大型二種


大型二種免許を受験するにあたって、実技の練習でお世話になったセーリングドライビングスクール(神戸市/明石市)での路上教習光景。
教習に使用するバスは市バスと同じ9mサイズである。教習においては大型一種の免許があれば一般道を走行しても問題ない。旅客を運搬しているわけではないので、二種免許は必要ない。
そうはいうものの、実際には大型一種免許を所有してトラックの運転経験があってもバスの運転経験を持つ者は少ないので、バスの運転を行うに際しては念のため教官に足元には非常用のブレーキは設置されている。よって、バスは特殊用途車となり、ナンバープレートは2ナンバーではなくて8ナンバーの車両となる。実際の、実技試験で用いる車両も8ナンバーである。
北海道のスキー場で乗ったチャーター路線バス。バスは後部エンジン、後輪駆動のRR車。車重があるので、乗用車に比較して意外にチェーンなしでも雪上で安定して走る。
現地の運転手さんに訊いてみると、この地で長年運転してるがチェーンなどは履いたことはないという。さすがに深雪の時には、たまに片方の車輪だけにチェーンを巻いているバスを見かけることはある。車重があるということは心強いものだ。写真は運転席の光景。一般の市バスである。
北海道での経験。結構、激しい雪が舞う中チェーンなしで路線バスはどんどん進む。こんな大雪でも大丈夫なと感激しながら乗っていたら、後輪駆動の弱点であろうか、停車のため新雪の中に停車したところ、発進できなくなってしまった。
バスといえでも普通車と同じく後輪空回り。焦った運転手さんがレスキュー用のチェーンを巻いてようやく発進できた。長年この地で働いてるというその運転手さんに聞いてみたところ「チェーンを使ったのは初めて」であったとのこと。久しぶりにみる大雪で、貴重な経験をさせてもらった。
信州、長野県での経験。スキー宿の前で大渋滞が起こっていた。大型観光バスが凍結した路上でスタックしていたのである。前方は除雪の雪山、後方は凍結面で、にっちもさっちも行かない状況となっていた。
バックしようとしても、後輪は完全に空回り。脱出用チェーンを片方の車輪に巻いていたが、それでも完全に空回り。前進、後退いずれも後輪が言うことを聞かなくなっている状態であった。
やがて、除雪用のホイールローダーがやってきた。けん引ロープをつないでバスを引っ張ろうとした。ところが、玉掛の知識のある人の意見で、「このロープでは切れてしまう」と判断して断念。もっと太いワイヤロープを準備するまでしばらく待つことになった。スキー場への連絡路は完全に通行止めとなり、渋滞の列はどんどん伸びていった。
バスの運転手さんは、ひとり前方の排雪の山をショベルで除けていた。そうこうするうちにバスが前方に動き出し、結果的にはバスは自力で脱出した。

二種免許の道交法改定
平成14年6月より道路交通法の一部改定により、大型二種(バス)免許の取得に関して、次の点が変更された。

技能試験に路上試験が追加された
普通二種、大型二種免許は従来は場内の試験のみでよかったが、今回の改定により技能試験の内容に約6km、試験場以外の一般公道を走行する路上試験が追加された。法改正後からは、これまでの9m中型バスから11m大型バスに変更された試験場も多い。路上を走るためにナンバープレートが付いており、場内の課題コースが若干減った。しかし、実際の路上では何が飛び出してくるか分からず、運が左右する場合もある。場内試験が終了した時点でなお80点以上残っている者だけが路上試験にでることができる。そして路上試験を終了してもなお80点残っている者のみが合格となる。よって、場内ですでに残り点数が80点を切れば、路上試験の雰囲気すら味わうことができないのである。ちなみに場内で本来試験内容に含まれないS字やクランクを走らされた場合は、持ち点がすでに80点を切っていると考えた方がよい。せっかく高い受験料(技能試験手数料¥4,450、車両手数料¥2,200)を払っているのだから、路上に出られない分、場内で少しぐらいは練習させてあげようという慈悲なのである。要はもう不合格なのである(涙)。追伸:場内試験の課題には坂道発進はないのだが、何故か皆坂道発進はさせられた。

