゆく植物の間から街を見てみると、ゆっくりとした時間が、そこには流れているから。
作家略歴:
1975年 大阪府生まれ
2001年 大阪産業大学工学部環境デザイン学科研究生 修了

<個展>
1998年 辻 清香展 ギャラリークオーレ(大阪)
2000年 辻 清香展 コーヒーカンタータ(大阪)
     辻 清香展 ギャラリークオーレ(大阪)
2001年 「まち」がミュージアム! 富士吉田アートフェスティバル(山梨)
2002年  辻 清香展 ギャラリークオーレ(大阪) 

<グループ展>
2001年 ハッシン前夜 ドットアートコスモ(大阪)
     ハッシン!  ドットアートコスモ(大阪)
2003年 「洗い屋」―古着を使った美術展― 大阪市立中央青年センター(大阪)
「洗い屋」―古着を使った美術展2― 酒蔵アート空間「さざ波」(京都)  
     ナノ・モノ展  ナノ.リウム (山梨)

<その他>
2001年 保育園でのワークショップ及び園児たちの作品との共同作品展(奈良)
2002年 アート見聞録(ギャラリ−ツアー及びワークショップ) 應典院(大阪)
     保育園でのワークショップ及び園児たちの作品との共同作品展(奈良)
2003年 幼稚園でのワークショップ及び園児たちの作品との共同作品展(大阪)

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