台湾台北「食記録」
August 2004






■  概要        台湾レストラン心得、企画背景、参加者特性等
■  欣葉台菜(本店)  台湾料理
■  意芳飯店      海鮮料理 (@野柳)
■  彭園湘菜館     湖南料理
■  圓山大飯店金龍餐庁 飲茶料理
■  真的好餐庁     海鮮料理
■  青葉餐廳      お粥屋さん
■  良芳餐館      四川料理・客家料理
■  機内食       CATHAY PACIFIC (EC0NOMY)
■  コンビニの食べ物  SEVEN ELEVEN
■  総括        回想、次回の希望、台北外食お役立ちリンク








■■■ 概要 ■■■


本文の目的:台北旅行での食の記録を残すことで、自他共の今後の参考に役立てる。
裏動機:死ぬ気で食べまくったので、タダでは転びたくないというか(汗)。


台湾レストラン心得:
  しっかり飲み食い(ビール紹興酒含む)しても大抵一人あたり2000〜3000円台。
  本文で載せた店はどこも割と混んでいたので、できれば予約をしていった方がよい。
  (我々はすべて予約して臨んだ)(何故か複数の電話番号をもつ店が多い)
  支払いは円ではなくもちろん元である(念のため;)。
  大勢で行けば行くほど、色々食べられて安上がりになる。
  日本語は通じる処と通じない処が。末尾各関連HPでチェックを。料理写真あり
  英語は日本国内並に通じないものと思うべし。
  日本ビールは置いている処が多い。聞いてみるべし。
  台湾では紹興酒は燗で青い輪切りレモンを絞って呑む。砂糖は出されるが入れない。
  ワイン、ハードリカー等、レストランへの酒の持ち込みはOK。
  お茶はもちろんタダ。ちょっとしたデザートがサービスされる店が多い。
  中華なので、炒飯・炒麺・スープなどは食事の最后に出てくる。
  料理はピリ辛多し(激辛ではない)。香菜、ニンニク、唐辛子の薬味が付く。
  普通のレストランではチップは要らないが、高級レストランでは必要。
  海鮮料理店では店の前にいけすがあり、何をどのように食べるか指さして決める。


旅の企画者:BASIL父
      「大食らいの大酒呑み、鋼の内臓の持ち主」に帰属(下記参照)。
      飲み食いと女子マラソン鑑賞以外に趣味がない。かなりワガママ。
      あろうことか今回、彼の立場が一番上だったので、
      この無謀な食い倒れ企画を誰も表だって「イヤだ」とは言えなかった;

旅行日程:三泊四日
食事回数:全11回
食事場所:機内食を除きすべて台北市内の各レストラン(一件だけ@野柳村)
参加者人数:10人(日本人7人、在日朝鮮人1人、台湾本省人2人)
参加者年齢層:30〜70代
男女内訳:男4名、女6名
消化能力内訳:大食らいの大酒呑み、鋼の内臓の持ち主=2名
       大食らいの大酒呑みだが実は下しやすい人=1名
       胃腸能力は月並なのについ食べすぎて下しやすい人=1名
       高血圧の薬を飲んでいるが普通に呑み食いできる人=1名
       普通に飲み食いできる常人レベルの消化器官の持ち主=2名
       普通の消化能力を持つが酒とカシューナッツにアレルギー=1名
       牡蠣アレルギーかつ胃弱で食べすぎると熱を出す人=1名
       後に腸ヘルニアの手術が控えている為無理できない人=1名


・・・それでは、レッツゴー。








■■■ 欣葉台菜(本店) 台湾料理 ■■■

場所:台北市雙城街34-1號
電話:2596-3265
参考:晩ごはん。
   個室を予約して行ったが、店内は満員だった。
   10人で飲み食いして(ビール・紹興酒・料理)一人頭2000円相当。
   少しづつ色々食べれらるよう、一品少量で特別に注文してもらった。


台湾料理の老舗。欣葉の店は台北に10軒、日本に3軒、あるそうだ。メニュー多し。ガイドブックにもよく載っている。薬味に「香菜(シャンツァイ)」「生ニンニクと生赤唐辛子の微塵切り醤油あえ」が出てくる(台湾料理のお約束アイテム)。これは、何にでもつけて食べる。

