決してキリストの福音は個人的なものではありません



キリストの教会を、なにか”かけ込み寺 ”のように、
または”救急病院 ”のように考えている人のほうが多いと思います。
のっぴきならない問題を抱えてしまったとき、相談できる相手がない場合など、
それらをケアしてくれるところのように考えているのでしょう。
そうでなくても、
1日尼寺のような、ひと時の安心を求める精神修養の施設とは見ていないでしょう。

どちらにしても、”自分大事 ”のなせるわざなのです。
教会を自分の都合のいいように思い描いているはずです。

教会がなぜそのように思われようになったのでしょうか。
キリストの教会が、
もっとも明らかにしなければならない事柄を明らかにしていないがための心得違いなのです。

そして、日本人は、信仰というものを、
あまりにも個人的なレベルでとらえ、また考えているからなのです。
クリスチャンであろうが無かろうが、皆ひとしくそのように考えているはすです。
自分に何か問題でも起きもすれば、何かにすがろうとする・・・・。
クリスチャンであっても、
キリストへの信仰というものをしごく当然のように、
疑いもなく自分自身の問題としてとらえているはずです。

しかし、決して、キリストへの信仰は、
キリストの福音は個人的なレベルのものではありません。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。
それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。
神が御子を世に遣わされたのは、
世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。」

(新約聖書・ヨハネの福音書・3章16~17節・新改訳聖書)

キリストの福音は、文化や言葉や肌の色の違いをこえて、
すべての人たちに向けて伝えられようとしているものなのです。

イエス・キリストは次のように言われました。
「だから、わたしのこれらの言葉を聞いて、それを行なう者はみな、
岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができます。」

(新約聖書・マタイによる福音書・7章24節・新改訳)

神の言葉である聖書・バイブルの言葉は、
私たちの暮らしと信仰の基準となるものです。
神のゆるがない土台なのです。
私たちが、その上に家を建てるべき岩なのです。
この岩こそ、イエス・キリストご自身なのです。
この岩はかたく立っているのです。

キリストの福音とは、
ひとりの人がすべての人のために死んだという、
まさしくイエス・キリストの十字架の死による
贖いの業(あがないのわざ)という出来事以外の何ものでもありません。

イエス・キリストが十字架の上で死なれたこと、
そして葬られ、三日目に復活された出来事以外の何ものでもないのです。
イエス・キリストが ”十字架の上で完成された
救いのわざと復活 ”という出来事が福音そのものなのです。

イエス・キリストの十字架の出来事は、
決して個人的なレベルでとらえるべきものではなく、
世界のすべての人たちに向かって示された神の恵みそのものなのです。
だから福音なのです。

「私は福音を恥とは思いません。
福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、
信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です。
なぜなら、福音のうちには神の義が啓示されていて、
その義は、信仰に始まり信仰に進ませるからです。
「義人は信仰によって生きる。」と書いてあるとおりです。」

(新約聖書・ローマ人への手紙・1章16~17節・新改訳聖書 )

クリスチャンとは、ただ単にイエス・キリストを信じて、
キリスト教の信仰に満足して、
博愛や慈善や孝行といった行いが人の模範になるように生きるものではありません。
キリストへの信仰・すなわちキリストへの信頼というものは、
人生を根本から新しくするもの、その”力 ”そのものなのです。
価値観をも新しくされるのです。新しい価値観へと移されるのです。それか”復活 ”なのです。

キリストの福音は、すべての人間を、世界を造られた創造主なる神に立ちかえらせ、
滅びへ向かってひた走っている私たちを、滅びから救い出すものなのです。

キリストへの信仰を考えるとき、
自分の立っているところを考えることが大切なようです。
私たちは個人的に救われたいと願っているのに比べ、
キリスト・イエスは、
人間皆等しく救くわれることを願っておられるのですから。
イエス・キリストの十字架の出来事は、
ひとりの人がすべての人のために死んだという出来事だからです。
だから信頼に値するのです。


北白川 スー

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Wrote up on June 04, 2007.