経営革新特別コーナー


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経営革新法とはそして取得するメリットは?

○次に示す4つの「新たな取組(事業活動)」によって、経営の相当程度以上の向上を図るものであることが必要です。
(1)新商品の開発又は生産
(2)新役務の開発又は提供
(3)商品の新たな生産又は販売方式の導入
(4)役務の新たな提供方式の導入その他の新たな事業活動

注)新たな取組とは、個々の中小企業者、グループにとって「新たなもの」であれば、既に他社において採用されている技術・方式を活用する場合についても原則として対象となります。(但し、同業他社、同一地域内において既に相当程度普及している技術・方式等の導入については承認の対象外とします)

○経営革新計画の計画期間
承認の対象となる「経営革新計画」の計画期間は、3年間から5年間です。


○経営革新計画の計画目標

(1)付加価値額の向上
「付加価値額」、または「一人当たりの付加価値額」のいずれかについて、5年間計画の場合、5年後の目標伸び率が15%以上のものである必要がある。(計画期間が3年間の場合は9%以上、4年間の場合は12%以上であること)
付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)
一人当たりの付加価値額(付加価値額÷従業員数)

(2)経常利益の向上
「経常利益」について、5年間の計画の場合、計画期間である5年後までの目標伸び率が5%以上のものである必要がある。(計画期間が3年間の場合は3%以上の目標を、4年間の場合は4%以上の目標であること)

○提出先 地方自治体(外郭団体の場合もあります)

これが、認定されると
・県の各機関に計画書が送付されます。(公表、非公表は選べる。)
・通常、新聞発表がなされます。
ということで、その企業が3〜5年の間にどのような計画を持っているかがオフイシアルになるわけです。

効果としては
・補助金(別審査です)
・低利融資(政府系金融機関、民間金融機関も制度がある場合あり)
・設備投資の税制の恩典
などです。

ただし、融資制度で制度を活用しようとする時点で大きく当初の計画と実績が乖離していた場合、変更届が必要となる場合があります。
複数年の戦略と投資計画を作りますのでその間の補助金申請は、この基本戦略を当てはめていくだけになります。それが一番のメリットです!







第1講義 今なぜ経営革新法なのか?オリエンテーション



この法律に基づいた申請制度の認定を受けることが中小企業施策の恩典に繋がり易いことは、オリエンテーションで説明しましたので、別角度から説明します。
従来は、既存線の延長上で経営していれば、業績は伸びました。

それは、人口増加と経済が上り坂だったからです。

これからは、そのスタンス行くと、売上あるいは利益はジリ貧になるでしょう。

財務上、よく資産>負債となるように管理していきなさいと言われます。
しかし、何の戦略も無しに経営に臨んでいると、その逆転など時間の問題となります。




そこで、まずは、現状の経営資源である人材、設備、資金、加えるならノウハウと顧客でストーリーを作り直そうと言うのが経営革新です。
新たな試みをするということは常にチャンスとリスクを内包します。それを、常にチャンス>リスクとなるように統制するのが経営革新です。

事業継承においてもこの考えで臨まねば、資産>負債にして継承したところで、次の戦略が何も無かれば、後継者がその財務的資産を食いつぶしてしまうのが時代の流れです。

計画の期間は3〜5年です。自社の3〜5年後の経営革新後の姿を思い浮かべます。

その理想の形に対して足らずまいを埋めていくのが、経営革新目標であり、期間中のアクションプランになります。

国の方の視点から言えば、そのプランに対して足りない部分(主に資金)を支援していくと言う考えです。

では、具体的にどのように進めていくかは次回説明します。



第2講 経営革新法申請に臨むに当たって

では、2講義目は、申請に当たっての心構えを説明します。

○中小企業としての個性を考える

まず、プランに中小企業としての個性が必要です。
建設業社が介護事業をするというのは新分野進出で経営革新ではありません。
既存の事業とのシナジーをベースにしてください。
個性として考える要素は例えば、ニッチな市場に絞る、社会性のある事業をするなどです。
いずれの場合もマーケテイング要素は頭から外さないで下さい。
製品に新規性があっても売り上げが上がらねば経営を革新しても事業が続きません。

○中小企業施策との調整が要る

ここが、創業や補助金申請と少し違うとことです。
別項で、創業のシュミレーションでは、プランのコアな部分を中心として
・行動計画 ・売上計画 ・投資計画 ・資金繰り計画を考えて、総合調整してくださいと説明しました。
この経営革新のシミュレーションについては、それに加え、様々な中小企業支援施策を最大限使う方向で、調整します。
支援策の恩典があってこその経営革新法であり、不足している部分を明確にして、行政の支援施策に頼ればいいのです。
現実的には、申請書に書いたからと言って、ストレートにその支援策に繋がるわけでなく、その時点での審査があります。
また、計画とその時点での状況が大きく乖離していたときは経営革新法の変更届を出した上で、支援策を申請するケースもあります。