「シジミのニンニク醤油漬け」は台湾の定番料理であるらしく、この後も何度も口にした。シジミ(生)は日本のものより大きい。生ニンニクがキリッと効いてさっぱりした味。暑さ疲れを吹き飛ばすような一品である。「空心菜のニンニク炒め」も、「シジミ〜」と同じく色んな処で食した。ベトナム料理でも使われる空心菜(コンシンツァイ)、暑い国々の定番野菜なのだろうか? 「甘辛く味付けしたレバー」は柔らかく臭みも殆どない。ほかほか御飯に載せて食べたくなる味。先ほどの薬味を載せて食べると、レバー嫌いな人でも食べやすそう。「ブタの角煮」は甘くなく、あっさり醤油味。しっかり煮込まれてトロトロである。「大根の千切り入りオムレツ」も、あっさり味。薬味二種を載せて食べるとまた違った味わいに。「酢豚」はあまりごちゃごちゃ野菜が入っておらず、豚肉が骨付き肉でコロコロと小さかった。美味しい。これら「角煮」「オムレツ」「酢豚」の三品は、典型的な台湾の家庭料理なのだそうだ。他にも色々食べたがよく覚えていない。最后に、「炒飯」「炒麺」「炒ビーフン」を少量づつ食べる。どれも申し分なく美味。一つだけ選べと言われた場合、選びようがない感じ。最后に美味しいお茶ピーナツ粉の掛かったおもちを出してくれる。もっちり美味しい。

総じて台湾料理というのは、暑さでバテた体を回復させるのに向いている料理、という感じがした。ニンニク・唐辛子・香菜(シャンツァイ)は食欲を刺激し、ビタミンを補い、消化を促進する。料理はあまり甘くなく、油は使うものの、あっさりしたニンニク醤油味が多い。唐辛子の辛さは、本場のタイ料理・韓国料理・メキシコ料理ほどの激辛ぶりではなく、日本人に丁度いいくらいの辛さ。よほど辛いのが苦手な人でなければ、普通に美味しく食べれる辛さだと思った。


美味しかったアイテム・・・「酢豚」「炒飯」「炒麺」「炒ビーフン」、毎日食べるなら、この店の料理を野菜等バランス良く食べたい、と思った。勿論、薬味付きで。


◇ 欣葉台菜(本店) @ 旅々台北.com・・・料理写真、地図、クーポンあり。「小魚花生(ピーナッツとじゃこの炒め物)」って台北の三越デパートで買えるのか。お粥のトッピングにいいなあ。
◇ 欣葉 ・・・日本支店のページ。浦安のイクスピアリにも入っていたとは。処で、日本でも香菜やニンニクはちゃんと出してくれるんだろうか。やっぱりこれがないとね。








■■■ 意芳飯店 海鮮料理 (@野柳)■■■

場所:野柳村港東路155號
電話:2492-2175
参考:昼ごはん。
   海鮮料理は九品で10000円相当から、とある。
   昼夜とやっている模様。平日ランチだったが繁盛していた。


台北から車で一時間ほど北に行った処にある大きな港町・基隆(キールン)市。そこから北西に10kmほど下った、海辺の奇岩群で有名な野柳村港の、一レストランである。丁度奇岩の入り口から出て、右手に並ぶ食事処の一番手前端にある。小さな店の前にはいけすがあり、貝・海老・魚を指さして料理してもらう(海鮮料理店はこのスタイルが定番)。小さな店だったが、観光スポットのためか、日本人客が他に二組居た(でも日本語は通じない)。田舎であるためか、のんびりしていて、台北市の町中ほどにはキビキビとしたサービスは望めない。店内には、店の老婦人の手による地元の風景画が掛かっている。

「はまちの刺身」は意外にも身が締まっていた。そこそこ美味しいけど、そこそこのお刺身なら京都でも食べられるしなあ、という気が(オヤジ達はどこでも刺身を食べたがるんだが;)。「伊勢海老の刺身」は、淡白で味はいまひとつ。が、その「海老殻で出汁を取った味噌汁」は、同じく淡白ながらも美味しいと思った。「カキと野菜のオムレツ」「カキの唐揚げ」、身は小振りだが共に評判良し(私はカキアレルギーの為、食べていない)。「小さいハマグリとネギを甘辛い赤い味噌で炒めたもの」「黒鯛のまるごと唐揚げに、ニンニク・ショウガを効かせた甘酢野菜あんを掛けたもの」を食す。「黒鯛〜」は黒酢色で、美味しかった。また「炒飯」も食べたが、ここのはニンニクが非常に効いていた。野菜は「さつまいもの葉を炒めたもの」「空心菜のニンニク炒め」を注文。「さつまいもの葉」は、ぬめりのないモロヘイヤのような食感。台湾ではよく食べる食材らしい。この二品は他の店でも度々食べた。他にも食べたような気がするがよく覚えていない。台湾ビール、紹興酒の他、キリンビール500ml缶あり。

