いま考えていること 151(2003年09月)
――ご用心。脅迫メール――

昨日次のメールを受信しました。ともかくお読み下さい。
あなたが万一受け取られたらどう思われますか?

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((大至急ご連絡致します))必ずお読み下さい

DATA管理番号:BL56485 弊社は信用調査会社様からの依頼に基づいて料金支払遅延者のデーターを 一括管理しているDKC(データー管理センター)と申します。 この度は貴殿が使用されたプロバイダー及び電話回線から接続された 有料サイト利用料金について運営業者より利用料金支払遅延に関して ブラックリスト掲載要請を受けました。 これまで貴殿の利用料につきましてはコンテンツ事業者および債権回収業者が 再三のご連絡を試みて来ましたが未だご入金がなくまた誠意ある回答も 頂いておりません。 以上のような理由から信用調査会社を経由して弊社に貴殿の個人情報を利用料金 支払遅延者リスト(ブラックリスト)掲載要請が弊社に届きました。 貴殿の情報に関しましては既にメールアドレス(フリーメール含む)およびIPから、 プロバイダ・ISP業者から情報開示を受け、貴殿の住所、氏名、勤務先等の情報は 判明しております。 利用料金支払遅延者リスト(ブラックリスト)に掲載されますと、各種融資・ クレジット契約・携帯電話の購入および機種交換他、貴殿の日常生活における 信用情報に今後大きな支障が発生する可能性があります。 付きましてはコンテンツ事業者および債権回収業者ならびに顧問法律事務所とも 協議の結果、次ぎの通り最終和解案を決定いたしましたので通知いたします。 合計支払金額:60000円 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ■和解金: 50000円 ■事務手数料: 10000円 ===================== ■■合計金額: 60000円 --------------------- ■送付方法:電信為替(電信為替居宅払もしくは電信為替証書払) 今回の入金受付は郵便局の電信為替のみです。 それ以外の方法では一切受付しておりません。 ■送付先:株式会社データー管理センター 〒556-0016 大阪市浪速区元町2-8-4-404 ■担当:井上正孝 ■支払期限:上記宛に平成15年9月24日(水)必着で送付して下さい。 電信為替の送付方法に関しましては http://www.yu-cho.japanpost.jp/s0000000/ssk00000.htm を 参考にして下さい。 詳しくはお近くの郵便局で確認して下さい。 なお、郵便局で発生する送金手数料は貴殿の負担とさせて頂きますので 御了承下さい。 入金確認後、延滞情報リストから貴殿に関する全データーを削除し、株式会社 データー管理センター保管の債権譲渡証明書、内容証明書等の書類一切を 抹消させて頂きます。 ご入金して頂けず、このまま放置されますと最終的に各地域の事務所から 数名の集金担当員が御自宅および勤務先まで訪問をさせて頂きます。 またその際に掛かります費用・調査費用・交通費等の雑費は別途回収手数料も 合わせてご請求させて頂きます。 また場合によっては裁判所を通じた法的手段にて強制執行による給料差押え 等を含めあらゆる手段対で応させて頂く事となります。 尚、これは最終的な勧告であり、また、弊社人員の対応による時間的損失等 の理由からメール・電話・FAXでのお問い合わせは受け付けておりません。 また、メールアドレス相違、郵便事故、その他いかなる事由により今まで 連絡が取れなくなっていたにせよ、それは弊社に起因するものではなく お客様の責任によるものです。 円満な解決を望むならば支払期限までに大至急入金をお願いします。 ※注意事項(1) 管理番号で全ての管理を行っております。 送金の際は氏名および管理番号の記載をお願い致します。 ※注意事項(2) 本メールは送信専用アドレスより配信されています。 このメールに返信されてもお返事は届きません。 ※注意事項(3) 昨日までの時点でご入金の確認が取れない方にお送りしております。 もし行き違いに入金済みの場合はご容赦下さい。 xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx 株式会社データー管理センター 〒556-0016 大阪市浪速区元町2-8-4-404 担当:井上正孝 xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