○頭を柔らかくする

上記2つの注意点を守りながらシミュレーションを進めていく上で、最も重要なものは戦略の発想であり、柔らかい頭です。
既存の事業の延長のイメージは出来るだけ消して、想像力をフルパワーで発揮してください。
その浮かんだ戦略の発想と現実の経営資源の乖離を埋めるのは次の段階であり、第1段階は、頭を柔らかくして考えてください。



第3講義 プランのコア部分の作り方−1

では、経営革新計画の肝の部分。申請書で言いますと別表1の経営革新目標のところです。




まず、定義を見てみましょう。

次に示す4つの「新たな取組(事業活動)」によって、経営の相当程度以上の向上を図るものであることが必要です。
(1)新商品の開発又は生産
(2)新役務の開発又は提供
(3)商品の新たな生産又は販売方式の導入
(4)役務の新たな提供方式の導入その他の新たな事業活動
注)新たな取組とは、個々の中小企業者、グループにとって「新たなもの」であれば、既に他社において採用されている技術・方式を活用する場合についても原則として対象となります。(但し、同業他社、同一地域内において既に相当程度普及している技術・方式等の導入については承認の対象外とします)


ここで、多くの方が迷うのは、新規性のところです。
まず、いけないのは「特許」「発明」というイメージの方に行ってしまうことです。

以前、創造法という法律に基づく申請があった時代には、所轄官庁にもそういう思考がありました。
しかし、そのようなタイプの研究開発系の会社の多くが認定された後で全く製品が売れずに破綻した事実より、考え方も修正がなされています。

要するに、前講義で説明したような、こういう特徴のあるものを特定市場に当てるという経営資源の組み合わせ活用とマーケテイング面での工夫があれば良しとする(それを新規性とする)ように変わってきています。

それを考える上でのキーワードが、「地域性」であったり、「社会性」であったりするのです。

このサジェッションで面白いプランが思いついたとしても必ず行ってほしいことがあります。
それは、ネットでの類似事業(プラン)調査です。

全国の事業者が、上記に書いたような思考経路で考えてきます。
自分では、新規性があると思っても全国の遠いどこかでそのような事業をしていたり、類似プランが出ていたりするケースがよくあるのです。

既に出ていたらアウトということではありません。

そこで、御社ならでは、その地域ならではの差別化をすればいいのです。

調べていないと言うことが、審査ではマイナスなのです。

*)新規性とは、本来は言葉通り「新たな」という意味です。
私の仲間の地方新聞記者出身の女性コンサルタントが「新奇性」と言う言葉を作りました。
それは、面白い試みで記事になりやすいという意味だそうです。
記事に載ることが目的ではありませんので、100%イコールではありませんが、それに近いイメージで捉えてください。

特に、流通に携わる業種の人はこの新規性を堅く考えてしまうといい案が出ないと思います。

第4講義 プランのコア部分の作り方ー2

では、前回の続きで経営革新計画の目標のところからです。
ここは、正に内容部分で他の図書類には絶対書いていないところですので、注意して読んでください。

(経営革新目標)

○製造業の人は「ものづくりの高度化法」を確認する。

これはものづくり補助金で大型補助金が汲まれたように国が重視している部分です。
以下の表の通り、課題項目や川下で期待される分野など法律で明示されていますので、合わせる方向で、策定していった方が申請が通り易くかつその後の支援も受け易くなります。




中小企業庁→経営サポート→ものづくり中小企業支援でものづくり高度化法の22分野の該当技術

○流通業の人は「特定商品を特定市場に当てる」

これは、以下の図の通りなのです。
ここで、商品(サービス)と当てる市場の切り口に独自性があればそれが新規性です。



このマーケテイングに加え、御社の仕組みを取り入れて中小企業カラーを出すことが必須です。

○消費者側からのベネフイットを考える。

消費者側からの視点、マーケットインの思想を入れることが重要な時代言われています。



以下のような、フローを書いていて、ワンストップショッピング性、小ロット、サービス化などの組み立てが出来ないか?を考えます。
これは、製造業者であっても可能です。


(経営革新の内容及び既存事業との相違点)
次にその下の欄ですが、これは事実の通り書けばいいところですが、頭が整理できない人は「設備」「技術」「市場」「人材」「エリア」などの切り口で考えてください。
ここで、どれもシナジー効果がない案は経営革新ではなく、新分野進出になり通りにくい案となります。経営革新は既存の経営資源を活用してプランを作ろうと言う考えなのです。