余談だが、刺身についてきた練りわさびは、以前韓国・釜山で食べたわさびほど粉っぽくはなかったが、それでも日本のものに辛さ・味が劣る。そのせいか、高々と大量に積まれて出てきた。


美味しかったアイテム・・・「黒鯛のまるごと唐揚げに、ニンニク・ショウガを効かせた甘酢野菜あんを掛けたもの」「海老殻で出汁を取ったあっさり味噌汁」


◇ 野柳風景特定区 @ 旅々台北.com・・・レストラン関連のHPは見つからず。晴れた日だったので、真っ青な海との対比が無茶苦茶きれいだった。








■■■ 彭園湘菜館 湖南料理 ■■■

場所:台北市林森北路380號2・3F
電話:2551-9157
参考:晩ごはん。
   一人頭2500〜3000円相当?
   予約して早い目に行ったが、店を出る頃には店内は満員だった。


湖南料理を、台湾人の口に合うようにアレンジした料理、だそうだ。確かに台湾レベルの辛さだった(本場ではもっと辛い筈)。ビルの二階(と三階)でフロアは広い。内装はピンクとベージュで明るい洋風にまとめてある。トイレは白檀の香りがしていた。ちょっと高級な雰囲気。

最初にニンニクや香菜で和えたウリやかぶらなどの小菜が出てくる。その辺、台湾風という感じ。「細切り牛肉」はドミグラスソースっぽい味。<「薄い四角いしっとりした白いパンに、柔らかい甘い乾し肉のようなものとミルフィーユのパイ生地のようなものを載せ、半分に折って挟んで食べるサンドイッチ」が美味しい。部分的に口の中でサクサクする感じが面白い。シナモンロール型の「小さな揚げロールパン」は少し固くてほんのり甘い。「金針菜の炒め物」はよくある台湾料理。金針菜は百合科の花の小振りな青いつぼみで、栄養価が高いのだそう。本当につぼみばかりが山盛り出てくる。苦みなどは全くなく、まろやかでアスパラガスや三度豆のような味がした。土鍋で供される「豆腐の醤油煮込み」は代表的胡南料理だそう。表面が少し固く皺のよった豆腐を、熟成した醤油で煮込んである。醤油にはもろみ粒が見られ、深いコクのある香りがしていた。甘みはない。世の中には色んな醤油があるもんだ。ビンテージワインのような醤油味、という感じがする。「酸っぱいザーサイとニンニクで炒めたキャベツ」はお店からのサービス。でもこれはそんなに美味しくなかったなあ。最后に食べた「貝柱ともずくのトロトロスープ」。固形燃料に火をつけた鼎(かなえ)の上に金属の小鍋が載った形で供される。おもゆというか、葛湯というか、半透明のドロリとしたスープに、干した貝柱を戻したものと細いもずくが入っているのだが、食べ始めはあまり美味しくないのに、時間が経つにつれどんどん旨味が出てくる。お腹がいっぱいで死にそうだったにも関わらず、結局全部食べてしまった。こういうの、食べたことない。美味しかった。


美味しかったアイテム・・・「貝柱ともずくのトロトロスープ」「薄い四角いしっとりした白いパンに、柔らかい甘い乾し肉のようなものとミルフィーユのパイ生地のようなものを載せ、半分に折って挟んで食べるサンドイッチ」


◇ 彭園 @ 旅々台北.com・・・料理写真、地図、クーポンあり。








■■■ 圓山大飯店 金龍餐庁 飲茶料理 ■■■

場所:台北市中山北路四段1號 圓山大飯店内
電話:2888-1263
参考:昼ごはん。飲茶はランチの時だけで、夜は広東料理になるそう。
   元迎賓館である超高級ホテルの中のレストラン。
   ここの飲茶は有名だが、ここもそんなに高くなかったはず。
   満員。予約必須。遅れるとキャンセルされる。待ってる人大勢。