この文章に書いてあるようなことは全く心覚えが無く、有料サイトにはインターネットからも電話からも接続した経験は皆無なのです。当然督促を受けたこともありません。それに請求金額がジャスト5万円というのもあり得ないと思われませんか?わたしは現在在宅で看護していますから、「貴殿の住所、氏名、勤務先等の情報は判明しております。」特に「勤務先」情報ということはあり得ませんし、強制執行による給料差押えもあり得ません。何しろ勤めていないのですから。いろんな角度から考えてこれは詐欺行為としか考えられないでしょう?。

念のため国民生活センター”悪質な「利用した覚えのない請求」が横行しています”も見た上で放置することとし、事例として京都府消費生活センターと京都府警察本部生活安全部に、上の文章を送付しておきました。この様な電子メールがきっと横行しているに違いありません。皆さんお気を付け下さい。 (消費生活センタ−からも府警本部からも電話をいただきました。同種のメールについての相談はかなりあり、中にはやはりまんまとひっかかって支払をした人もいるとのことでした。参照悪質な「利用した覚えのない請求」が横行しています

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いま考えていること 152(2003年10月)
――総選挙にこう臨む――

国会が解散されました。いよいよ選挙ですね。

ところで、10月9日の毎日新聞には“77歳野中広務氏 かく闘う単独インタビュー”が掲載されました。その中で氏は「テロは絶対に容認できない。しかし、テロの背後を充分検証することもなく、同盟国として安易に米国支持を打ち出した小泉首相のやり方に疑問と警戒感を持っていた。・・・・・・・・イラクでは戦争が続行中だ。武装した自衛隊が行くとどうなるか。隊員に犠牲者が出ても当たり前、相手が死傷しても正当防衛で当たり前−−という論理になっていくのではないか。かって誤って戦争した「戦前の日本」に逆戻りしていく怖さがある。PKOが限度だ。」と述べています。わたしも全く同感です。経済政策では竹中さんの改革路線が現在もっとも現実的だと思っているわたしですが、小泉さんの対米政策ではあまりにも米国の言いなりで、その下にある外務大臣はアメリカからのイラク支援要請内容について、国会でも嘘を述べているとしか思えません。外交面ではこの他、小泉さんの相変わらずの自分本位の靖国参拝への固執は論外で、それに拉致問題も、わたしは2週間と約束した上での5人の帰国だったのですから、やはりいったんは約束を守って帰し、その上でじっくりと拉致全体について交渉を進めるべきだったと思っています。現状はすべての交渉展開の糸口を閉じており、帰ってきた人たちにも家族との再会のみちを閉じてしまっているのです。この現状では総選挙で小泉自民党に投票する気にはなりません。

先の敗戦以来、國の安全保障を米国の核の傘に委ねている日本は、米国の意向を無視することはできないとは思うのですが、現在のブッシュ路線はあまりにも誤謬に満ちています。民主党はわたしには戦争中勤労報国路線を歩んだ人たちの党、旧民社党の人たちがおり根底から信頼できないのと、民主党と小沢自由党との合併は基本的な考え方の上で異なり、本来矛盾を孕んでいます。その矛盾が解消しているというのなら、小沢路線は本来自民党と近い考えがバックボーンにある点からも、まともに自民党に対峙していける党ではないと思えるのです。民主党の挙げた閣僚候補に財務相榊原英資旧大蔵省財務官が見られるのでは官僚制打破の匂いは感じられません。社民党は村山氏を首相にして以来あまりにも信頼できず、共産党は先日の“総選挙にのぞむ日本共産党の政策”でも消費税(大)増税に反対、道路公団や郵便事業の民営化にも反対で、その理由に「郵便貯金は、零細な国民の貯蓄を守ることを目的とした国営の事業です」と書かれているのを見ると、わたしなどは郵便貯金は国民からお金を吸い上げて戦争の費用を捻出する機関であったことが印象に残っているので、到底見解に賛成できないのです。戦争中わたしたち中学生も勤労動員で工場へ働きに行かされたのですが、手当はすべて郵便貯金に振り込まれ自由に引き出せませんでした。もちろん敗戦と共にやってきたインフレで、預金はほとんど無価値になったことはいうまでもありません。また、近頃は何故か聞かれなくなりましたが、暫く前までは「トーゴーサン」という納税についての批判がよく聞かれたものです。わたしもサラリーマンでしたから所得税のサラリーマンについての捕捉率は10,自営業者は5,農民は3割というのを実感してきました。その点では5%の消費税の方がまだしも公平感があります。少子高齢化社会を迎えている今日、いよいよ歳入も厳しく、消費税率の引き上げもやむを得まいと思うのです。ただし食糧など誰にも生存に必要なものへの課税は止めての上でのことですが。共産党の意図するところはたとえ市場経済を加味するとしても、社会の全般にわたって国家の管理を強化し、計画統制経済に移行することでしょうから、官僚体制の強化を招き、わたしのような自由を愛する人間とは肌合いが違うのです。

