錦秋・ある山寺の錦織り


錦秋を味わう心

 小春日和の晩秋、洛西もまた里山の紅葉が盛りです。早朝は凛とした錦織りをゆっくり観ることができるとき、朝露がもみじ葉の鮮やかさをいっそう引き立てます。陽光に映える樹々の彩りをゆっくり観ることができます。
 ここは山道を3Kmほど歩いて訪れる古刹。白洲正子の随筆「かくれ里」でも紹介されています。その導入部で、細い仙道ゆえ歩いて登る以外にないといわれ気になりながらあきらめていた寺を、ひょんなことで道を間違えて意外にも訪れてしまったことが嬉しい、と。思わぬかくれ里との出会いを書かれています。

 近年とみに多くなったのが遠くから観光で訪れる人。長岡京市・光明寺、大原野・善峯寺などは全国版の紅葉名所ゆえ、人もまた多くて秋の味わいがちょっぴり薄まる気がします。
(2005年11月23日、京都市西京区大原野・金蔵寺で)



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