互換バッテリーを求めて...

現行「R」シリーズはエンジンをコンピューターで統括的に制御しており燃料供給も噴射式となっています。
ですのでバッテリーがあがると、とても困ったことになります。
また充電が充分でなかったりすると始動時にABSエラーを起こしやすくなります。寒い時期は顕著です。
マメに補充電をすれば大丈夫な感じなのですが、さすがに4年も経つと交換したくなります。
しかし純製品の中には時々困ったものが混じっているようなのです。関連情報ページへ

米ユアサのHPを見ると自分の車にあったバッテリーを検索してくれる場所がありました。
さっそく調べたところ、BMW/R11GS.94-97年型には「YUMICRON YB18L-A」が推奨品と出ました。
現有のR11GS(75th)=98年型、以前は94年型(最初期型)に乗ってました。

いざ交換

知り合いのバイク屋に特にバッテリーメーカーを指定せず、適正な物を希望するとだけ伝えました。
店がユアサに問い合わせたところ互換バッテリーが資料にあったとのことで安心しさっそく発注しました。
しかし実際に送られて来たバッテリーは形状/大きさが不適当で装着できないものでした。
ユアサへはR1100GSに装着可能なバッテリーと注文して来たものなのにいったいどういうことなんだ?とユアサに問い合わせてもらいました。
ユアサの資料にはそのバッテリーが載ると書いてあるそうだが実際には乗らない(販売店にて確認済み)どうゆうことだ?と(ユアサの人が)BMWジャパンに問い合わせてみると「ユアサから販売/製造されているすべてのバッテリーの中に装着可能なものは存在しない」との回答だったそうです。(...わけわからん)
とりあえずその時点で二度目の電話を切り、米ユアサのHP(バッテリー検索)にアクセスしました。
そこでバッテリーの型番をメモし再び販売店に電話しました。
その時可能性として考えたのは、、、

  1. その型番(YB18-LA)は国内販売していない
  2. 米ユアサHPの記述の間違い
  3. BMWジャパンのマチガイ

の三つでした。
店頭に送られてきたバッテリーの型番を調べてもらうと「Y60...」という全然違う系統のものでした。
どうしてユアサ(日本)の資料にこれがOKとされていた経緯も気になりましたがとりあえずそれは保留としました。
販売店の担当に米ユアサではウェブページで上記のバッテリーが使用できることになってる知らせていると説明した上で質問しました。

質問、この型のバッテリーは国内販売されていないのですか?
答え、(国内)カタログに上記の型番は存在します。
質問、米ユアサの情報が間違いなのでしょうか?
(ユアサの人が調べて)確かにそう記述されていると確認しましたが、
情報が正しいのかそうでないのかここでは確かめようがないです。
現在手元に在庫があるので現物「YB18L-A」を一つお出しします、
現物合わせで確認してください、
もし合わなければバッテリーはもちろん引き取ります。

との返答を得ました。

だがしかし、、、
運び込まれた「YB18L-A」も形状が異なり装着不可なのでした。
標準品より厚みがあり過ぎるのです。

サイズ比較(単位mm)

L(長さ)
W(幅)厚み
H(高さ)

BMW純正

180
76
170

ユアサYB18L-A

181
92
164

ユアサYTX20L-BS

177
88
156

その後、純製バッテリーを取り寄せました。
なお包装にはポルトガル製であると表記されていました。

この件はCLUB"BMW"で話題になりました。
なおRS/RTにはステーの加工で搭載できるらしいのですが、
R11GSには空間に余裕がなく現実的ではありません。(R11Rも同様らしいです)
CLUB"BMW"主催の渡邊氏は「R」ユーザーを代表して
ユアサに互換形状の高性能バッテリーを製作していただけないか交渉されています。
なおユアサ(日本)のHPはこちらです。

1999.3/20追記

 上記のユアサへのリンクのリンク先の内容が変更されていました。
「* Some Modifications to Battery Tray may be necessary 」との注意書き(?)が追加されているのです。
このページを作製するためにリンク先を確認した時点(99.2/13〜15に数回確認)ではこの一文はありませんでした。
2/15時点の該当ページはローカルディスクに保存されているので、私の記憶違いではありません。
ちょっと驚きました、偶然なのでしょうか?
上記英文は「このバッテリーを搭載するためにバッテリートレイの若干の加工が必要となるかもしれない」との意味であると私は理解しています。(英語力ないので間違っているかもです。)

