TPPは日本を救う福音になりえるか



話題のTPP「環太平洋戦略的経済連携協定」、
Trans Pacific Strategic Economic Partnership Agreement.は、
日本だけの問題ではなく、
太平洋を取り巻く諸国の戦略的な経済的なパートナーシップを言っているわけです。

福音とは、ひとりの人がすべての人のために死んだという出来事。
神のひとり子イエス・キリストの十字架の死による贖いの業(あがないのわざ)という出来事です。
イエス・キリストの生と死と葬りと復活によって備えられた、
神による、神の怒りの裁きからの救いの道筋なのです。

TPPであれ、キリストの福音であれ、
その影響は、
ただ経済だけではなく、
医療や教育や、生活・暮らしの隅々まで、
社会の仕組みや、人間関係、
日本人の精神性にまでも影響を与えるはずです。

TPPやキリストの福音の内容が明らかにされることによって生まれてくるところの、
”何を最高のものにするのか ”についての根本的な考え方の違いは、
今まで守られてきた日本の社会の秩序を根底からひっくり返すことになるかもしれないのです。

キリストの福音についても同じです。
ひとりの人がすべての人のために死んだという、
イエス・キリストの十字架の死による贖いの業(あがないのわざ)という出来事は、
日本の地域社会に根強く根付いている共同体の伝統的な秩序を
根底からひっくり返すことになる価値観を持っているのです。

ですから、
”今のままで良い ”とするなら、
新たな秩序をむかえ入れることへの抵抗や、
昔から脈々と引き継がれてきた出来あがっている秩序を乱すことへの抵抗があります。
表向きは歓迎していても、
暗に拒絶することも起きてくるでしょう。
いや、現実は歓迎する人は少ないのです。

TPPにしろキリストの福音にしろ、
新しい価値観や秩序の具体的な説明がないいまま、
無条件に従えと言うのは無茶な話です。
TPPの仕組みや、
キリストの福音の内容と意味の解き明かしがないのなら、
無関心も起きてきます。

ですから、内容と意味との具体的な解き明かしがなければなりません。

日本の現状を見ますと、
減反政策に代表される農政や生産調整。
転作奨励金という補助金。
食料自給率の決定的な低さ。
社会の高齢化と、
いつまでたっても改善されない人手不足・・。
小市民的などんぶり勘定の零細な商工業・・・等々。

キリスト教の教会は、
この世界を創られた創造主なる神への信仰というものから、
キリスト教の信仰という本来の性質から離れた、
現代社会の病理に傷つき疲れた人たちの受け皿としての機能を受け持つものだと
思い込んでいる一般社会の思い込みにたいして。
教会に駆け込んで来た人たちへ、
その人の生き方にたいして
肯定的な言葉や励ましを与えるところが教会だと思い込んでいる日本の社会にたいして。
TPPであっても、
キリストの福音であっても、具体的な解き明かしがなされるならば、
日本人と日本の社会に決定的な影響を与えることになるでしょう。

言い方を変えれば、
具体的な解き明かしがなされ、
承認し、受け入れるなら、
新たな秩序をむかえ入れることによって、
生き方すら変えなければならなくなり、
今まで守られてきた日本の社会の考え方を根底からひっくり返すことになるかもしれないのです。

「わたしは福音を恥としない。
福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、
信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。
福音には、神の義が啓示されていますが、
それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。
「正しい者は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。」

 (新約聖書・ローマの信徒への手紙・1章16~17節・新共同訳聖書)


北白川 スー

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Wrote up on April 02, 2013.