普通免許から大型二種挑戦が不可能に
路上試験の導入に伴って、大型二種免許を取得するためには、すでに大型一種またはその仮免許を有していることが必要となった(大型仮免で受験する方は過去3ヶ月以内に道路において5日間以上の自動車の運転の練習をしていることが必要)。 よって、これまでのように普通免許を持っていて、飛び入りで大型二種の免許を受験することはできなくなった。

取得時講習(特定教習)が加わった。
合格したあとも、所定の取得時講習を受ける必要がある。(詳細はこちら)


普通免許から(教習所を頼らずに)大型二種免許を取る方法
前述のように平成14年6月までは、場内の技能試験のみでいきなり大型二種免許も取得できていたが(学科二種は別途必要)、道路交通法の改訂で指定教習所を卒業すれば、普通免許のように普通二種や大型二種免許が取得できるようになった反面、飛び入りで受験する場合は路上試験や取得時講習(特定教習)を受ける義務が加わった。自動車学校で大型二種の取得が可能になったことと、路上試験の導入のため1人当たりの試験時間が増えたため、現行制度では試験場での技能試験は1日に3〜6人程となり、受験も完全予約制となった。技能試験は試験待ち状態が続いているようだ。そうは言っても、教習所で二種実技免除となるためには、それなりの時間と費用がかかるのも事実である。毎日10時間ほどの教習をみっちり受けて、約20日間教習を終了してようやく実技免除となる。平成17年1月時点の調査によると、二種免許の指定教習所には、一時期ほどの入所混雑はなく、普通二種も大型二種も、だいたい1〜2週間で入所は可能だそうだ。

教習所で取得しようとする免許 普通二種 大型二種
講習内訳 学科 実技 費用 学科 実技 費用
現有免許 普通一種(MT) 19 21 21〜22万円 19 34 38〜40万円
大型一種 19 27 33〜35万円

そこで、教習所を卒業せずに直接試験場で受験する(飛び入り)方法もある。現在は普通または大型二種の飛び入り受験をするためには次のような要件が必要となる。ただ、実際には特定自動車教習所などで路上練習などを経験していないと、車両感覚をつかむことが難しく、実技で合格するのは困難である。

飛び入りで取得しようとする免許 普通二種 大型二種
受験資格など 普通一種、大型一種及、大特一種のいずれかの免許を現に受けていること 大型一種免許を現に受けていること。普通一種と大型仮免許、大特一種と大型仮免許、普通二種と大型仮免許との組み合わせの免許を現に受けていること
  • 普通一種、大型一種、大特一種のいずれかの免許の取得期間(停止期間中を除く)が通算して3年以上あること
  • 仮免許での受験は、過去3か月以内に1日2時間以上、5日以上の道路練習をすることが必要。実際には、普通二種や大型二種を取得している人間に所定の用紙に練習したことを記入してもらう必要があるという。
二種学科試験
  • 既に他の二種免許(けん引二種や大特二種)を取得している場合は学科試験免除となる
  • 実技免除の指定教習所を卒業しても二種の学科試験は試験場で別途に受けなければならない。
  • 二種学科試験の合格ラインは90点。文章問題90間(1問1点)、危険予測問題5問(1問2点)の計95問で、100点満点。学科試験に合格し、技能試験で不合格になった場合は、学科試験に合格した日から6ケ月間は学科試験は免除となる。
  • 学科試験は、国家公安委員会が作成した「交通の方法に関する教則」から出題される。第二種免許の場合、この中にある「旅客自動車運転者の心得」の項目からも出題されるが、この基本に従い、応用問題の形で出題される。よって「旅客自動車運送事業等運輸規則」も目を通しておく方がよい。 
取得時(特定)講習 指定の教習所等で受けられる。技能試験に合格してから受講してもよいが1年間は有効なので、先に取得時講習を指定教習所にて受講して受講証明書をもらっておけば、技能試験に合格すれば二種免許証が即日交付される。技能試験免除の指定教習所では、大抵、取得時講習は教習の中に組み入れられている。
取得時教習の内容は応急救護(6時間7,200円)、旅客車講習(6時間20,400円)からなり、後者の旅客車講習には危険予測(3時間)、身障者(1時間)、悪条件(1時間)、夜間(1時間)が含まれる。医療関係者は、それを証明する身分証明書があれば応急救護(6時間7,200円)の部分が免除になる。
普通二種を取得していれば大型二種の取得時講習は免除になるが、「大特二種」や「けん引二種」を所有していても、普通二種や大型二種の取得時講習は免除されない。