ではお前はどの政党に入れるのか?棄権か?と問われれば、棄権はしません。これも戦争中の経験から、やはり政治の力は強力で、徴兵制度一つ考えても逃れられず、いつも政治に歯止めを掛けていないと何をされるか分からないからです。野中さんではありませんが、すでに公明、保守新両党の参加に見られるような大政翼賛政治は危険です。対米従属の自民党と真っ向から対立する政策を掲げて、常に自民党に反省を迫る政党が、国会に存在が許されていることは自由を守る上からも極めて大切です。そういう存在として共産党の国会での存在は意義があり、大切です。またわたしは頭では理念上小泉流の構造改革に賛成し、消費税の値上げもやむを得まい、また憲法も完全軍備廃止ではなく専守防衛を明文化した軍隊の存在を認める方が現状に叶うではないかと思ってはいるものの、貧しい一人の年金生活者である自分の現状から見つめ、体感に忠実であろうとすると、消費税は上げるな、年金を増やせ、医療費負担を下げよ、憲法は守って軍備を捨て再び戦死者を出すなと言う理想論を掲げる共産党の言い分も庶民の素朴な気持ちを集約しているので、共産党に一票を投じます。

(11月06日追記)『イラクに派遣されている岡本行夫・首相補佐官は日本人がイラク国内でテロの対象になる可能性に言及する一方、「日本の姿勢をイラク国民に見せ続けなければならない。ここで退いてはテロリストの思い通りになる」と述べ、テロ組織の狙いは「米軍や米軍を支援する各国・機関、援助団体を追い出す」ことにあると述べ、「理論的にはイラクから完全撤退しない限り、日本も標的になることは免れない」と語った。(asahi .com)』というのですから、これではこれまで政府の言っていた危険なところへは派遣しないと言っていたのは嘘だったことになります。ニュースを伝えたベストタイムはこれにつづいてイラクで自衛隊員が死亡した場合の報奨金は1億円になったとも報じていました。自衛隊員の募集にも頓挫する原因になるかも知れません。次第にやかましくなってきた憲法改定とにらみ合わせると国民の義務として徴兵制度の復活が計られることさえ危惧しなければならなくなってきました。追憶。嗚呼、聞けわだつみの声。

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いま考えていること 153(2003年11月)
――世界無形文化遺産に文楽と聞いて――

世界無形文化遺産は正式には「人類の口承および無形遺産の傑作の宣言」というのだそうですが、01年5月の第一回指定19件の内には日本の「能楽」もみられます。指定にあたっては「歴史的・芸術的・民族学的・言語的・文学的観点のいずれかによって顕著な価値をもつ、一般的もしくは伝統的な文化表現であること」も基準の一つなのですが、今ここに書きたいのは次のことです。

