お薦めのCD
このページの作成日:1998年 12月 6日 日曜日
このページの最終更新日:1999年 3月 15日 月曜日
このページは作曲者別の牧神の午後のお薦めCDです。
一部海賊盤もあるのは心苦しいのですが、やはり、素晴らしい演奏だと思わされるので、敢て挙げてあります。但し、海賊盤の一部については、入手が困難かもしれません。
無謀にも目次なんて作ってみたりして
Index
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■凡例
作曲家
A
B
- バッハ(Bach,John.Sebastian)
- ロ短調ミサ
- ヘンゲルブロック指揮/バルサザール・ノイマン合唱団他
- DHM 05472 77380 2
- バッハのロ短調ミサはディスクでは、リヒターのスタジオ録音、東京公演の演奏が、峻厳で忘れ難い演奏でしたが、このヘンゲルブロック盤は、それとは対極にある自然で力みのない演奏。聴いていて心が洗われるようでした。
- ブラームス(Brahms,Johaness)
- 交響曲全集
- クリスティアン・マンディアル指揮/ジョルジュ・エネスコ・ブカレストフィルハーモニー
- ARTE NOVA/74321 46484 2
- すんげぇヘンな演奏(;^_^A。しかし説得力があります。ハマルとクセになるかもしれません。どれか1枚というなら、やはり、1番を挙げておきます。
なお、国内盤ではBMGからアルテノヴァ880という廉価盤で出ていますので、入手は容易だと思います(バラ売)
- ベートーヴェン(Beethoven,Ludwig van)
- ヴァイオリン協奏曲(C/W;「クロイツェル・ソナタ」他)
- ブラスニフラフ・フーベルマン(ヴァイオリン)/レオン・ヴァルツィン(指揮)/ナショナル・オーケストラ協会
- ARBITER115
- フーベルマンは扇情的な節回しに長けた人でなんといってもその至芸を味わうにはBiddulphから出ている赤盤、青盤、特にフリードマンとのクロイツェル・ソナタを聴くのが一番良いのですが、このCDに聴くベトコンも素晴らしいです。彼はEMIにセルとこの曲を録音していますが、デキはこのCDのが4枚くらい上です。ともかく多田ならない雰囲気で、ベトコンをこんな弾き方した人は、後にも先にもこの人だけでしょう。病的な青白いコンチェルトです。
カップリングの「クロツェル」はフリードマンとの演奏で、レコードになったのとは別テイクの録音で第1楽章と第3楽章のみ収録ですが、これも素晴らしいです。
- 交響曲第5番、「エグモント」序曲(C/W;「大フーガ」)
- ウイルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)/ベルリン・フィル
- グラモフォンPOCG-2131
- 1947年5月24日、その日、フルトヴェングラーは戦後初めて手兵ベルリン・フィルを指揮できました。この演奏はその一連の演奏会の3日目、27日の演奏会の演奏。
昔から語り継がれて来たフルヴェンの名演の一つではありますが、やはり、すごいと云わざるをえない演奏です。なによりもその集中力の素晴らしいこと。有無をいわさず、聴き手自らの演奏世界に取り込んでいく、まるで悪魔に魅入られたかのような演奏。
エグモントの冒頭、長い和音がまるで天啓のごとくに響き、あとは一気呵成に曲のパワーに圧倒される、こんな演奏、もう出て来ないような気がします。
- ブルックナー(Bruckner,Anton)
- 交響曲第5番
- オイゲン・ヨッフム/アムステルダム・コンセルトヘボウ
- THARA/TAH247
- ヨッフム/ACOのブル5といえば64年のオットーボイレン教会でのライブがあまりに有名かつ名演ですが、これはヨッフムが最後にコンセルトヘボウを振ったときのライブで、86年の12月3日、4日のものです。
やはり、素晴しい演奏で、特に2楽章の金管によるクライマックスの形成、終楽章のコラールは必聴でしょう。
- 交響曲第8番(c/w第9番)
- ギュンター・ヴァント指揮/北ドイツ放響
