目 次
はじめに
第1部 生涯発達における「支え合い」―発達観の形成をもとに―
第1章「世話される/世話する」関係と世代交代
1人間理解の枠組みの明文化とその背景
2 生涯発達のモデル構築への準備
3人生における「世話される―世話する」ことの意味と機能
第2章 大人の発達を記述する
1生涯発達の捉え方と人間理解の枠組み
2生涯発達心理学における「発達」を捉える視点の変換
3「生まれてからの人生におけることばと認識の多層化モデル」を背景とした枠組みの提案
4生涯発達心理学における「発達」の概念
5おわりに
第3章 子育て支援をめぐる「支え合いの輪」の機能
1子育て支援活動―「支え合いの輪」への参加についての検討―
2 大人の学びの場としてみた「共同―支え合いの場」の形成と参加過程
第4章 大人の発達を捉える:生涯発達心理学への新しい道筋
1人生における「世話される―世話する」ことの意義
2「大人の人生における世界の変化の多層的発達モデル」の構成
3 15歳から25歳ごろまでの「若い大人」としての発達を考える
4大人の発達を考える(1)「支え合いの輪」への参加過程の機能
5大人の発達を考える(2)子どもを育てている時の「大人の行動の変化」
6大人としての発達:次世代へのつながり―人生の目標
7高齢者の育ち―「私らしい人生の自覚」を捉える
8まとめ
第2部 生涯発達における「学び合い」を考えてきた道のり
はじめに
第1章 子どもの発達と家庭教育
1家庭教育の位置づけ
2子どもの発達課題と家庭教育
3人生における「世話される―世話する」ことの意味と機能
第2章 言語系システムの生涯発達モデルの構造
内と外との統合化過程としての言語系システムの生涯発達モデル
第3章 社会生活における「学び」を捉える
1発達における「学び」を仲間との暮らし(社会生活)の中で捉える
2個性化過程の生涯発達モデルにおける学び
3継承的学びのあり方から見る個性化過程の個人差
第4章 幼児の自発的な文字読みを通してみた継承的学びの始まり
1わが国の子どもたちの自発的な読みの学習過程を明らかにする意義
2研究:継承的学びの始まりとの関連で自発的な読みの開始を捉える
3文字の自発読みの個人差を通してみた継承的学びの始まり方
「はじめに」より
人間は、「ことば」で分かり合い、考えることで育っていく。
誰もが生まれた時には「ことば」を使うことが出来ないのに、2歳にもなれば少しずつおしゃべりに参加できるようになる。共に暮らす仲間との関わりは、「ことば」とともに子どもの育ちをもたらす。
生涯発達とは、人間の一生の間に起こる成長にともなう「ことば」による「可能性の拡大や多様化」を通して、大人としての自分らしさを見出す発達過程と考
えられる。支え合い・学び合いで育つ「わたし」を基盤にして、人生を広げる生涯発達モデルを構築することが本書の目的である。
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