第5講義 行動計画

別表2のところが、行動計画を書くところで、認定後は右に実績を各書式を兼ねています。

まず、実行しなければいけない要素、例えば、組織の拡充など書き上げてから全ての年度で考え見ると言う方法をとると頭が整理されます。実施時期の、○ー○の考え方は以下の表の注釈に合わせてください。






○別紙ビジネスプランでは、ヒストグラムに落とし込むと実際の計画のイメージが沸きやすくなります。
この別紙には担当者を書く欄がありませんが、添付のビジネスプランには主担当者を書いてください。



○ここでのポイントは出来るだけ実績が数字で掴めるというところから逆算して実施項目を決める癖をつけてください。
これは、近年言われいる、KFS(自社の強みの要素)の考え方で、抽象的でなく出来るだけ数字で掴める事で強みの要素を持とうという流れがあります。

○通常は、基礎固め→応用→発展系、サークル化、顧客への利益の一部還元などの流れになりますが、これにはあまりこだわらないで下さい。

前回、プランのコア部分を決めて、今回はその行動をブレイクダウンしました。
ここは、PLAN→DOにする部分ですから案外スムーズに行きます。

しかし、次回の売上計画、投資計画と進むと、この行動計画と整合性があるかという横の論理性をと調整していく必要がありますし、(ここにも書いておくべき)設備投資計画などは、自社財務との関連性で、外部調達の必要も出てくるかもしれません。

では、次回はその数字の部分に進みましょう!



第6回 売上計画の作り方


では別表3の売上計画ですが、ここで、普通の決算書では見慣れない言葉が2つ出てきます。

付加価値額と、運転資金

付加価値額は(営業利益+人件費+減価償却費)です。

これが、年に3%で換算した増加率に計画最終年度に到達せねばなりません。(3年計画9%、4年計画12%、5年計画15%)
ここで、問題です。営業利益赤字でもこの比率は達成できるでしょうか?出来ます。
赤字でも絵を書けるので、後に説明する経常利益が年1%の歯止めがかかったのです。

ここで、人件費と原価償却が入っている意味を考えましょう。それは国策です、景気浮揚のために人も雇って欲しいし、設備投資もして欲しいということです。この2つが公式に入っているので支援施策を提供してくれるのです。

これを頭において計画を練りましょう。


(中小企業庁作成リーフレットより)


次に運転資金ですが、公式としては、

@在高方式による運転資金所要額の計算

運転資金所要額=売上債権+棚卸資産−買入債務
売上債権:受取手形残高=平均月商×売上原価率×手形回収率×受取手形サイト
売掛金=平均月商×平均売掛サイト
棚卸資産:商品残高=平均月商×売上原価率×商品在庫期間
買入債務:* 支払手形残高=平均月商×売上原価率×手形支払率×手形支払サイト
* 買掛金残高=平均月商×売上原価率×平均買掛サイト
平均滞留期間(平均サイト) 25日締月末払 最長の滞留期間が26日、26日から翌月末前日までの24日間 最短の滞留期間が25日、25日から今月末前日までの5日間 24日間+5日間÷2=19.5日間

A回転期間方式

正常運転資金所要額=平均月商×(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間−買入債務回転期間)


ということですが、どの公式を使いなさいという定めはありません。
但し、これは覚えて置いてください。

下の欄N資金調達欄で、外部から借りようとする場合はここに上がっていないといけません。
Hの設備投資額+I運転資金が外部借入れ申請額のMAXとなります。

最後に売上計画の作り方の要点を述べます。

明確に新事業と既存事業の売上が区分できる場合は、以下のように別紙でエクセルで分けて合算が別表3の計画値になるようにシミュレーションしてください。



その場合に、既存事業の落ち込み額を思い切って想定しないで、既存事業は平行線、新規事業で伸びると言う計画を作りますと、合計計画値の伸びは、異常なものになります。
ここは、パワーを新規事業にシフトしているですから思い切って、既存事業の落ち込みを見てください。
逆にそういう考えでないと、新事業は伸びません。

双方伸ばすと言うことが出来にくい理由のひとつが人材が中小企業では限られていると言うことです。

経営の要諦は「選択と集中」だと言います。ここは、計画も現実も新事業にぐっとシフトする形にしてください。

新規事業の方が生き残りにかけて、必要だと感じて経営革新法を策定するのですから・・・

第7講義 投資計画

ここは、投資内容をピックアップして書くところですので、大きなポイント言うのはないのですが、以下の諸点に注意してください。

(別表4 中小企業リーフレットより)


