車両系建設機械(解体)


車両系建設機械(解体用)運転技能講習
車両系(解体)の技能講習は機体重量3t以上のブレーカなど解体用建設機械を運転するための資格である。コベルコにおいて解体の技能講習を受講するには、車両系(整地・運搬・積み込み・掘削)の運転技能講習を修了していることが必要である。午前中3時間程度の学科、技能講習とそれぞれの修了試験を受ければよい。(他の教習所では無資格の場合は5日間の講習が必要)。
ブレーカとは、たがね(チゼル)とそれを打撃するピストンを一体化した打撃式破砕機を有する機械をいい、油圧ショベルの機体にアタッチメントとしてブレーカユニットを取り付けたものが該当する。ブレーカユニットは主に油圧式で、油圧のみでピストンを作動させるものと、油圧と窒素ガス圧を併用するものがある。

車両系建設機械の操作資格
技能講習 特別教育
労働安全衛生法に基き、安全衛生教育が義務付けられており、運転技能講習を受けて、修了試験(学科・実技)に合格すること。 機体重量3t未満の小型車両系建設機械を運転するための資格。講習(学科と実技)を受講する。
機体重量3t以上の車両系建設機械(解体用) 小型車両系建設機械(解体/ブレーカ装着)

技能講習(学科)
受講者は2班に分かれ、技能と学科を相互に交替で受けた。学科は、最初にビデオを供覧しブレーカの構造、点検、基本作業、誘導、安全などについて見る。そのあとの講義は、車両系整地と重複する部分は割愛されるので、ブレーカのポイントだけを習う。この後の学科試験は、しっかり講義を聴いておればほぼクリアできる。学科と技能試験が各々修了すれば、昼過ぎには技能講習修了証が発行されて帰宅できる。

技能講習(実技)
技能試験では、車両系(整地)の技能講習を修了していることが前提であるだけに、1回の練習の後、いきなり実技試験となった。課題は、垂直壁の2箇所の標的にブレーカーを垂直に合わせてできるだけ接近させて(実際に打撃はしない)、そのあと地面に置いてある鉄板に対して、数回の打撃を行う。打撃の際には、アームで突っ張り車両を少しジャッキアップして行う。
技能試験のポイントは、ブレーカを常に目標に垂直に当てること。旋回操作以外はできるだけ複合操作を用いてスムースな動作を行うことである。
車両系建設機械(解体)
目標物2箇所にユニットを近づける。実際の打撃はしないが、目標に近づける。
油圧ブレーカは車両本体の高圧油圧を利用する ブレーカのアタッチメントは車体からの配管を取り、ユニットを作動させる。(油圧ショベルとの比較) 鉄板の打撃は、さすがに地面に響く威力。コンクリートを竅つパワーを感じる。

旋回モードについて
コマツや日立系の会社で製造されている重機は縦旋回だが、三菱の会社で製造されている重機に関しては横旋回。ただ、JIS規格による左手の横旋回’ではなく、右手の横旋回である。練習および試験車両はJIS規格(左手の横旋回)であるので、普段、縦旋回の車両を用いて仕事をしている人にとっては、少々操作に戸惑う場合があった。