適正試験
大型二種免許取得のためには適正試験、学科試験、技能試験をこの順に乗り越えなければならない。適正試験の内容は、要は試験官がしゃべっている言葉が聞こえて、身体が普通に動くかを見るもので、10人ぐらいを1列に並ばせて試験官が「はい、手をグッパーして、はい、その場でジャンプしてー。」そんな程度である。脱落者はまずいない。そのあと適正(視力)検査。視力では裸眼または矯正視力で両眼で0.8以上、片眼で0.5以上が必要である。また二種免許では深視力(奥行き検査)があって、2.5m前方に固定された左右の棒と中央に前後に移動する棒があり、3本が並んだらボタンを押す。これを3回行いその平均誤差が2.0cm以下であれば合格というもので、これで脱落する人は多い。万が一、深視力で失敗した場でも、30分ほど休憩して再トライのチャンスは2〜3回はあるようだ。

学科試験
平成14年11月15日/学科試験1回目
学科試験は、多くの普通一種免許の学科試験受験者と共に、数人の自動二輪受験者と二種免許受験者が同じ部屋で受けた。さすがに2〜3日前から市販の問題集を頑張ってやってもダメで初回は88点で不合格となった。試験点数は合格発表のあと、ホワイトボードに張り出されるので自分の点数は受験番号から分かる。気になった問題は「高速道路においては加速車線、減速車線、路肩は本線車道ではないが登坂車線は本線車道には含まれる」というもの。ちなみに正解は×。ひっかかった。登坂車線は本線ではないのである。冷静に考えれば当然か。

平成14年11月22日/学科試験2回目
これではいかん。必死で本屋で二種免許の学科試験問題集を3冊購入して、毎日、模擬試験を解いて復習した。その甲斐あってか、2回目の学科試験では94点で合格(合格基準は90点)した。早速、地下の8番技能試験窓口で初回の技能試験の日程(12月6日)を予約して帰る。平成14年6月以降は技能試験が完全予約制になったのである。


技能試験の前に...
セーリングドライビングスクール入所(平成14年11月22日)
さすがにバスの試験は飛び入りで合格する自信がなかったので、バスの運転が練習できる「セーリングドライビングスクール」(本部:神戸ポートアイランド)で練習することにした。大型二種の学科試験に合格した当日に早速、試験場のすぐそばの同スクールの出張事務所に入所の申し込みに出向いた。マンションの2階の1室を訪ねると教習指導員の姿があった。早速手続きを完了した。このあと、たまたま教習生が路上教習をするというので、よかったら同乗して見学しないかと誘われた。
さっそく、同乗させてもらった。お世辞にも上手とは言えない運転であったが、こんな大きなバスを運転するのはさぞ心地よいだろうと、自分の教習の光景を楽しみに思った。大久保海岸で休憩したときは3人で涼しい浜風にあたりながら心地よいひと時を過ごした。ここはいわゆる「公安委員会指定自動車教習所」ではないので、いくら練習しても実技免除となることはない。とはいえ、「特定届出自動車教習所」であるので、教習内容が「教習原簿」という形で残され、この原簿が実際の技能試験の時に引き継がれるのである。全くの飛び入りの人間とは区別されることになる。

路上練習(平成14年11月29日)
仕事の合間に練習および試験をしなければならなかったので、教習は少々無理を聞いてもらった。路上10時間コース(146,000円)を申し込んだのだが、初回の教習がいきなり明石の試験コースを走るものであった。もちろん、大型一種免許を持っているので教習とはいえバス車両を運転すること自体は問題はなかった。教習に使用するバスも試験車両3種類のうちの1台と同じであるので参考になった。また、取得時教習(特定教習)は、医療関係の仕事である証明書があれば応急救護12時間分は免除になり、危険予測、悪条件、身障者、夜間の6時間の受講でよい。このあと合計9時間の路上教習(明石で3時間、神戸で6時間)みっちり練習させてもらった。バスで街中を走るのは正直いって気持良かった。市バスと平行して、わざわざ三ノ宮などの交通量の多いところも走行した。とりわけ、最後の明石の路上教習というのが、技能試験当日の朝8時からであり、直前練習といったところである。