1999.6/25

R259に搭載できそうなバッテリーをふたつ発見しました。

ひとつはDATALINE「RS-1」と呼称され
トヨタワークス(GT、ル・マン)でも使用されているという高性能品です。
サイズは「167(H)×181(W)×76(D)mm 重量6.5kg」で(サイズ表記法は広告のまま)
公称容量「12v-17Ah(20時間率)」のメンテナンスフリー型です。
端子も互換性のある形状で極性(+/-)も同じ位置にあります。(問い合わせ確認しました)
資料を見る限り物理的には特に問題なく搭載できそうです。
※なおこのバッテリの存在はプレイドライブ4月号/68頁の「キャロッセ」の広告で知りました。

価格は、バッテリー本体、ブラケット(ビニールコーティング加工済み)、ボディ止め×4、ゴム低板×1 のセットで、22000円です。
一般的なバッテリーの大きさとは異なる(小さい)ため自動車に搭載するにはこの手のアダプタが必要となるのです。キャロッセは四輪車の事しか考えていないため、こういったセットで販売しているのだと思います。
純正の18000円よりちと値が張る点が気になりますが、
アダプタ(付属品)無しなら若干安くなるかも、、、交渉の余地有りです。

もうひとつは秋月電子通商で販売さている「WP20-12」というバッテリです。

旧URL http://www1.tomakomai.or.jp/akizuki/storage.htm
新URL http://www.akizuki.ne.jp/pb.html
完全密封型鉛蓄電池(クーロンバッテリー製[台湾]
12V 20Ah [WP20-12] 181X76X167mm 6.2Kg 1個 ¥5,380 〒950
(秋月のページより抜粋)

端子のどちらがプラスでマイナスかはまだ確認していないのですが、ウェブ上の写真を見る限り右側がプラスに見えます。つまり写真と同じなら搭載OKということです。
秋月にまだ問い合わせていないので、なんか落とし穴あるかもですが、かなり期待できそな感じです。
なんといっても値段が5380円と激安です送料込みでもたいした事無いです。

DATALINEとクーロンバッテリーとのサイズはまったく一緒です。(たぶん極性も)
ひょっとするとなんらかの規格があるのかもです。

バッテリサイズ比較 (単位mm)
 
L(長さ)
W(幅)厚み
H(高さ)
BMW純正
180
76
170
ユアサYB18L-A
181
92
164
ユアサYTX20L-BS
177
88
156
DATALINE「RS-1」
181
76
167
WP20-12
181
76
167

DATALINE「RS-1」バッテリには純正品とは異なる箇所があります。
メンテナンスフリー型であることと、公称容量が「12v-17Ah(20時間率)」である点です。
ただこの二点は実際の使用にあたり特に問題とならないと私は考えています。

バッテリ容量について

時間率(Ah)はバッテリ一般に使われる容量表示法ですが
自動車用バッテリに要求される能力を直接的に表しているわけではありません。
上記のバッテリの場合、時間率で表される能力は20時間率ですので
0.85アンペアの負荷で20時間放電可能という事になります。

自動車の場合短時間で大電流が流せる能力が特に重要視されます。
ユアサの場合「C.C.A」でその能力を端的に表そうとしています。

ABSを動作させるためには大電流が必要となります。
R259の発電力は充分大きく電源に不足はないのですが
エンジンが停止した状態では電源はバッテリのみとなってしまいます。
車載コンピュータはエンジン始動時に緊急時の大負荷(エンジン停止でのABS動作)にバッテリが耐えられる状態であるか否かをチェックしているのだと思います。
ABSエラーとはバッテリーが緊急時に要求される大電流を流しきれない状態であることを示しているのだと考えています。

車載バッテリではエンジン始動(大放電)直後からすぐに再充電が開始されます。
バッテリ(鉛蓄電池)にとっては具合良い特性です。
始動時に消費された電力はすぐに取り戻せるのです。
デジカメ等のニッカド/ニッケル水素蓄電池のように満充電から完全放電を一つのサイクルとして使うわけではないのです。

要するに始動時に充分な電流を流せるならそれで良いわけで
容量の大小は直接的に関係ないのです。(程度問題ですが)