○MAXで考え、付属設備も含めて考えること。
プランは大きく、そして、ここが、支援策や、金融調達に繋がるところですので、付属設備も合わせ考えてください。
金融機関にも付属設備一式という考えは通じます。
前回説明しましたように運転資金も同様です。(この欄に書いた運転資金が融資に繋がります)

○海外進出予定の方は現地での設備投資も書く。
2012年の法律改正で、中小企業支援施策の中で現地法人への融資と言うのが認められるようになりました。(政府系金融機関)
よって、法人としては別でもここに上げておいてください。(書き方は表参照)

○支援施策と合わせる
これは、次回の説明になるのですが、この欄に書いた設備投資と中小企業支援施策が大きくリンクするところです。
全体調整の中で再度調整します。



第8講義 中小企業施策の活用の仕方

以下のような施策がありますが、京都府とついているのは、京都府独自の制度です。
これのような、独自制度は各県の経営革新法制度説明で調べてください。

関連施策は、融資、税制、投資、その他(主に特許減免と、販路拡大)があります。
個別の説明は省略しますので、インターネットで確認してください。

〈融資〉中小企業成長促進融資(京都府制度融資)
    政府系金融機関による低利融資制度

〈信用保証〉中小企業信用保険法の特例
〈税制〉設備投資減税
    留保金課税の停止措置※

〈投資〉中小企業投資育成株式会社法の特例
    ベンチャーファンドからの投資

〈その他〉特許関係料金減免制度
     京都府中小企業新技術開発応援制度(中小企業チャレンジバイ)
     販路開拓コーディネート事業 など

ここで、各施策内容を見て、再度、プランを見直します。
従来の決算書では受けられない融資恩典が受けられる場合もあります。ここも、MAXで考えてください。
これが、別表3の係数の計画と、別表4の投資計画に関係してきます。

ここで、設備投資減税とは特別償却で償却を早めていくという制度ですので、利益が出ている状況に対してのみ利きます。

また、昨年改正された法律で、海外現地法人への政府系融資からの直接融資というのがあります。


旧経営革新支援法に基づく経営革新計画承認企業については、※印の支援施策は該当しません。

第9講義 総合調整をする

では、ここまでで、
・経営革新計画のプラン(別表1)
・行動計画(別票2) ・売上計画(別表3) ・投資計画(別表4)
までが出来上がりました。
そして、使いたい中小企業支援施策を確認しました。

ここで、以下の図のようにそれぞれの関係で意味が合っているかを再度調整してください。
これは少なくとも2回転は点検したいところです。

これをすればするほど練れたプランになります。(審査員にもこの努力が通じます)




申請書につけるビジネスプランも上記の内容に合わせて作ってください。
ここで、別添ビジネスプランにて、強化したいところは

・商品・サービスの画像  ・ビジネスのフロー
・類似商品・サービス調査 ・ビジネス当たっての法的事項遵守状況

となります。下の2つは、これだけ調べましたと誠意を示す意味もありますが、実際ランニングしだして意外とつまずくところです。
類似商品・サービス調査は、似ているプランがあっても差別化要因をきっちりと明示すればOKです。


第10講義 卒業式 中小企業へのエール

いま何故、これが必要なのかは、支援施策活用の面からと経営戦略の面からオリエンテーションで説明しました。

しかし、それよりもっと重要なことがあります。

それは、戦略発想の柔らかい発想を持つと言うことです。

今年度、ものづくり補助金申請のブラッシュアップで多くの製造業の事業主の方と知り合いました。
その中で最も今、必要なもので欠けているのがこの柔らかい戦略発想でした。
技術力がない、設備力がないということではありませんでした。
工場内を見せていただくとそれは可能性のあるすばらしいことをしておられました。

永年の不況で、どうしても思考が従来の延長線上の発想になりがちです。

想うことは、憲法上でも保証された固有の基本的人権なのです。
思い切り戦略発想を拡げ、足りない経営資源は、「足りない」と声を大にして叫べばいいのです。

戦略に則った計画で、足りない経営資源があると誰かが手を差し伸べてくれるし、その一番手が、中小企業対策を司る中小企業庁なのです。そして、どうせ足りないと叫ぶならより高次元なところであがこうよというのが経営革新法の理念なのです。

この講座に基づき戦略発想の輪を広げられ、御社がより高次なレベルに到達することを願って止みません。

ご愛読ありがとうございました。

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