一輪の捩花が涼を誘う


捩花/ネジバナ
 刈り込みされない芝生のなかに淡い紅色が可憐です。螺旋状に下から上へ花が咲きます。右巻きが多い中で、ときおり左巻きを見ると不思議に得した気持ちになることも。6月末から7月初めまで自宅辺りで見かけたのですが、風に揺れる小花たちは接写が難しく、撮らずに花期が終ってしまいました。写真は京の隠れ里で撮ったものです。都市部よりも気温が3度ばかり涼しいせいか、まだ咲いていました。
(京都市左京区大原・来迎院、2005年7月24日)

 京の夏は蒸し暑く、簾や打ち水で涼しさを創るくふうがされてきました。格子窓に一輪の捩花を添えた町家が、通りの人に涼しさを分かちます。京の盆地の戌亥方角に座す愛宕山はこの時期、千日参りが恒例です。7月31日の夕刻から夜にかけて、山上に祀られている愛宕神社へお参りする人が列をなします。夜風が心地よく、虫の声が聞こえはじめるのも千日参りのあとです。



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