Trader
シミュレーションに必要な条件を入力するだけで、ポジションの損益がすぐに見れます。
4つの行使価格を入力できます。行使価格はA, B, C, Dで示されます。Total Positionは4つの行使価格について取ったポジションの総合計です。
Traderは損益図だけではなく、オプションの理論価格曲線、ポジション・デルタ、ポジション・リスクをまとめた数値表を出力します。結果は、エクセル97の印刷機能(ファイルから印刷を選択)によって、A4用紙に印刷できます。
オプションの理論価格は、配当がある株式を評価するためのブラック・ショールズ式を使っております。「利回り」にゼロを入力すれば、無配当のブラック・ショールズ式になります。通常、日経平均のオプションを評価するには、この式を使用します。現物の債券を評価する場合、「利回り」には直利を入れます。「利回り」と「短期金利」に同じ金利を入れると、ブラック・ショールズ式による商品先物オプションの評価式になります。短期金利やボラティリティーの入力は、行使価格Aのシートのみで行えます。
ロング・コンドル(long condor)という投資戦略を紹介します。シミュレーションには実際の日経平均オプションの相場表を使いました。1998年11月4日の日経平均終値は14527円で、14500,15000,15500,16000と、4つの行使価格を使って、下記のポジションを取った結果をTrader Version 1.0でシミュレーションしました。その結果、満期日の12月11日において、日経平均のSQ値がいくらであろうと、70円以上の損失が出ないことがわかります。また、相場が14600円と15900円の間に入れば、利益が確保できることがすぐにわかります。デルタを見ると、ほぼ横ばいのゼロに近い状態となっており、リスクに対して比較的ニュートラルなポジションであることもわかります。
ポジションA |
行使価格14500円で370円のコールを1枚購入 |
ポジションB |
行使価格15000円で220円のコールを1枚売却 |
ポジションC |
行使価格15500円で2000円のプットを1枚売却 |
ポジションD |
行使価格16000円で2420円のプットを1枚購入 |
なお、ボラティリティーには、Space で計算した、IV(implied volatility)の平均値=45%を使いました。
(以下の損益図中の点線はブラック・ショールズ式による理論価格曲線で、オプションの時間的価値を示します)
ポジションA:行使価格14500円で370円のコールを1枚購入したときの損益図
ポジションB:行使価格15000円で220円のコールを1枚売却したときの損益図
ポジション C:行使価格15500円で2000円のプットを1枚売却
ポジションD:行使価格16000円で2420円のプットを1枚購入
Total position:上記4つのポジションの総合計
Position delta