三月書房販売速報[127]
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2018/3/05[20-01-127] (c)SISIDO,Tatuo *転送歓迎*
e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 127号
※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 2018/01/23の号外でお知らせしましたように、2月19日(月)から、
月曜と火曜を定休日とする週休二日制になりました。常連客の方々
に、来年は週休三日にしたいというと、皆さんがそれは面白いと言っ
てくれます。平日は通りがかりの一見さんはほとんど来ないし、こ
の調子だとうまく休みを増やせそうな気がしています。
というわけで、ややゆとりができたので、ちかごろは年に2回か3回
しか送信できなかったこのメルマガも、少しは回数を増やしたいと
思っています。
[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)
◆「飢餓陣営46 創刊三〇周年記念号」佐藤幹夫・編集 飢餓陣営発行所
◆「吉本隆明質疑応答集 3 人間・農業」論創社
◆「<感動の体系>をめぐって――谷川雁、ラボ草創期の言霊」
松本輝夫・編 アーツアンドクラフツ
◆「脈 95号 火野葦平と沖縄」比嘉加津夫・編集 脈発行所
◆「脈 96号 芥川賞作家・東峰夫の小説世界」比嘉加津夫・編集
◆「続・最後の場所5号」菅原則生・編集発行
◆「アースダイバー東京の聖地」中沢新一 講談社
◆「短歌タイムカプセル」東直子ほか編 書肆侃侃房
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)
◆「評伝 島成郎」佐藤幹夫 筑摩書房
◆「スペクテイター〈41号〉 つげ義春」幻冬舎※入荷済
◆「吉川宏志歌集」砂子屋書房※入荷済
◆「(歌集)窓の匂い」前田康子 青磁社※入荷済
◆「やちまたの人(仮)」涸沢純平 編集工房ノア
「遅れ時計の詩人」の続編が春に出るといううわさを聞いたので。
ご本人に確かめてみたら9月の予定とのことでした。
[#03] 日販への返品率
2010年 書籍23.5% 雑誌28.4%
2011年 書籍23.5% 雑誌27.2%
2012年 書籍21.3% 雑誌31.0%
2013年 書籍21.8% 雑誌30.0%
2014年 書籍21.3% 雑誌33.7%
2015年 書籍20.0% 雑誌34.3%
2016年 書籍21.3% 雑誌31.6%
2017年 書籍20.9% 雑誌31.7%
去年もあまり変わらなかった。今年は少し在庫を減らしたいと思っ
ているので、少しアップするかも。
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その89)
○みすず書房の書店別売上げランキング(2017/01〜2017/12)
今回も京都関係の書店のみ、売上げ冊数の前回(2015/12〜2016/11)
との比を計算してみました。なぜか今回はひと月ずれて2016/12が抜
けているようですが、大きな違いはないでしょう。
※( )内は全国順位。(D )は大学生協順位
1(15) MARUZEN京都本店 +50%
2(D2) 京大生協ルネ + 9%
3(24) ジュンク堂京都店 −11%
4(D3) 同志社生協今出川 +52%
5(D6) 立命館生協ブックセンターふらっと −34%
6(72) 大垣書店イオンモール京都店 − 0%
7(95) 恵文社一乗寺店 +19%
8(104) 大垣書店烏丸三条 + 0%
どういうわけか「アバンティBC京都店」が見あたりません。昨秋改
装して、かなり売場が小さくなったようですが、そのことがすぐに
影響するわけでもないはずです。前回の全国80位からいきなり圏外
に落ちたとも思えませんから、おそらく売上カードの送付を忘れた
か止めるかしたのでしょう。
MARUZEN京都本店は2015年8月のオープンから2年、このリストで見
る限りはまずまず順調そうな感じです。とはいえ、前身のジュンク
堂京都BAL店の最後の年だった2012年と比べると20%以上の減だか
らとくに良いとは言えないみたいです。ちなみにジュンク堂京都店
の2012年と2017年を比べると50%の減となっています。
ところで、このみすず書房の一覧表には大学生協を除くと110店舗
掲載されていますが、丸善・ジュンク関係が43店もあり、しかも
上位50店に限れば31店と6割も占めています。しかし、ジュンク堂
の大型店多店舗展開による全点常備方式はどうやら行き詰まりつ
つあり、リストラの予定があるようですから、来年以降は占有率が
低下するかもしれません。
[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など
前号以降破産や廃業したのは、スキージャーナルのみだったようで
すが、例によってさほどあてにはなりません。
先日、うちのサイトの“最近消えた出版社”のページを見た方から
「北星堂または北星堂書店が含まれておりませんが、知人から2011
年に倒産した、と聞きました。」というメールがきました。破綻し
た出版社のまとめが他にあまりないらしく、ときどきこういう問い
合わせを受けますが、うちのは何の権威も信頼性もありませんので、
「新文化」か「文化通信」あたりのサイトで作成していただきたい
ものです。ちなみに上の問い合わせをしてこられた方は、2008年に
表紙まで出来ていた著書が、資金難でキャンセルされてしまったの
だそうです。北星堂については、ネットで検索した限りでは、倒産
とかの記事は見あたらなくて、連絡がとれなくて行方不明、という
状態のようですから、おそらく静かに自主廃業されたのでしょう。
[#06] etc.…
今年になってから、どういうわけか一年以上前に取材を受けたサイト
記事が、なぜか一部で話題になって拡散されてるようです。
「Wa! 京都を発掘する地元メディア 京都書店めぐり 2017.03.02
京都の名店「三月書房」で聞いた!出版業界の今と昔」という記事な
のですが、取材を受けたことすら忘れていて、このメルマガでも紹介
しておりませんでした。だらだらとしゃべっていてとりとめのないも
のですが、ライターの文章はほぼ間違いなく書けているようです。
Twitter等を検索してみると、どうやら“取り次ぎのシステムがもう維
持できなくなってきている”というあたりに関心が集まっているのか
なという感じですが、よくわかりません。
取次がだめになりつつある、ようするに出版・書店業界がだめになる
という話は、ほぼすべて小田光雄氏の著書とブログの受け売りなので、
この話題に関心のある方はそちらを熟読してください。
ところでこの小田氏の「出版状況クロニクル118」(2018/03/01)による
と「大阪屋栗田が大手出版社に対し、支払手形をジャンプ」とあり
「大阪屋栗田の近傍や周辺が、もはやどうしようもなく、ここまで事態
が切迫している」のではと記されています。さてさてどうなることでしょ
う。うちの店も週休三日とか暢気なことを言ってないで、泥舟から脱出
すべきなのかもしれませんが、この出版業界の先行きを外部からではな
く、内部から見物する方が興味深いかもと思案してるところです。また
また延々と先送りされるようならつき合いきれなくなりますが。
※2018/04/01補記
「クロニクル118」の上記項(§6)は削除されています。この件につ
いては「同119」をご参照ください。
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、
その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後
にHPに掲載します。
◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
◆「バックナンバー(01〜126号)」はHPにて公開中です。
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