地域振興会だより めざせ!日本一の田舎づくり

ツーリズムを生かした街づくり
 「むか〜し、むか し」と始める民話に 出てくるかやぶきの ある日本の原風景。  平成5年12月、国 の重要伝統的建造物 群保存地区に選定さ れた北集落。由良川 の清らかな流れ、四 季おりおりの山々の 連なり、その中には 先人が拓いた田、畑 と茅茸民家が点在し 訪れる人々の詩情を さそう。こののどか なたたずまいは日本 農村の原風景といっ ても過言ではありま せん。この原風景と 人・自然とふれあい を求める来訪者は47 万人を越えるに至り ました。
 「田んぼは四角に心は円く」に 始まった第1期の村おこし事業か らはや20年余が経過していようと しています。その間には特産加工 グループや集落での朝市などそれ ぞれの分野で個人から集団での活 動が活発化し、今日では都市と農 村交流へと変化してきました。
 平成5年3月には京阪神の美山 ファンを中心に「かやぶきの里美 山と交流する会」が誕生し毎年1 00万円をかやぶきの保存基金と して積み立てすることなど、都市 住民からの資源保存・伝承活用へ の積極的な取り組みまで始まって います。
 現在ではこうした町外の多くの 方々が美山の情報発信の源ともな っています。

 人口減少での多くの苦難を乗り越えて
 しかし、美山ふるさと株式会社 による新規定住化対策と都市との 交流による新たな産業おこしを実 践しながらも本格的な少子高齢化 社会の到来で集落・地域・町段階 で従来の機能が失われ、組織の弱 体化や、役員の兼任で活動が低下し、 しかも、平成11年10月に農業協同 組合合併による支所廃止は地域の 活性化の拠点施設であっただけに その弱体化に拍車をかけることと なりました。
 こうした中、組織のスリム化と 新たな地域全体の活性化をめざし、 昨年4月、従来の自治会・村おこし 推進委員会・地区公民館を改組し、 旧5ケ村に「振興会」を新しい組織 として発足させることになりました

日本一の田舎づくりをめざして
 振興会は、@住民の利便性を高 める A地域課題を掘り起こす B人材の発掘及び育成を進めると いう3つの軸で活動し始めました。
 まず第1の課題では地域振興課 を設置するとともに各振興会事務 所内で、町職員が窓口業務を行う ことで住民の利便性を高めていく こととしました。
 住民からの感想は 「近くで申請 が出来ることになりうれしい。」 「気軽に行けるし役場が近くなっ たようだ」と大変好評です。
 また 「窓口業務も月50件から60 件はある。」「地域の様子や集落 の取り組みがよく分かるようにな った。」 「気軽に立ち寄って話を きかせてほしい。」と配置された 課長は全員が口を揃えて言います。
 こうした面から見てみるとコス トが少々高くつくが住民に喜ばれ る行政システムは21世紀の地域づ くりには欠かせないことなのかも しれません。
 第2の課題は地域課題の掘り起 こしですが全地域とも現在では模 索段階といってもよいでしょう。
 各振興会は、自らの地域は何が 課題で、何が今後必要なのかを住 民とじっくりと相談する中で考え 方をまとめ結論を出すことが望ま れます。
 各振興会では、住民意識をたず ねるアンケートを実施したり、集 落ごとの懇談会を行うなど、地域 が求めていることは何なのか、ひ ざを交えてともに追求していく取 り組みを進めてきました。
 振興会が新しく出発した中で、 役員を中心に全体が意識を持って やっておられることがよく伝わっ てきます。いろいろな場面で出さ れる提案意見にも、今まで以上に この地域を自分たちが何とかし なければならない″という意気込 みがあります。地域の中で 「目的 と意識を持った考え方」 に徐々で はあるが変化してきているのでは ないでしょうか。
 第3の課題は人材の発掘と育成 ですが、先に述べたように人の考 え方に変化が出て来たことや、振 興会役員が一丸となった取り組み ができていることはすばらしいこ とです。人材育成の課題には年数 と努力が必要であり、今後の大き な課題として長期的な目で見て行 くことが必要と考えています。
 農協合併以降、地域にはタナセ ンや大野やさらには知井の里ショ ップ21など地域の共同出資による 有限会社が設立され、店舗での日 用品などの販売事業だけにとどま らず、高齢者問題や農地や山林の 保全なども視野に入れて、広域な 管理体制をつくりだす活動の展開 までもが話し合われています。こ の地域パワーこそが美山町におけ るまちづくりの原点です。住民と 行政がともに力を出し合って築く 未来は、決して暗いものばかりで はないことを信じ、しっかりと足 元を見つめ、ともに進んでいかな ければなりません。