- BMG/BVCC8889-90(国内盤)
- ブル8の最も美しい演奏の一つ。いわゆる旧録音。ヴァントは92年にこの曲を再度録音しているが、そちらではない。第3楽章が特に素晴しい。残響が長いところが、ブルックナーにピッタリ。
C
- ショパン(Chopin,Frederic)
- ピアノ協奏曲第1番、第2番(室内楽編曲版)
- 白神ふみこ/イグドラシル弦楽四重奏団/ヤン・インゲ・ハウカス
- BIS/CD-847
- ショパンはサロンミュージック向けに自作の編曲をいくつかしていた、と云われていて、勝手に編曲してみたのがこのCD。でも、ショパンって、もともとオーケストレーションが下手なもんだから、室内楽で聴いた方が親しみやすかったりもする。
D
- ドヴォルザーク(Dovorak,Antonin)
- 交響曲第7番、第8番
- アンタル・ドラティ指揮/ロンドン交響楽団
- Mercury/434 312-2
- ドラティは非常に剛直な演奏をする指揮者で、曲によってはそれが裏目に出て、噴き出してしまうくらいに笑える演奏になることもあるのだけど、ドヴォのこの2曲については大ホームランをかっとばしている。この曲のベスト・フォームの演奏の一つ。
E
F
- フォレ(Faure,Gabriel)
- レクイエム
- フィリップ・ヘレベッヘ指揮/エリゼ宮管弦楽団他
- harmonia mundi/HMC901292
- 清らかな曲には無色透明な演奏がよく似合う。この曲を自分が死んだときにかけてほしいと云う人が多い理由がよく判る、世界で一番美しい演奏。
- レクィエム(C/W:小ミサ曲)
- ジャン・フルネ(指揮)/東京少年少女合唱団/日本フォーレ協会編成による合唱団、オーケストラ/他
- カメラータ/25CM-563
- フルネ以外、全員日本人と言うことで買うのを控えようかとも思ったのですが、試聴した結果、速攻で買ってしまいました。
尋常ならざる遅いテンポですが、荘重な感じを与えることに成功しており、無駄な重さはありません。また、このテンポにより、ある意味この曲で抱きがちな安易なセンチメンタリズムを排除することにも成功しています。それでいて、重々しい悲しさのようなもの、神々しさが伝わって来る演奏です。
合唱、オケとも水準以上、というか素晴らしいできばえで、フルネの要求によく応えているのが聴いていて伝わってきました。日本人によるフォレ、というのではなく、フォレの記念碑的な名演奏だと思います。なお、オケにヴァイオリンがない1893年版です。
- フランク(Franck,Cesar)
- 交響曲ニ短調(C/Wモーツアルト/交響曲第29番、ベートーヴェン/交響曲第7番他)
- グィド・カンテルリ指揮/NBC交響楽団
- EMI 7243 5 68217 2 9
- 飛行機事故で夭折したカンテルリの最良の遺産。筋肉質なしかもカンタービレに溢れた演奏で、この曲の持つゲルマン的な‘緊張感’とラテン的な‘うた’双方が伝わってくる希有の名演。カップリングのベト7も若々しいトップクラスの演奏。
この指揮者とケルテスがもし事故でその命を散らさなければ、今の指揮者界も随分と違ったものになっていただろうと思います。
G
- グリーグ(Greig,Edward)
- 「ペール・ギュント」組曲第1番、第2番
- パーヴォ・ベルグルンド指揮/ボーンマス交響楽団
- EMI/7243 5 68423 2 8(C/W)アルーヴェン/スェーデン・ラプソディ他
- 大抵の人が一度は聴いたことがあるであろう「朝」の演奏がチャーミングで新鮮に響いてきます。ベルグルンドといえば、現在3度目の交響曲全集が進行中のシベリウスのスペシャリストとして取り上げられることも多いですが、他の北欧モノも良いことは、カップリングされたアルーヴェンの管弦楽曲を聴けば明らかでしょう。
H
- ハイドン(Haydn,Frantz Joseph)
- 交響曲第82番〜第87番(パリ・セット)
- シャルル・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団
