エアコンはなんで涼しくできるの???


暑〜い暑〜い夏。特に京都の夏は暑い。大学1回生の頃は電気代節約と思って できるだけ使わないようにしていたけど、年がたつごとにつけてる時間が増え 一日中つけっぱなしに。特に僕の下宿のエアコンはめっちゃ古いやつなんで いらない電気をたくさん食ってて電気代もバカになんない。

ところで、このエアコン。僕にとってはめちゃめちゃ不思議な代物でした。 何故って、だいたい電気で暖かくできても、なんで空気を冷やすことができるんだ?? 電気を抵抗に流すとご存じ「オームの法則」によりジュール熱が発生し 暖かくなるのは何となくイメージ的にわかりやすいし電熱線が真っ赤になるほど 焼けて熱そうなのは感覚的に分かる。
しかし、電気を使って冷たくするっていうのは??? だいたい人間だって、寒いときに頑張って暖かくすることはできても、 頑張って涼しくは絶対ならない。ん〜???

実はこれ誰もがよく知っている2つの現象を利用したものなのである。
1つは注射の時にアルコールで消毒するとひんやりするあれ。ぼくも あんまし注射は好きじゃないが、あのひんやり感がくるといよいよだなって 覚悟を決めてたものでした。あれ、なんでひんやりするかっていうと アルコールが蒸発するときに周囲から熱を奪っているから。いわゆる「気化熱」っていうやつです。 逆に気体から液体になるときは周りに熱を出します。
さてここで、部屋の中にアルコールの入った桶を置いとくと・・・。 そう、どんどんアルコールが蒸発し、熱を奪っていくのでどんどん部屋は涼しくなる。 ところがこのままでは、そのうちアルコールは全部蒸発しちゃう。 そんでもってお酒に弱い僕はすぐ酔ってしまってどうしようもなくなる?? それじゃまずいんで、蒸発したアルコールを回収して再利用すればいいっていうことになる。 気体のアルコールを液体に戻す時に熱を出すんで、これを外でやれば結局 部屋の中の熱を外に出したことになる。すごいね、これを考えた人は!!

さらにすごいのがもう一つの現象を利用するところ。 気圧が低いと沸騰温度が下がるっていうことです。高い山でご飯を炊こうとしても 水が100度になる前に沸騰してうまく炊けないっていうあれです。 高校の頃、山岳部だった僕はやっぱ山でご飯を炊くわけだが、あれは僕がへたなわけじゃなかったんだ。 しかも自然の中で食べるご飯は美味しいんであんまし気にならない!? まぁ、そんなことはどうでもいいんですが、つまり同じ温度でも気圧が上がると液体になりやすく 気圧が下がると気体になりやすいっていうことです。
っていうことは、室内では気圧を下げてやって低い温度でもアルコールを蒸発させやすくし、 逆に室外では気体のアルコールを冷やしてやりさらに気圧を上げてやって少々高い温度でも アルコールが液体に戻るようにしてやるわけです。
これがエアコンや冷蔵庫で現在最もよく使われている「ガス交換型」という原理です。 ちなみにここでいうアルコールのように熱を奪ったり放出したりするものを「冷媒」 っていって、今まで普通はあのフロンが使われていて問題となっているわけです。

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ということで、実は冷やすということそのものには実か電気はあんまし関係ない・・・。 電気が使われているのは、気圧を変えたり、冷媒を循環させたり、ファンで空冷したりと 機械的出力、つまりモーターの動力としてなんですね。 ところで、ホテルやビルなどの大規模な冷房は「ガス冷房」というものが行われている。 これはさらにあまり電気とは関係なくなってしまうのだが、ガスを燃やして冷房ができる?? というさらなる疑問。これは次節で。


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N.Wakayama update October.4.1997