★★ コクワガタ ★★
クワガタ虫とカブト虫の飼育を、全部一度に説明すると、種類によっては全滅になりかねないので、少ない飼育経験のなかより説明できる範囲で、種類ごとに順次説明しようと思います。ブリーダーそれぞれに、いろいろな飼育方法をされていると思いますが、 京都における一般的な生育事例であり自然界や他の飼育環境とは、当然違った生育ステ ージをたどる可能性がありますので、ここでは、私なりに基本的な飼育方法を説明して いこうと思います。始めにクワガタ虫の基本コースであるコクワガタから始めましょう。
1.コクワガタの成虫飼育。
コクワガタは、Dorcus類の成虫飼育の基本であり入門編です。ここでは、繁殖を目的とした累代飼育を説明します。ただし、コクワガタを長生きさせたいだけなら、♂と♀を分けて、餌さにリンゴやバナナを与えて、温度・湿度を適度に保ってやると、羽化後2年から3年ぐらい生かしておくことができます。
a.親虫の選定。
コクワガタを累代飼育するときの親虫は、自分で野山を歩いて満足のいく成虫を採ってください。なぜなら、コクワガタは、一般のペットショプで販売していないからです。成虫は、♂で40oくらい、♀で25oくらいあって大あごや足や体にキズのない個体がよく、特に♂の足(前脚と後脚のフセツ)や♀の大あごは、大切です。これは、交尾や産卵のときに、大切な役割をはたしていますので累代飼育のなかで観察してください。
b.飼育ケースの設定
飼育ケースの累代飼育する場合の設定について説明していきます。飼育ケースの大きさは、中(W300*D195*H205)ぐらいで十分に使えると思います。クヌギマッ
トを、ケースの底より10cmくらい入れて産卵材を半分くらい埋めてください。
c.マットや産卵材について。
まず、マットですが、市販されているクヌギマットでも、自分で朽ち木を砕いて
作ったものでもかまいません、ただ、針葉樹の朽ち木屑は、絶対に使わないでください、なぜなら針葉樹には、ヒノキチオールのような殺虫力のある成分が、含まれている可能性があるからです。産卵材は、コクワガタの場合適性が広いので
ペットショプなどで簡単に入手できるシイタケ栽培のほだ木の古くなったもので十分です。極端に硬いものや腐朽が進んで簡単に崩れてしまうものは避けて、少
し柔らかいけど木質が充実していてスポンジ状になっていないほだ木を産卵材に使ってください、そして雑虫、特にコメツキムシの幼虫を死滅させる為にその産卵材を煮るか、電子レンジで「チン」するか、1晩以上「水」に浸しておくか、
どれかをしてください。そして産卵材の大きさですが、木口部の直径が12cmから
15cmぐらいで長さが15cmくらいのものが使いやすいです。
d.飼育温度と湿度。
自分で野山を歩いて採集したコクワガタの飼育温度と湿度は、基本的に採集した場所の温度と湿度が、一番適温に近いはずですので、採集した時にその場所の温度と湿度を飼育ケースの中に、再現できるようにしてください。秋から冬にかけての飼育では、そのまま夏の状態で保温して飼育してもかまいませんが、より、 自然に近い状態で飼育したいならば、低温になっても比較的温度の安定している 場所で飼育してください、そうすれば、10月下旬ごろから翌年の4月中旬ごろまで コクワガタの成虫は休眠状態で越冬します。
e.成虫の餌さについて。
コクワガタの成虫の餌さには、リンゴやバナナが大変あっているようです。私が
子供の頃には、キュウリの太いところやスイカなどを餌さにしていましたが、水分が多すぎたり腐敗が早かったりと、あまりよくないようです。その他、もちろんペットショプで販売しているエサゼリーでもかまいません。
以上のようなことに注意していただければ、コクワガタの成虫飼育は、それぼど難しいことではないはづです。きっと、9月頃になると、飼育ケースのなかの産卵材には、多数の幼虫が見られることでしょう。
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: by Shigeaki Ogawa
最終更新日 : 2000/04/26.