泣く子も黙る超高級ホテル圓山大飯店の中にあるレストラン(圓は円の旧字)。レストランのフロア(広い;)は一面総ガラス張りとなっていて、基隆河の向こうに松山空港や台北市が見渡せる。この圓山大飯店、元迎賓館だけあって、中は広大、内装も素晴らしくゴージャス。すべてが華やかで、気品がある貴人の御殿という感じ。それでいてまったくケバケバしくない。使われる赤ひとつにしても、深みと落ち着きがある。金の色の使い方が違う。タイガーバームガーデンになってない。アホほど広いロビーには、小山のようにうずたかく盛られた蘭のフラワーアレンジメント。すべてが素晴らしい。繊細な彫刻が施された天井や壁や柱を、ぐるぐる見回しながら広いフロアを歩き回った。・・・こういう処にメイドさん付で住みたいです。ぜんぜん気後れしないです。ええ、ちょっと言ってみただけです。

ここで最初に出された紹興酒が美味しかった。レモンも絞らず、そのまま燗されたものを飲んだのだが、皆一様に「・・・美味しい」と唸る。今までのレストランで飲んできたのとは、味の深みが違う。でもレモンを絞ると月並な味に。日本組は「レモンを入れない方が美味しい」と言い、台湾組は「いやレモンを入れた方が美味しいし飲みやすい」と意見が分かれた。私も、ここの紹興酒は“レモンは入れない派”である。ちなみに別の店でレモンを絞らず飲んでみたが、こういう味ではなかった。月並な紹興酒ならレモンを入れた方が美味しいようだ(台湾ではレモンを入れて飲む習慣がある)。ちなみに砂糖は入れない(出されるけど入れないのが普通)。世間には、年代物の美味しい紹興酒がもっと色々あるんだろうなぁ、と思った一件だった。

点心。「ウナギの巻きごはん」は始めて見た。ウナギの蒲焼きを芯にして、餅米で巻きずしのように巻いたものを、輪切りにして蒸してある。今まで食べた飲茶では、こういうのは食べたことがなかった。普通にウナギ丼な味。台湾ではウナギはよく食べるらしい。美味しかったのは、鮮やかな山吹色に照った「鶏皮のオレンジ煮」。PANDA EXPRESS* の ORANGE CHICKEN の皮とは訳が違う。熱を通していながら、この爽やかさはなんだ?!、って感じのさっぱりした味をしていた。どうやって出すんだろう、あの味は。今回のチャレンジな一品は、「ニワトリの足」。足首から先が出てくる。甘酸っぱくて、ゼラチン質がぶよぶよ。ぽろぽろと細かい骨だけ出して全部食べた。ニワトリの足って、沢山の骨で出来てるんだなー、と思わせられる一品だった。そういえば、ここではカエルの足もアヒルの舌も食べることはなかった。無かったのか、取らなかったのかはよく分からない。

しかし点心自体は総じて、むせび泣くほど美味しい、って感じでもなく、飲茶としてふつうに美味しい味、という感じだった(あ、言っとくけど全然不味くないですよ)。台湾人のYさんも、市内のレストランでもここより美味しい処はある、と言っていたし。ホテル内の他の高級レストランにしても、格式と値段は高いけれど、町中にはもっと安価で美味しい処がある、という話だった。しかし、こんな高級感漂う壮大な建物の中でそこそこの味の食事ができるのは、大きな付加価値があると思う(不味けりゃ本末転倒だと思うけど)。お腹が一杯であまり食べられなかったので、胃腸が元気な時にまた来たいと思った。

おまけ話。以下Yさんの飲茶の解説。飲茶は広東発祥で、昼食というよりは、元は商人たちが商談をするためのブランチの場だったのだそう。もちろん、晩ごはんにするような食事ではない。

註:PANDA EXPRESS*・・・米国のファーストチャイニーズフードチェーン。最近は日本でも見掛ける。


美味しかったアイテム・・・(何も入れずに飲む)「紹興酒」「鶏皮のオレンジ煮」


◇ 圓山大飯店 金龍餐庁 @ 旅々台北.com・・・料理写真、地図あり。マンゴープリン食べてないよ。っていうかお腹一杯で無理だよ(涙)。
◇ 圓山大飯店 ホテルのHP・・・目がくらむ(@_@;)。ここって龍穴の上に建ってるらしい。元は日本植民地時代の神道の神社だとか。日本語バージョンあり。








■■■ 真的好餐庁 海鮮料理 ■■■

場所:台北市新生南路二段84號
電話:2394-2166
参考:晩ごはん。有名な高級海鮮料理店らしい。別名「Really Good Seafood」。
   色々飲み食いして一人頭7000円相当くらいだった。
   でもワインやブランデーを持ち込みしてたし(台湾は持ち込みOK)、
   フカヒレやデカ海老類は頼んでないし、あんまり力一杯食べてない。
   (もう全員胃腸が無理っちゅう話;)
   頼みようによっては、もっとすると思われる。