技能試験平成14年12月6日)

曇りのち晴れ。いよいよ初めての技能試験当日である。試験当日の早朝に試験コースをバスで練習していることは心の支えになった。9時に8番窓口に集合。「はーい、大型二種の人ここに並んで」との掛け声の時にちょっと数秒知らんふりして3番目に並んだ。これは後ほど判明するがちょっとした裏技なのだ。二種免許の受験者用に10分ほどビデオを見たが、ビデオの内容はなぜか普通二種(タクシー)であった。大型も普通も二種は共通のビデオなのである。
このあと6人の受験生に対して、試験心得なるものが説明された。その内容は、場内では慣らし運転の間、路上に於いては最初の100メートル間は採点の対象にならないこと。鋭角、方向変換または縦列駐車の操作以外は採点しないことを聞かされた。つまり実際は坂道発進はさせられるが減点の対象にはならないと受け取れた。説明のあと9時45分に集まるように指示され一旦解散。私は缶コーヒを飲んだが、ふと押した自販機のボタンが「明日があるさのジョージアコーヒー」であった。今日はダメなのか。ちょっと嫌な予感ではあった。
このあと、コース見学の時間を利用して、鋭角や坂道発進の現場を自分の足で歩いた。初めて歩く明石の試験場。結構アスファルトが劣化して古い道だなという印象を持った。ここで何人もの受験生が涙を飲んだのだなと思うと、単なるアスファルトが古代ピラミッドの遺跡のように神聖なものにも感じられた。ちなみにコース内は撮影禁止なので画像資料はない。

さて、6人の受験生は3人ずつ2台のバスに別れて受験となった。3番目に並んだのは、3番目に受験ということだ。つまり、先の二人の受験の様子が参考にできるのでちょっとは有利になる可能性がある。4番目に並んでいたら、第2班のトップバッターであったので、3番目というのは結果的にはラッキーであった。
場内は今年度6月から、鋭角、方向変換または縦列駐車のみになったはずだが、なぜか坂道発進もあった。我々3人は、左鋭角、坂道発進、方向変換の内容で3人とも同じパターンであった。私の番。何と、前の人がメインスイッチ(バッテリースイッチ)をご丁寧にもOFFにしてくれていたおかげで、最初からエンジンかからんし、クラッチ踏んでもギアー入らんし、ちょっと頭真っ白。試験官が「ほれ、右のスイッチを」と教えてくれたのが、これがまたメインスイッチの横のチョークのスイッチであったので、発進までで大いに手間取った。「あーっ、万事休す」。しかし、ここはまだ慣らし運転範囲であったのでこれは採点の対象にはならなかった。発進の手順が採点されるのは路上に出てからである。鋭角は2回切り返して、坂道発進はサイドブレーキがエア式になっているのでちょっと緊張。何せ使ったことないのである。それでも先の二人の操作法をしっかり盗んで無事修了。

方向変換の特に後方感覚(ポールから50p以内が条件)は、朝日のおかげでバスの影がポールに移っていたので、これまた先の二人の影を参考にいとも簡単に停車できた。晴れててよかった。メジャーを持った試験官がドアから出て、ポールから50cm以内の測定を終えて戻ってきて、「はいOK」と言ってくれたときには、ちょっとほっとした。
発着点に戻ったあと、試験官が運転し南側の出入り口に向かう。無言のままである。何のアナウンスもないまま、ちょっと冷ややかな雰囲気ものと。「ひょっとして3人とも所内は80点クリアできたんかな」、かすかな期待が3名の脳裏をかすめる。バスの車内からリモコンを操作し、試験場南側の自動ゲートを上げ、50メートルほど走行した所で、一人目の試験が始まる。やった、3人とも一応場内はクリアできた模様である。

