民具など200点一新
国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受ける美山町北地区で、
二年前に焼失したシンボル施設「美山民俗資料館」(中野勉館長)が復元され、十六日に完成式が開かれた。
段丘地帯に独特の構造の北山型かやぶき民家が寄り添う日本の原風景がよみがえった。
復元された資料館は、焼失前の姿を正確に再現するため、
かや屋根の下地でハの字型に組み合わせる丸太(たる木)や、台所のすのこ天井の竹などに、いろりの煙でいぶされた黒光りする古材を使っている。
また、約二百年前の建築当時の姿に忠実に、北山型民家の特色の一つである上げ庭を土間に復活。屋根の下部も焼失前より三十数a長くし、軒下を深くして、重厚さを増した。
展示された民具や農機具などの約二百点以上が、地区内で再調達された。からうす(踏みうす)や、調達が難しいと思われた鉄砲風呂も。
母屋には、昔懐かしいあんどんや箱まくらなどの生活用具を展示。納屋の内外には、牛に引かせて田を耕す江戸時代などのすき(犂)、木ひき鋸や胴切鋸、唐臼や士臼など、かつての農作業に使った道具類を並べた。祝日を除く月曜休館。入館料は大人三百円。
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