オープンな雰囲気の明るい洋館。目の前には広い公園が広がる。館の表には水が溢れる水槽が並び、シャコ(大きい)、海老や蟹が何種類も並べられている。細い通りを挟んで別棟の個室があるのだが、我々はそちらで食事した。内装はシンプルで明るい木目調。ホテルの寝室っぽい感じである。部屋には限定物のリヤドロの大きな人形が何点か飾られ、食器も全て洋皿。ティーカップは Wedgewood India のデミタス、取り皿は同じく18cm皿を使用。供される大皿は Wedgewood Florentine Turquoise がメイン。カトラリーは Versace の銀器。こういうシチュエーションで中華を食べるのは初めてである。部屋の端にカップボードがしつらえてあり、黒いシンプルな半袖ワンピースの制服を着た、専属の美人のお給仕のお姉さんが一人付く。お姉さんは福建省出身で、北京語は苦手な模様。本省人であるYさんは、最初にチップを渡しながら、「ちゃんと話せるようになんなさいね、」とアドバイスしていた。チップは普通の店では必要ないが、高級レストランでは必要である。渡す時は、最初に渡す方がモチベーションが上がるので、最初に渡した方が良い、とのこと。お姉さんは確かに、付きっきりで至れり尽くせりのサービスを提供してくれた。取り皿もお手拭きもこまめに取り替えてくれるし、残り少なくなった大皿は小皿に移してくれるし、大きな魚も一旦きちんと見せた後取り分けてくれるし。小姐 [シャオチエ]、グッジョブである。

料理はもう、この頃になるともうあまり覚えていない(毎日食べすぎ;)。「刺身」は(すみませんオヤジ連中が刺身好きなんで;)、「小振りなアワビ」が甘くて美味しかった。最初に「大量の茹で海老」が出されたのだが、これも美味しい。殻をむきつつ、手元のソースにつけて頭から食べる。野菜は「白菜」と、「日本にない野菜」の二品が出てくる。いづれも芯の方が柔らかくて美味しいから、という理由で、芯の一部しか使っていないそうだ。一皿供するのに一体白菜何個分を使ったのか。・・・「蟹」も食べた(何蟹かはよく分からない)。なにやら「大きな魚の甘酢あん掛け」も食べたなあ。他にも色々食べている筈。最后に「果物三種」と、「カボチャのプディング・ココナツミルクがけ」が出てきた。果物は、どれも日本にはない種類の謎の果物で美味しかった。

海鮮料理と聞いて、海皇 [ハイファン] みたいな、「車エビが紹興酒を掛けられてビチビチ!」とか、「鯛の刺身にクラッシュトピーナツや何やらをまぜまぜ!」みたいな、派手なのを想像していたが、違っていた。もっと普通だった。中華の海鮮料理って、全部が全部、ああいうんじゃないんだ・・・(←無知)。今度行く時は、胃腸に余裕を持って、フカヒレとか食べてみたい(と言ってみるテスト)(いくらするのか知りません;)。


美味しかったアイテム・・・「小振りなアワビの刺身」「大量の茹で海老」「お給仕の小姐」(誤?)。


◇ 関連サイト見つからず








■■■ 青葉餐廳 お粥屋さん ■■■

場所:中山北路一段105巷1號 (晶華酒店の近所)
電話:2551-7957
参考:朝ごはん。日本語がちょっと通じた。
   朝メニューの時間帯だったのだが、10人居ることもあり、
   事前にお願いしてみたら特別に色々作ってくれることに。
   そしてまた朝から大量に注文してビールをガンガン飲むオヤジ達。
   有り得ない・・・(汗)。


おかずは欣葉に似た感じの一般的な台湾料理だった。「芋粥」もあるそう。前日の朝にそれを食べた人々は、芋粥も美味しいと言っていた。食べ方は、お粥に甜酒豆腐乳を溶いて、香菜を散らし、おかずを次々に取って一緒に食べる。お粥自体は白粥で、何も味付けされていない。処変わればお粥スタイルも変わるものである。昔NYで食べたお粥は出汁がきいていて、何も載せないシンプルなものだった。貝柱で出汁を取ったお粥に香酢を掛けるスタイルもあるしなあ。料理はどれも美味しかったが、あんまり食べていない(連日連夜食べまくって胃腸的にもう無理;)。「ピーナツとじゃこを甘辛く炒めたもの」がお粥のトッピングにぴったりで美味しかった。あと、私はお腹いっぱいで食べていないが、熱々の「イカ団子」が好評だった。