伊川谷コースであった。明石試験場には「伊川谷コース」と「朝霧コース」があるが、8割が「伊川谷コース」である。朝霧はちょっとコースが短いので、路上に出られる人間が一人だけとかの場合にのみ、早く終わるために実施されるようだ。
さて、伊川谷コースの途中で二人目に運転交代となった。二人目は試験場近くまで戻ってきた。つまり二人でコースを往復してきたわけだ。ということは3人目のオレはこのまま場内に戻って「はい、残念でした」と言われるかと思いきや、試験場前の一人目と同じ場所から運転席に座って試験開始となった。コースそのものは路上練習で早朝に走行したコースと同じだったのであまり緊張はなかった。正直いってメインスイッチの件で少し落ち込んでいたので、若干開き直りもあった。どうせあかんのなら練習して帰ってやろう。結果的に肩の力を抜いて試験に臨むことができた。
しかし試験の途中アクシデント発生。横断歩道の5メートルほど離れた歩道の上でこちらに目線を向けながら車道を渡りたそうな顔をしている散歩中の老人がいた。ここで無理に通過して、試験官に補助ブレーキを踏まれたら万事休すと考え、念のため横断歩道手前の停止線で待った。心の中で、「おっさん、さっさと渡らんかい!こっちは試験中なんやぞ。」と心の中で叫びながら。すると、あらぬことか、そのオッサンが我々試験車両に対して「何をしとる?オレは渡るつもりないぞ、ほれ先に行け。」と手招きするではないか。立場がなくなった。試験官も「これは横断者じゃなくて歩道に居る人やろう。」と。ごもっともだ。横断歩道の近所であーいう中途半端な態度はやめて欲しいわ。
この出来事自体は減点の対象とはならなかったようだ。

発進時とブレーキ時のルームミラーの確認(乗客に対する確認の意味)と、横断歩行者、左折時の後輪の走行位置、つまり結構大回りしても脱輪しやすい、この3点に注意して運転した。任意の電柱などをバス停とみなして停車する試験も3回とも無事にこなし、最後は試験場内まで自分が運転して最終的に発着点まで戻ってきた。最後は発着点に停めて、「完了しました」と妙に元気よく。

3名の試験がすべて終了して、いよいよ結果発表の時がやってきた。試験官からのコメントは、「もう少し慣れが必要やな、それと駐車車両の避けかたに注意してな。ま、いいでしょう。」であった。「まっつ、いいでしょう。」いい響きだったな。指摘の通り、伊川谷コースは路上駐車がやたら多く、右折合図でいちいち中央線はみ出してたらきりがないと思って、1箇所だけ伊川谷沿いの路上で軽トラックの横を黄色線内で避けて通った。その際しっかり原簿にチェックされたことがあった。「あちゃーっ」と思ったときはときすでに遅し。しかし、これは「特別減点」の対象で2回同じことをしない限り減点対象とはならなかっため結果的には助かったようだ。

いずれにせよ、試験終了後も「合格予定」とも何とも告げられぬままに、一体どうなったのやらわからぬままにG番窓口に次回の試験予約を取りにいったら、受験票が手元にないことから、実は合格していることが判明した。午後1時にE番合格者窓口に集合して、2時過ぎには晴れて「大二」の免許証を手にすることができたのであった。取得時講習を先に済ませていたので免許証は即日交付となった。

学科試験合格後、2週間で取得時教習と路上練習を行い、路上試験で一発合格できたことは、いろいろ幸運なことが重なった結果である。路上試験では練習の時に感じたが、意外に信号のない横断歩道を渡る人が多く、路上駐車車両も本当に邪魔な位置にあるものだ。そんな中、老人以外に運転の妨げとなるようなアクシデントもなく、全体的に冷静に運転を続ければ試験官はその姿勢を見てくれているものだ。

