☆ クワガタムシ飼育のトラブル解決集 ☆

(クワガタ雑談集。)

 いろいろなクワガタムシを飼育していると、「突然のトラブルで幼虫が全滅してしまった。」なんてことが、たびたび起こります。図鑑や飼育書を読んでもよくわからない事が多いものです。ここ京都(亀岡)での飼育ステージにおける「トラブル。」ならびにそのトラブルの解決集をまとめていきます。みなさんと飼育ステージが変りますが、飼育の参考にご利用下さい。
(当方ではこのトラブル解決集によって、トラブルが発生しても一切の責任を負いかねますのでよろしくお願いします。)

1. ペアリングについて。

    オオクワガタが一番神経質に思います。相性がよくないと同じケースの中でいてもいつもばらばらにいます。逆に相性がいいと、いつでも並んでいます。やはり、仲がいいのが全てです。交尾が確認できたらメスを産卵材の入ったケースに移したほうがトラブルが少ないようです。

2. いい産卵材と悪い材

    「いい産卵材はどんなものですか?」と聞かれたら私は、「オオクワに聞いてください。」と答えるでしょう。やはり一番よく知っているのは、オオクワガタのメスのようです。いい材だと思って入れてもなかなか集中して産卵しません。しかし、産卵はよく集中します。小さな材に15匹〜20匹も産卵している事があります。確かにきれいな材です。水につける前は同じ感じなのに、時間がたつにつれて変化します。小さなバクテリアも関係しているのかもしれません。なかなか口では、説明できません。なんども材割りをしているとわかったような気になります。

3. ヒラタクワガタの産卵。

   産卵について少し説明すると、それぞれのクワガタムシによって幼虫の食性が違います。たとえば、本土ヒラタクワガタは低地で温暖で湿潤が生息条件です。そして、基本的に根食いのようです。根食いのクワガタムシの産卵は、産卵材の表面を削ってマットを作ってそこに産卵するパターンとそのままマットに産卵するパターンがあるようです。他には、ノコギリクワカタやミヤマクワガタも同じようなパターンを持っているようです。また、地表にある朽ち木によく産卵するオオクワガタやコクワガタは、主に産卵材に産卵するようです。時には、産卵のために大きな穴をあけてしまいます。そして少し変っているのが、南西諸島のマルバネクワガタ類とネブトクワガタ類です。それは、アカ腐れしたフレーク状のマット(マルバネクワガタ類は、カシ類のマット・ネブトクワガタ類は、針葉樹でも完全発酵していればいいようです。)に直接産卵するようです。基本的に種類・地域性によって変わります。

4. 「共食いが、起こった。」

    秋口に多いです。8月もお盆を過ぎると秋風が吹き始めます。すると,昆虫は、冬支度を始めます。そして、クワガタムシは急にエサを食べる量が増えるのです。ちょっと目を離すと、エサ不足からメスがオスを食べてしまいます。このまえオオクワガタオスが、ニホンアシオオクワガタになりました。驚きました。オスのお腹まで食べられなくてよかったけどかわいそうです。決してエサを切らさないようにしましょう。

5. 昆虫の本能。

   昆虫は本能で生きています。本能でまず種を守ります。そして、次には、自分が他の個体より大きくなろうとします。この本能があるから、親は、幼虫が多すぎると、そこにあるエサの量にあう幼虫を残して間引くようです。また、親をはなしても幼虫が多すぎると、他の個体より大きくなろうとして幼虫同士も共食いが起こります。

6. 幼虫も共食いします。   

     以前に4匹の幼虫をひとつの小ケースに入れて実験しました。小ケースでは、4匹の幼虫が成虫になるには,エサが足りません。3ヶ月ほどしてケースの中を確認しました。すると、4匹の幼虫が2匹になっていました。そして、普通死んでしまっただろう2匹の幼虫の黒くなった死骸が、残っているはずなのに、ありませんでした。そして残った2匹の幼虫は、思っていたより大きくなっていました。きっと、残った2匹の幼虫の栄養になったのでしょう。

7. 簡単幼虫飼育(その1. 菌糸ビン) 

    「幼虫なら菌糸ビンにいれろ。」でかたづける人がいます。菌糸ビンは、いろいろな種類がいろいろな会社からでています。基本的にオオクワガタを大きく育てる目的で作られています。大きく育てるために、ハイリスクなものも多いのが事実です。オオクワガタでハイリスクと言うことは、他のクワガタムシでは、自殺行為に近いものがあります。菌糸ビンに使われている添加剤は、大きく育てることを目的にしていますので、強力です。したがってオオクワガタでも死んでしまうことがあります。オオクワガタ以外のクワガタムシを菌糸ビンに入れるのならある程度の覚悟の上で菌糸ビンを使ってください。いろいろと実験しましたが、それをそのまま報告できないので一般的になりますが外産クワガタムシを含めて菌糸ビンでほぼいけるクワガタムシは、国産オオクワガタとクルビデンスぐらいです。次にパリーオオクワやアンタエウスなどのオオクワガタ類が適応するようです。そして、ヒラタクワガタ類です。これは、私の少ない経験からの報告であり社名・品名なしに、詳しい説明もできません。ただ、菌糸ビンを使えば、「誰でも70mmオーバーのオオクワガタを育てられる。」と言うのは、事実に反しています。それなりの知識と管理がなければ、菌糸ビンにはハイリスクがついてまいります。

8. 菌糸ビンのトラブル

   何が原因なのか、わかりません。同じロットで生産されている菌糸ビンなのに違うトラブルが発生します。主なトラブルは、水分の異常発生のためにおきるべチャべチャ状態です。夏に30度以上の温度の場所に保管していると起こりやすいようです。べチャべチャ状態になって、腐敗してしまいます。次にその逆のカラカラ状態です。バクテリアのためか、カビの発生なのか不明です。エアコンで温度管理しているためかもしれません。赤茶けてしまいカラカラ状態に近くなります。すべての対応は、菌糸ビンの早期交換以外にありません。トラブルに気づいたらすぐに、交換してください。そうすれば、幼虫は、助かると思います。

9. キノコがはえたぞ・・・・。

菌糸ビンには、放っておくと、低温刺激などでキノコがでてきます。驚かないでください。それが菌糸ビンです。下の写真は、菌糸ビンの割りカスを木といっしよに保管しておいたので、約1年でキノコができました。バター炒めは、最高でした。説明できない美味しさです。ぜひ、一度おためしください。

ヒラタケ

ヒラタケ

ヒラタケ

ヒラタケ

ヒラタケ

ヒラタケ

☆ 工事中です。 また報告します。 ☆

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最終更新日 : 2000/04/26.