小皿で出てくる「甜酒豆腐乳」はl少し甘味のある、もろみ味噌味。漬け込まれた1cm角くらいの豆腐はすっかり発酵して固くなり、酒粕のようなクリームチーズのようなまったりした味わいになっている。世の中色んな種類の豆腐乳があるが、これは全然臭くない。舌への刺激もほんの少しって感じ。甜酒豆腐乳も色んなメーカーが出しているそうだが、甘い目だったり酒味が強かったり、色々味が違うようだ。「江記」という処が出している甜酒豆腐乳をおみやげに貰ったが、青葉で食べたのとはまた微妙に味が違って美味しかった。コレと香菜となにか佃煮か塩鮭の端きれがあれば、別にあんな晩ごはん並のおかずは要らないよなあ、と思う(朝は軽いトッピングで充分だよ;)。お粥屋さんに、夜とは違う軽い朝メニューがあるのは、至極まっとうなことだと思った(ああ、段々文句になってきた;)。


美味しかったアイテム・・・「甜酒豆腐乳」「ピーナツとじゃこを甘辛く炒めたもの」、もとい「お粥」と書くべきか。


◇ 青葉餐廳 @ 旅々台北.com・・・料理写真、地図、クーポンあり。








■■■ 良芳餐館 四川料理・客家料理 ■■■

場所:民生西路270號
   重慶北路二段×民生西路の東北角。民生西路北側、台北国際商銀の西隣一階。
電話:2556-1659、2550-1528
参考:昼ごはん。(営業時間:10:30am-2:00pm、5:00pm-9:00pm)
   名刺には「川菜・客家菜」とある。「川菜」とは四川料理のこと。
   ここもそんなに高くはない。
   予約を入れていったが、休日の昼時で混んでいた。


「黄魚の野菜あんかけ」がゴージャス。代表的な客家料理であるらしい。美味しい頭(というか顔というか頬というか)を誰が食べるかで、譲り合いになる(もうみんなお腹いっぱい;)。他店のだけどこんな感じのやつ。黄魚自体が美味しい魚なんだと思う。「三度豆と干しエビの炒め物」が美味しかった。三度豆は日本の三度豆の三倍ほど長くて、くたくたしている。干しエビも、小さいながらもぷっくり身が入っていて、日本の痩せた干しエビより歯ごたえ・旨味ともにある。「麻婆豆腐」は豆板醤の赤みの強い、普通に日本で食べるような味。さして辛くない。過去に食べた本場四川風のは、もっと山椒が利いていて、なおかつ激辛だったので(いやそれでも手加減してあったと思うけど)、これも台湾仕様なんだろう。ユニークだったのは、大振りな肉まん二つ分ほどの大きさの「楕円形のパン」。蒸したものと、それを揚げたものと、二種出てきた。食べやすいように斜めにいくつかに切ってあったのだが、中がうどん状の細いパンの束になっていて、周囲をぐるりと包んだ形になっている。従って、真ん中のうどん束状の部分(肉まん的には餡にあたる部分)は、手でむしりやすくなっている。その部分は手でむしって食べ、好きな料理を詰めて食べるようになっているのだ。味は肉まんの皮の部分のような感じ。ただし、作りが違うので少し食感が違う。これに「鶏肉とピーナツの炒め物」を詰めて食べたら美味しかった。「鶏肉とピーナツの炒め物」は、本当は「鶏肉とカシューナッツの炒め物」であったかもしれない。一人カシューナッツ・アレルギーの人間が居たので、ピーナツで代用されていたような気が。・・・なんしか色々食べたがよく覚えていない。

折角の客家料理だったのだが、既にお腹いっぱいでちゃんと味わえず、個人的に勿体なかった(それでもモリモリ食べて飲んでる人は居たが;)。加えてここは唯一、ちょっと脂っこかったので、胃腸に重かった。もうちょっとお腹を空かせたベストコンディションの時に食べたかった。