なお、競技用車両にはこの手の高性能バッテリーは軽量化を主目的として一般的に使用されていますが始動性に問題があったとゆう話は聞いてません。時間率ではうんと大きな容量(1.5〜2倍程度)を持つ通常型バッテリーよりも始動性は良くなるのが普通なのだそうです。(某競技車両工房で情報入手しました)

バッテリに関して参考になるページを見つけました。(内容の真偽は各自で判断してください)
http://www.peanet.ne.jp/‾auto/henry/hen001.html
ここではバッテリの寿命には「過放電放置が最もまずい」とされています。

1999.12/31

読者の方から秋月電子通商で販売さている「WP20-12」の搭載レポートが届きました。
 (以下要約)
サイズや極性に問題は無くスッと搭載できたかと思いきや、
BMW側のバッテリー接続端子のビス(径約6ミリ)と
バッテリー端子の穴(径約5.5ミリ)の大きさがあわず
若干の加工(穴を少し広げた)を要した。
とのことでした。

始動性やその後の電圧の変化パターン等に特に不審な点は無く好調に機能しているそうです。

2000.4/4

米PanasonicのサイトでR259に使えそうな密閉バッテリを発見しました。
バッテリの一覧表はここにあります。
サイズ比較(単位mm)
L(長さ)
W(幅)厚み
H(高さ)
BMW純正
180
76
170
LC-RD1217P
181
76
167
LC-X1220P
181
76
167
PE12V17
181
76
169

型番

 

20時間率
コメント
BMW純正(オプション

 

14Ah(19Ah

 開放型 日本では19Ahのが標準装着されている

LC-RD1217P
PDF直
17Ah

上記のDATALINE「RS-1」と同様の規格品だと思う

LC-X1220P
PDF直
20Ah

高容量&長寿命の高性能品 ただし深い充放電を繰返す用途には不適

PE12V17

 

17Ah

日本電池製 詳細不明


どうも規格がありそうなので日本電池の資料を調べてみるとありました
小型シール蓄電池のJIS規格の「12M17」でGS形式では「PE12V17」でした。

2003.4/20 MFバッテリ「WP20-12」に交換

R1150GSのバッテリを「WP20-12」に交換することにしました。
 エベネゼル/バッテリドクの運用上の落とし穴に見事にはまってしまいましたよ。


純正バッテリの取り付けられた状態(1999年11月から2003年3月まで使用)
 バッテリ端子保護カバー固定穴に注目(純正バッテリにしかない)


WP20-12へ交換後

バッテリ側の端子穴の直径が僅かに足らずマイナス側端子の穴を広げ加工しました。
 プラス側は無加工でそのまま入りました。
BMW側の端子からネジ(6mm)が外せなかったためバッテリ付属の5mmネジは使っていません。
 ここら辺、車種/製造時期により異なる部品のようです。


プラス側端子の保護(自動車用端子保護カバーを流用)


BMW純正プラス端子保護カバー(写真は逆さ向いてます)

純正バッテリと異なり車体に付属のプラス端子保護カバーはそのままでは使えません。
 純正バッテリにはカバー固定用の穴がありますが社外バッテリにはありません。上記画像参照
無くても機能上問題はありませんが万一のショート対策はやはりしておかねばです。
 事故でぐちゃっとならない限りショートすることは無いと考えられています。
樹脂製純正カバーを上からかぶせてガムテープでバッテリに固定とも思ったのですが
端子保護カバーを分けてもらえたこともありそれをタイラップで固定し保護としました。

WP20-12 5200円(税込み)
送料 600円 代引手数料 400円
支払額は6200円でした。

バッテリそのものにはなんら問題は無くすこぶる調子良く使えています。純正新品より電圧面では有利な印象です。
ただ現状ではバッテリ側の端子位置/形状の違いからマイナス側端子固定ボルトがバッテリ側面から若干飛び出した形となっています。
燃料タンクは問題なく組み付けられるもののクリアランスはやはり少なく、
よく見るとタンク内側に接触した形跡がありました。(写真未撮影)
  パワーアップペイント塗装皮膜に傷がついていました。
クリアランスが少ないといっても数ミリの間隔はありますのでタンク取り付け時に擦ったものと考えられます。
飛び出し対策として適当な6mmナットを間に入れて調整しようと考えています。

2003.7/10 バッテリ端子のネジ飛び出し対策をしました。

ナットを入れて調整

WP20-12からWP22-12に容量アップしてました。いつのまに...。

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