- LONDON/436 739-2BR>
- 洒落た演奏です。こういう演奏を聴くと、ハイドンの交響曲は、もっとコンサートで採り上げられるべきと思うのです。ハイドンの田舎臭さを求める人は物足りなく感じるかもしれませんが、シューリヒトばりの速いテンポは聴いていて気持ちがいいです。残念ながらシューリヒトの持つ陰りはありませんが^^;
I
J
K
L
- ラロ(Lalo,Edward)
- スペイン交響曲
- オーギュスタン・デュメイ(Vn)/ミシェル・プラッソン指揮/トゥールーズ市立管弦楽団
- 東芝EMI/TOCE6431(国内盤)
- 扇情的なこの曲には年増美女が思い切り扇情的に演奏してくれるとハマると思うのですが、今のところ適当な演奏はないようです。期待は前橋汀子さんか、2〜30年後くらいの諏訪内晶子さん、ナージャ・サレルノですか。
男性演奏家の中で、このデュメイの演奏はポルタメントのかけ方、弾き崩しが決まっていて、この曲のムードはたっぷりと味わえます。この演奏でまだ物足りなければ、フーベルマンの往年の演奏でも聴いてください(^o^)
M
- モーツアルト(Mozart,Wolfgang Amadeus)
- 交響曲第40番/第25番
- ブルーノ・ワルター指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- CBS-SONY/25DC5196(国内盤)
- 高校1年の冬に、LPでこの演奏に出会っていなければクラシック音楽に今ほどのめり込むことはなかったでしょう。「明るく、泣き伏したくなるほど明る」い、ワルター/VPOの残した最良の遺産の一つ。40番の第1楽章第1主題のポルタメントのなんて、絶美なこと!
- ピアノ協奏曲第20番(C/W;第19番、第10番)
- マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)/アレクサンドル・ラビノヴィチ(ピアノ、指揮)/パドヴァ管弦楽団
- TELDEC 4509-98407-2
- アルゲの第20番が出たというので早速買ってしまいました。感想は一言で足りるでしょう。そう、とってもアルゲリッチらしい演奏。彼女の魅力はその音色の輝き、そしてその自由な演奏スタイルにあると思いますが、それが十全に発揮された演奏だと思います。殊に曲が20番というのがいいです。ラビノヴィチ指揮のサポートも非常にデーモニッシュ。
第19番は、ラビノヴィチの弾き振り。こちらは昨年ストリング・オーケストラ響で聴きましたが、そのときより遥かに素晴らしい演奏です。
N
O
P
Q
R
- レスピーギ(Resphigi)
- 交響詩「ローマの泉」「ローマの松」「ローマの祭」
- エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮/ソヴィエト文化省管弦楽団
- MELODIYA/MCD155
- 泉の冒頭から、木管のあまりにロシア臭い音色にまず驚かされるでしょう。全編スヴェトラ(とロシアのオケ)の個性が目立った演奏ですが、その強烈さ(とブチ切れ度)には一目以上置かざるを得ません。
最初にこの曲を聴く人には勧められませんが(トスカニーニでも聴いて下さい)、この曲に飽きを感じた人にはイチオシの演奏。但し、入手難ですので、代替として、NAXOSのエンリケ・バティッツを挙げておきます。
S
- シベリウス(Sibelius,Jean)
- シベリウスの遺産(オムニバス)
- ワーナー/WPCS-5936/7(国内盤)
- 原盤はFINLANDIA。収録曲は自演の「祝祭アンダンテ」を含み、フィンランディアなどの管弦楽曲から、弦楽四重奏曲「親愛なる声」などの室内楽、声楽までシベリウスの作曲した主要なジャンルをカバーしています。
特に素晴しかったのは、やはり自作自演の「祝祭アンダンテ」。その異様なテンポの遅さ、峻厳とした雰囲気、尊い音楽を聴いているのだと実感します。
T
U
V
W
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