福音とは何ですか

キリスト教がよく言う「福音」とはいったい何なのでしょうか・・・。
イエス・キリストによって、すべての人類が救われるという、
　” 喜ばしい知らせ　” ゴスペル　”のことなのですが。

その喜ばしい知らせ・・・。　” 福音　”
すなわち、
神のひとり子イエス・キリストの十字架の死による贖いのわざ（あがないのわざ）という出来事は、
ひとりの人がすべての人のために死んだという出来事の内容と意味とは・・・、
すべての人のために、ひとりの人が死んだという出来事が、喜ばしい知らせなのだという、
なんとも理解しがたく、また、おどろくべき内容なのです。

その福音が、届かなければならない、
届けられなければならない人にとって、
また聞かせなければならない人にとって、
聞かなければならない人にとって、
現実は、福音が知らされているとは言い難い状態に置かれているわけです。

残念ながら、この日本においては、福音が、どのような内容と意味とを持っているのか、
多くの人たちは理解していません。

なぜなら、正しくは、福音は、届けなければならない人のもとに届いていないからなのです。

日本の場合は、まずキリストの福音について語れる人の極端に少なさ、
救いの言葉、
すなわち、ひとりの人がすべての人のために死んだという出来事の内容と意味とを、
イエス・キリストの死と葬りと復活についての内容と意味とを、
広く多くの人たちに向けて、
熱っぽく大胆に語ることのできる人の少なさ・・・。

こと日本では、信仰とは、
信仰を、個人的な目的追及のために利用するのが普通です。
それは、すでに御利益信仰に成り下がっていると考えます。

日本においては、人間の美徳とされているものに、
自分を信じて自分の可能性を最大限に活かして生きることにあると。
疑わず自分に生きることが美しく、そうあるべきだと。
しかし、そうすればするほど立ちはだかる壁の厚みは増してきます。
だから、人は満たされない欲求があるとき、
その欲求を満たすために、
その欲求さえキリストの教会に求め持ち込んできます。

キリストの教会が、その欲求にたいして肯定的な態度を示すなら、
それは福音から遠いものになります。

神のひとり子イエス・キリストが生まれたということは、
メシア・救い主としてのイエス・キリストが生まれ来たということは、
この世界を造られた神の目から見て、
この世界は堕落していることをあらわしているのです。

ひとりひとりの人間であっても例外ではありません。
だから、神の救いの手が必要なのです。
私は罪など犯してはいない、正しいのだ、
だから、この悪の世界から救われなければならない・・・・とするなら。
イエス・キリストが死なれたことは意味を失います。

イエス・キリストは、私たちの刑罰を、
罪を犯した者に加える制裁を、
代わって担ってくださったのです。
私たちの存在が、
”私たちの罪　”のゆえに、
私たちは滅び・亡びに向かってひた走っています。
同時に、私たちはたえず新しい罪を犯し続けています。
だから、私たちはジャッジメントを受けなければ成らないのです。
私たちは、神によって裁かれなければならないのです。

私たちは、この世界を造られた神の被造物だからです。

私たち人間の滅びと裁きにたいして、
「ノー」と言わずに。
その通りですと言うならば、
亡びの中にあっても、
裁きの中にあっても、
神によって正しい者、義とされるのです。

イエス・キリストが、十字架にかけられ死刑となり、
葬られ、三日の後に復活したという出来事は、
その復活こそ、
私たちが義とされることをあらわしているのです。
イエス・キリストへの信仰によって義とされると。
新しく生まれ変わることをあらわしているのです。
信仰によって・・・・。

福音が、
人間の目的の追求のためにプラスになるものを言うのなら、
それはすでに福音ではありません。

私たちの悲しみや苦しみや痛みは、
自分の目的を追求するために、
自分を信じ、自分の可能性を信じることから来ていることを知らなければならないのです。
私たちには問題があって果たせぬ夢だからです。
すべての人間は常に過ちを犯す危険性を、問題となる何かをその生に含み持っているからです。

「すなわち、イエス・キリストを信じることにより、
信じる者すべてに与えられる神の義です。
そこには何の差別もありません。
人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、
ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、
神の恵みにより無償で義とされるのです。
神はこのキリストを立て、
その血によって信じる者のために罪を償う供え物となさいました。
それは、今まで人が犯した罪を見逃して、
神の義をお示しになるためです。
このように神は忍耐してこられたが、
今この時に義を示されたのは、
御自分が正しい方であることを明らかにし、
イエスを信じる者を義となさるためです。」
（新約聖書・ローマの信徒への手紙・３章２２～２６節・新共同訳聖書）

自分の目的追及のためにゴスペルを歌うのではなく、
　”主なる神　”をおそれたたえるために歌うのなら・・・。

北白川　スー

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Wrote up on December 23, 2010.