上部消化管内視鏡(胃内視鏡)-経鼻法ー

 径5.9mmの超細径内視鏡を鼻から挿入します.口から挿入する場合は,必ず舌根部に内視鏡が触れますが,鼻からの経路だと触れません.そのため,嘔吐反射が起こりにくく楽に内視鏡が飲めます.わざと吐くときに,指で舌根部を押さえるのは,経鼻内視鏡の逆をやっているわけです.  

 鼻から局所麻酔剤を入れますが,内視鏡挿入時に多少の違和感はあります.時に鼻の痛みを感じたり,鼻出血を来たすことがあります.まれに,鼻腔が狭く5.9mmの内視鏡でも入らないことがあるので,その場合は経口法に切り替えます.  

 今までに経口法を受け苦しくなかった方は,経鼻法と経口法のどちらで受けられても結構です.  

検査内容:先端に小型のCCD(超小型のテレビカメラ)が内蔵された管を鼻から挿入し,食道,胃,十二指腸を観察する検査です.通常光に加え,早期食道がんの発見に威力を発揮する狭帯域光(BLI)での観察を行います.必要に応じ粘膜の小片を採取し顕微鏡で検査することもあります.当院では通常5分ぐらいで終了します.

前処置:朝,昼の検査の場合は前日夕食後よりより絶食としていただきます.水分は数時間前までOKです.夕の検査の場合は朝食後絶食です.水分は数時間前まで構いません.検査直前に胃粘液を溶解し胃を見やすくするお薬を内服していただきます.次に局所麻酔剤などを点鼻します.さらに,内視鏡と同じ太さのやわらかい管を挿入し,鼻腔が細くないか確認するとともに,内視鏡を通りやすくします.最後に,胃の動きを抑える注射をします.

検査後:撮影した像をお示しし結果説明をします.検査後直ちに歩いて帰宅可能です.胃の動きを抑える注射の作用で一時的に目のピントが合わなくなることがありますので,車やバイクを自分で運転しての帰宅は禁止しています.1時間後から食事可能です.