美味しかったアイテム・・・「三度豆と干しエビの炒め物」「鶏肉とピーナツの炒め物」「楕円形のパン」


◇ 関連サイト見つからず








■■■ 機内食 CATHAY PACIFIC (EC0NOMY) ■■■

機内食である。行きはランチ、帰りはディナーの時間帯だった。

KIX→TPE 「春雨サラダ」「炒飯の右横に点心が4つ詰め込まれたプレート」「フルーツの盛り合わせ(オレンジ・グレープフルーツ、リンゴ、バナナ)」「ロールパン」「ラムレーズンとホワイトクリームを挟んだクッキー」。4つの点心のうち2つは、何故かソーセージ味カレー風味だった(汗)。

TPE→KIX 「ジャガイモのマヨネーズ和えの上にスモークサーモンを載せベーコンビッツを散らしたもの」「小松菜に似た小振りな野菜・鶏肉を黒いソースで調理したもの・白飯の載ったプレート」「丸パン」「チョコレートケーキ(四角くて粉砂糖がかかってる)」「奇巧」。キットカットはこう書くらしい。コピーは“軽鬆一刻…奇巧時刻”。鬆の文字には弛めるという意味以外に、リラックス→休憩という意味もあるのかな(とか色々考えんのって楽しい)。帰りの機内食は、味見程度に留まった。

"Coffee or tea?"の"Tea"では日本茶が出てくる。カトラリーが半透明のプラスチックになっていた(テロのせい?)(それとも、おばちゃんがこっそり持って帰るせい? w)。行き帰り両方とも中華を注文してみたが、帰りは半分は洋食だった。なんというか、欧米人が何となく考えるような中華味というか。米国のカフェテリアのなんちゃって中華というか。辛くもなければ香菜もニンニクもなく、欧米的に限りなく無難に仕上げてある(わたしゃ臭豆腐が出てきても受けて立つぞなもし)。・・・騒ぐほど不味くはないが、さりとて美味しい訳でもない、ふつーの機内食ってかんじ。ああでも米国系エアラインよりずっとマシか。


美味しかったアイテム・・・とくになし。たまに「中華キライやねん」とか「せやけど魚は食べれへんねん」とか言う欧米人が居るのは事実だが、もうちょっとチャレンジしてみて欲しい感じ。もとい、日本と台湾を行き来するような人は、99%オリエンタルなんでないかと。関係ないが、一度ベジタリアン仕様の機内食(素食 [スゥスゥ] )を食べてみたいと思った。








■■■ コンビニの食べ物 ■■■

コンビニは至るところにある。セブンイレブンファミリーマートが二大勢力となっている模様。セブンイレブンには漢字の当て字は全く表記されていなかったが、ファミマの方は全家便利商店と記されていた。なるほど。

入ったのは、ホテルの近所のセブンイレブンのみ。レジ横では「関東おでん」「茶葉蛋(チャイェダン:烏龍茶で煮込んだゆでたまご)」が売られている。店内をぐるりと見渡せば漫画(日本の単行本の翻訳本)、酒類とおつまみ、ドリンクやデザート類、ペットボトル類、日用品、菓子パン、お菓子、おにぎり、などなどのコーナーがあった。文房具やコスメは置いていない。買い物袋は別売り(5元)で、分厚く丈夫。何も言わなければ、商品だけ渡される。洗顔料やクリームなど、日本と全く同じものが売ってあったりした。

以下、買って食べてみたもの。面白いのでなるべく商品名をそのまま書いてみる。

「茶葉蛋(お茶ゆでたまご)」(蛋の文字はタマゴという意味なんですね)。四角い金属製容器、湯気立つ黒い液体の中で大量に浮いている。コレ欲しいです、と意思表示をすると、台所で使うような半透明の薄いナイロン袋に入れて、はい、と手渡しされる。八角(アニス)の強い匂いと塩味。五香粉も入っているとか。15元(だったような気が;)。

「湯種布丁麺包」。菓子パン。中にカラメルプリン味のカスタードが入っている。“雙倍超柔”がウリであるらしい。これら菓子パンは“日式”のパンコーナー(というコーナーがある)に置かれ、北海道なんとか、みたいな名前のついたパンが目立った。15元。

「左岸珈琲館 昴列珈琲」。Mr. Rainier みたいな容器のコーヒー。ブリックパックの粉っぽいコーヒー牛乳の味だった。スタバ製等、他にも色々種類がある。25元。

「五香牛肉乾」。ビーフジャーキー。ちょっぴりピリ辛で甘くて五香粉味。五香粉の味が嫌いな人はダメかもしれないけど、なかなか美味しい。これは中華圏でしか出会えない味のビーフジャーキーだ、と思った。米国ではテリヤキビーフ味のジャーキーはあったけど、こういう味のは見掛けなかったなあ。58元。

