作業によっては厳冬期を除いて一年中できます。
水苔と素焼き鉢の組み合わせは生育がいいようです。
水苔をギュッと握って親指の頭ほどの小玉を作り、根で抱かせるように玉を包みます。
根が少ない場合は、茶色く枯れて針金のようになった根も残しておいて、これも利用して包むと安定します。
紫金城などのように色素の多い種類では、陽に当たった生きた根が紫色になります。
長めの水苔を2,3本用いて、根の上からグルグル巻きにします。 中心の小玉にする水苔は短くてもいいですが、上から巻く水苔は 長めの水苔を選別しておく方が作業がやりやすくなります。
株元(根の生え際)は必ずむき出しにしておきます。
同じ要領で株を全部水苔で巻きます。少々根が見えたり、はみ出していてもかまいません。 ほぼ同じ様な大きさの塊にします。
(このまま1本ずつ順次植え込んでいくこともできます。その場合は高さをそろえるために 発泡スチロール片を底に敷くと作業が楽になります。)
株を寄せ集めて一つの塊にします。ギュッと握って植え込む鉢と同じ大きさになるくらいが目安です。
今回は2.5号の素焼き鉢に植え込みます。
塊が小さければ外側に水苔を足します。
株元の高さが全部同じになるようにして握ります。
さらに強めに握って、一気に鉢に押し込みます。深さは縁から5〜10mm程度。
鉢の縁にマグアンプなどの長期間有効な化成肥料を数粒埋め込み、 表面に飛び出した水苔を爪楊枝で押し込んで均します。一度乾いてしまうまでは水を掛けません。その後は他の鉢と同じ様に乾いたら水遣りし、 2週間ほど経ったら液肥を与え始めれば生育がいいでしょう。
高芽を寄せ植えして5年経った鉢。さすがに根がびっしりと回っています。
今回はこのような状態が予想されたので、鉢を割って根を剥がしました。
2,3年目に分けないとこのように根が回って後の作業が面倒になります。
乾いた状態では水苔が硬く、取り除きくいのでたっぷり水を掛けて外側から根をほぐします。
この作業には爪楊枝が最適です。生きた根を切らないように注意。
植え替えで最も手間と時間がかかり、根気の要る作業です。
丁寧にやるほど後の作業や生育がスムーズにいきます。
ある程度水苔を取り除いて根がほぐれてきたら、水苔のクズを取り除いて根の状態がよく見えるように、
一度洗面器の中で揺するようにして株を洗います。
絡まりあった根の中に箸を突っ込んで、外側に引くようにして少しずつ作業します。
ピンセットや割り箸(ささくれ立っている)では根を切ったり傷めたりしがちなので、ここでの作業は 爪楊枝と使い古した塗り箸が必需品です。
寄せ植えにしてあった株を独立させただけなので、株分けはしません。
右端の株程度の大きさなら2つに分けられます。
2号鉢に植え込みます。
水苔をギュッと握って卵くらいの大きさに丸めます。
高芽の寄せ植えのときと同じ様に、中心部には短い水苔を使い、長い水苔は次の作業のためにとっておきます。
丸めた水苔を株の下にあてがい、広げた根で全体を包み込むようにします。
撮影のために手を離すので全体にフンワリと見えていますが、実際はもっと詰まった感じです。
上から3本くらい束ねた長めの水苔で覆います。
3方向からタスキになるように巻きつけます。
セッコクの植え込み全てにいえますが、株元・根の生え際は必ずむき出しにしておきます。
2号鉢に押し込みます。
山形に盛り上がるように植え込むと、根を水苔の中に伸ばす余地がたくさん取れるので、
後の株の生育にいいようです。高さはお好みで。
鉢の縁には水が溜まるような余地を作っておきます。マグアンプを数粒、3箇所に分けて埋め込みます。 この作業及び最後にきれいに整えるのにも爪楊枝が重宝します。
水苔の詰め具合は、植え込みのあと株を持って鉢ごと持ち上げられるくらいが目安です。あとから水苔を追加するよりも あらかじめ鉢より少し大きめの塊にしておいて一気に押し込んだ方がよいでしょう。
最後にラベルを挿してできあがり。
品種名や作業日などをラベルに書いておくと後の管理の目安になります。
一度乾くまでは灌水せず、直射光の当たらないところに下げておきます。その後は新芽が出始めるまで
乾き気味に管理し、新芽が伸び始めたら乾ききる前に水遣りします。
新芽から新しい根が伸び始めたら液肥を与えます。
あとの管理については丈夫なセッコクのことなので適期にやれば神経質になることはありません。 しかし今回のように荒っぽい作業をした後は少しいたわってやりましょう。