作業の適期は4月頃、根が伸びだす直前です。
ナゴランの植え方も同じです。
鉢底の穴をニッパーとヤスリで広げます。
少しずつニッパーで切るような感じで欠き、
半円形の鉄鋼用ヤスリで丸く仕上げます。
3号の素焼き鉢を使用しています。穴の直径は35mm程度。
塩化ビニールのパイプを楽に抜ける大きさの穴にします。このパイプを土台にして水苔で植えます。
塩ビのパイプの外径31mm、長さ11cm。 太さと長さは鉢の大きさや好みに合わせます。
長めの水苔を数本束ねてパイプに被せます。数方向から被せ、上を押さえつけます。 水苔が短いと作業がやりにくくなります。
植え込み作業の作業の最後にパイプを抜き取り、中を中空にします。 中空にして植え込めば、その分相当量の水苔を節減でき、経費削減にも役立ちます。
フウランを頂部に押し付けるようにして乗せます。
数本束ねた水苔でさらに根の上から覆います。
根が見えず、鉢と同程度の大きさになるまで。
全体を鉢に押し込みます。
ここでも塗り箸が活躍します。
鉢の内壁に沿って鉢底まで水苔を入れ込みます。
強く引き込むと水苔が切れてしまうので、箸を回しながら巻き込むような感じで入れていきます。 途中でマグアンプを入れてもよいでしょう。
全体をギュッと包み込むような感じで押さえ込み、
浮き上がった水苔があれば再度長い水苔で押さえ、
形を整えます。
ここまでは中にパイプが入っているので、強く抑えても形は崩れません。
最後に鉢底の穴からパイプを抜いてできあがり。
鉢の中には抜いたパイプと同じ容積の空間が空いています。
中空にして高く盛り上げると
・通気が良く、乾きやすい。
・根が水苔の中に伸びる余地を多く確保できる。
・水苔が節約できる。
などの利点があります。
着生蘭を水苔で鉢植えにした場合、中心部にはほとんど根を伸ばさないので この部分に水苔を詰めておかなくても支障はありません。次回の植え替え作業も 楽になります。
鉢底の穴を大きくするとき用いるニッパー、ヤスリ。
水苔を中空にするとき使う塩化ビニールのパイプ。
塩ビのパイプは鉢の大きさや中空部分の容積、植え込みたい高さに応じて数サイズ揃えておきます。
中空にせず、発泡スチロールや木炭を中心部において植え込む方法もあります。乾き具合が少し異なる程度で その後の生育には大差ありません。どうするかは好みによります。