「■汁牛肚」(■はさんずいに歯みたいな字)。上と同じシリーズのおつまみorお茶請け。赤っぽい細長いビラビラした肉である。得体のしれないまま食べてみると、上と同じくちょっぴりピリ辛で甘く、独特の臭みを色んな香草で消そうと頑張ってみました、という感じの味をしていた。「牛肚」で検索してみると「ハチノス」と出てきた。「ハチノス」というのは、牛の四つある胃のうちの二つ目の胃なんだそうだ。ていうか、横に「Gravy Tripe」って書いてあるやん(汗)。こっちで調べれば良かったのだ。でも牛の胃袋は、英語では全部 "tripe" であるらしい。これじゃ正確さに欠けるよね。日本における米とか、アラブ圏におけるラクダとか、モンゴルにおけるヒツジとか。語彙の詳細さ加減でそのブツの生活必需度が分かろうというものである。他の胃袋も、それぞれ違う漢字で名前が付いてんのかなー。38元。

「多渇水」。ミネラルウォーター。水をよく飲むので2リットルサイズを購入。晶華酒店(ホテル)のバスルームにはこれの600mlサイズがベッドメイクの度に補充されていた。台湾では水道水は飲まないらしい。ミネラルウォーターは色んな種類が取りそろえてあった。

「維多露 御茶園」。砂糖入りジャスミンティー。ボトルは500ml。この手の砂糖入り中国緑茶は、LAに居た時たまにチャイニーズマーケットへ行くと買って飲んだりしたので、ちょっと懐かしい。“自然回甘緑茶香”だそうで、微糖で美味しかった。無糖の烏龍茶も売っている。無糖の奴には、ちゃんと“無糖”と小さな文字で書いてある。ペットボトルのお茶の種類は日本並に多い。

日本のコンビニほどのオールマイティさはないけれど、そこそこには便利。軽食には困らない。半分くらい日本でも見掛けるような商品なので、外国感の薄いコンビニだった。これが同じセブンイレブンでも米国だと全然雰囲気が違ったりするんだが。入った店が小規模だったのかもしれないけど、韓国のコンビニの方が御飯類やおやつ類は充実しているように思った(キンパプとかあったし)。或いは、入ったコンビニがたまたま小規模だっただけなのかもしれない。・・・デザート類等、もっと色々試してみたかった気がする。








■■■ 総括 ■■■

・・・とまあそんな感じで、怒濤のような食体験を記録してみたんだが。もちろん、食べた料理を全部記録している訳ではないし、本当の料理名もよく分からない。

うすうす、三泊四日でこれだけの量を食べ続けるのは無理だとは思っていたが、出発前に全てのレストランに予約が入っていたし(ホンマか;)、また旅の趣旨が「何事にも最優先してひたすら食べること」であったため、胃腸の弱い私としてはかなり過酷な旅となった。それでもこっそり朝粥@青葉一回と、朝のバフェ@晶華酒店一回を棄権したんだがねえ(溜息)。ちなみに帰国後、周囲が食べすぎでバタバタと体調を崩していくなか、独断的企画強行者であったBASIL父だけは、なんら変わりなく元気でいた。朝昼晩と、戦陣切って食べまくり、浴びるように呑んでいたにも関わらず。・・・あのオヤジだけは絶対どっかおかしい(怒)。

もし台湾に暮らしていたなら、もっと間隔を空けて、ゆっくり味わえたのになあ、と残念だ。ごちそうはどれも美味しかったし、美味しいごはんは大好きだし。台湾料理は、日本人の口によく合うと思う。

台湾へはまた是非行きたい。ただし三泊四日なら、ごちそうは1〜2回が限界。できれば竹里館か、再度欣葉あたりを希望。朝は、トッピングがちょっとだけのったお粥か、コンビニのパンでいい。お昼ごはんも、その辺の担仔麺で充分。それで、午后はゆっくり茶藝館でお茶して、腹八分目くらいの晩ごはんを食べて、夜市でおやつに愛玉なぞを少量食べる。・・・そういう胃腸にやさしい食プランがいいなあ。


外食お役立ちサイト

◇ 旅々台北.com・・・台北のグルメと観光の総合情報サイト
◇ 台北ナビ.com・・・台湾・台北旅行情報サイト

その他「地球の歩き方・台北」には、写真付き料理辞典のコーナーがあり、参考になる。







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