ちなみに、路上試験のコースは公にはされていない。図は筆者が受験した例である。記憶をもとに再現した。路上に出られる受験者の数によって、コースも変わる場合がある。明石の場合、通称「伊川谷コース」と「朝霧コース」があり、殆どは「朝霧コース」である。路上に出られる受験生が一人だけという場合に「朝霧コース」が課せられるようである。くれぐれも下見のつもりで試験中の普通二種や大型二種のあとをつけて、コース図などを作成してはならない。下手をすると試験官が試験車両を降りてきて、試験の邪魔をせぬよう忠告するのみならず、あなたのナンバープレートを控えて、本番で二種免許を受験する時に不利になる可能性があるらしい(実話)。


都道府県によっては、大型二種の路上試験コースを公表しているところもある。
左は神奈川県交通安全協会の発行している大型二種路上技能試験コース図の一部を改変したものである。
出発点から終了地点までが青線の走行路として記載されており、途中3ヶ所設定されている。いわゆる「路端停車」というもので電柱や水銀灯などをバス停に見立てて、バスの中扉を合わせて停車させる課題である。採点基準は、「停車のための左寄せ」と「中扉の幅に目標物が入っているかどうか」がポイント。左寄せが30cm以内でなければ「駐停車方法違反」で5点減点、目標物が中扉に入っていなければ「停止位置不適」で5点減点となる。
いくらコースが頭の中にイメージングされていても、実際の路上試験では駐停車の車あり、歩行者ありで臨機応変な対応が必要となる。



大型一種(トラック)と比較して大型二種(バス)は、基本的な運転法が異なる部分が多い。要点を復習しよう。

内 容 減 点
0.4Gを超える加速度で急発進した時(=特別減点項目で1回のミスでは減点されないが2回目からは1回目に溯って減点される。) 5
0.4Gの減速度で制動した時(特別減点項目「制動不円滑」) 5
0.4Gを超える強い減速度でブレーキをかけた時「急ブレーキ」 10
0.3Gを超える横加速の急ハンドルを切った時 10
カーブに進入してからブレーキをかけた時 20
S字状のふらつきは、幅0.1m以上で減点10点、幅0.3m以上で危険行為 試験中止

平成16年の道路交通法改定により平成19年よりは大型と普通一種の間に中型一種免許が新設される。これに伴って、運転免許試験場での中型、大型二種の試験車両が次のように変更される可能性が高い。要は、従来の大型二種が中型二種へ、従来の特定(政令)大型車両が大型二種へ、。それぞれ名称の上で、格下げになった形だ。逆にいうと、同じ大型二種の免許を撮ろうとすると従来よりも大きな車両を用いて試験を受けなければならないことになるのだ。

試験場によっても異なるが、新大型バス(通称11mバス)になってからS字とクランクが省略されたり、鋭角が11mバス用に改修されたりしている場合もあるという。
平成16年6月9日に改姓道路交通法を交付して
、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において施行するということは遅くとも平成19年6月までに施行されるということである。
◆明石の兵庫県運転免許試験場については近日中にチェックしてアップしますので、暫くお待ち下さい。

自動車の種類 車両総重量 最大積載量 乗車定員 年 齢 運転経験年数 ポイント
現 行 大型自動車 8t以上 5t以上 11人以上 20歳以上 2年以上  
政令大型車 11t以上 6.5t以上 30人以上 21歳以上 3年以上  
普通自動車 8t未満 5t未満 11人未満 18歳以上 -   
改正後 大型自動車 11t以上 6.5t以上 30人以上 21歳以上 3年以上 積載量6.5t以上は大型免許が必要 
中型自動車 5t以上11t未満 3t以上6.5t未満 11人以上30人未満 20歳以上 2年以上 中型免許では6.5tトラックまでしか運転できなくる。
普通自動車 5t未満 3t未満 11人未満 18歳以上 - 普通免許では3tトラックまでしか運転できなくる。

試験車両の変更
車長 車幅 車軸(ホイールベース)
現行 大型二種 8.2〜9.3m(9.1m:通称9mバス) 2.4〜2.5m(2.5m) 4.2〜4.4m(4.3m)
改正後 新大型二種 10.0〜11.0m(10.8m:通称11mバス) 2.4〜2.5m(2.5m) 5.15〜5.35m(5.3m)
新設 中型二種 8.2〜9.3m 2.25〜2.5m 4.2〜4.4m

諸費用