*■■■ 美しき日本の絵はがき展 ■■■ @細見美術館
ボストン美術館所蔵、ローダー・コレクションと呼ばれるものであるらしい(エスティーローダー会長・Leonard A. Lauder氏が集めた、明治から昭和初期にわたる日本の絵葉書コレクション)。
今見る官製葉書より一回り小さいサイズが主流。風景写真は殆どなく、イラストや人物、絵、模様ばかりである。中には書き込んである絵葉書もあって、そういうものには人が群がって一生懸命読んでいた。学のある人は細かい文字でビッシリと、文語調の文体で以て。素養のある人は、たださらさらと一句。読み書きの苦手と思しき人は、平易な漢字に片仮名、処々唐突に平仮名混じりの大きな鉛筆文字で。英語で「これは何々しているゲイシャの姿です、」とか書いてあるものもある。・・・昔の知らない人が出した葉書は、他愛のない内容でも興味をそそる。
現代と決定的に違うのは、兵隊のモチーフが非常に多い処。さすが戦前。カソリック圏の御絵の聖人か、というくらいのポピュラー振りである。コレクションは2万5千枚だそうだが、内訳は地方の学校の陸上大会案内といった無名のものから(無名でも面白い)、上村松園、浅井忠などの高名な日本画家、洋画家まで様々。上村松園は祖母や母が好きで画集がある。絵葉書まで描いていたとは。改めて、「絵葉書」とは一大ジャンルだったんだな、と知る。
目録を購入しようと思ったが、既に完売。世話になっている知人への土産に、絵葉書のデザインから取られた夢二の花見の一筆箋を購入。封筒が置いていなかったので、後で新京極で和紙のものを見繕った。
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細見美術館・・・併設のCAFE CUBEも良い。