合歓の木の花



 夜になると小葉が閉じて垂れ下がります。まるで眠るようにみえるゆえにこの名が付けられたようです。白い綿毛の先を紅色に染めた花弁は、夏の里山を涼しげに飾ります。夕方、合歓の木の葉が眠るころ、やわらかな絹鞠のように花群れが妖しくひらきます。
 灼熱のアスファルト舗装の市街地をのがれて里山に入ると、涼しい風が心地よく肌にさわります。合歓の木のかたわらを、虫捕り網を持った父子が二組、通り過ぎていきました。
 (2004年7月11日、長岡京市・粟生清水谷で)


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