最近は随分DVDが一般に普及してきて、かっての小津安二郎の名作ビデオなども改めてDVD版として発売されてきていますし、映画も映画館で上映と同時にDVDの発売予約が始まる状況です。アダルトものなど需要が多いのか洪水のように市販されている世の中です。ところが「能楽」「文楽」のDVDは皆無といって良い状態です。狂言はまだしも一般性があるためか野村さんのDVDが2,3販売されていると言うところです。考えてみるとNHKには必ずや素晴らしい能楽や文楽の上演録画が保存されていると思われます。NHKからは最近になって名作ドラマ、例えば向田邦子さんの「阿修羅のごとく」が販売され、引き続いていろいろのドラマがこれから日の目を見ていくことと思われ楽しみですが、世界無形文化遺産に指定されたものは日本国内でさえDVDとして鑑賞することは出来ないのです。これでは仮に外国の人たちが関心を持たれて、せめてDVDででも見てみようとされても不可能なのが現状です。無形文化財に骨董的に指定されることだけを目的として活動するのは無意味というべきでしょう。しかし愛好家は少なく、市販するには予想される枚数が採算に乗るものではないのでしょう。明日は衆議院選挙で、小泉さんは補助金削減も改革の一つとされているのですが、確かに削減した方がよい、むしろ活性化にプラスするものも多いのですが、文化的に日本の誇りとなっている世界文化遺産指定の「能楽」「文楽」のDVD作成などには国から補助金を出さないととても実現できないと思うのです。「能楽」「文楽」のDVDが皆無に近いことは日本の後進性を証明する現象ではないでしょうか?願わくはDVDには英語のスーパーインポーズも国の補助金で入れたいものです。

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いま考えていること 154(2003年11月)
――選挙の結果をこう思う――

選挙の一票には肩書きの別のない平等なおもみがあります。総理の一票もわたしたちの一票もその重みに差別はありません。これは考えれば大変な権利です。今朝も投票所に多くのご婦人の姿を見、敗戦までは女性に投票権がなかったことを思うとこれまた大変なことだなあと思います。憲法改定で軍備肯定の空気が出てきて、私の心配する徴兵制度の復活を画策しても抵抗の大きい基盤がここにあるという思いがします。

私の個人的な希望から見ればいろいろの思いが出てくるのですが、今夜現在の率直な思いを書きますと、やはり国民全体の思いが肯ける形で出ていると思います。小泉自民党も圧勝と言うには遠い結果ですし、民主党はそれなりに伸びていますが、政権交替を国民から許される甘い情況ではありません。小泉さんもイラク問題、対北朝鮮問題など、とても我を通せる状況ではありませんし、ブレーキが掛かったままです。大政翼政党の内、公明党は創価学会の狂信的協調性がありますから、それなりの議席を確保しましたが、新保守党は党首熊谷氏の落選に象徴されるように国民からはまともに相手にされていません。共産党・社会党の理想は評価されるとしても、現実離れした空虚さのある主張は国民には納得されず、それなりの結果しか得られていません。人格の上で問題になった山崎拓さん、太田誠一さん、松波健四郎さんの落選、さらに世代交替を見せつけた相沢英之氏の落選など、それなりに選挙は意味はありました。繰り返しになりますが、それなりにまともな国民の判断が伺える結果になったように思います。

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いま考えていること 155(2003年11月)
――今朝の毎日新聞を読んで――

”衆院選を終えて”「私の見方」という特集が連載されています。今朝は元副総理後藤田正晴氏とのインタビュー記事が出ていました。底にはいくつか共感を呼ぶ後藤田氏の意見がありました。

「弱体化する自民党を支えているのが、公明党だ。しかし、公明党には、立党の原点を大事にしてもらいたい。平和と福祉の党だよ。最近は、強者の論理に与しつつあるのではないのか。」

政策論争では、郵政、道路、年金、景気が争点になったが、今の日本にもっとも重要な政治的課題は、イラクの問題ではないのか。今のイラクに非戦闘地域なんてありませんよ。武装部隊が応援に行くことによって、戦闘地域になってしまう。ゲリラ戦とはそういうものなのだ。対イラクで、日本はちょっと過早に深入りしたね。熟慮の上での断行ならいいが、軽く肩をたたかれてハイ、というようなのは困る。小泉さんにとっては、容易ならざる状況だよ。」

「私は、今後の日本の生き様として『平和』『自立』『共生』の3原則を挙げる。平和とは専守防衛に徹し海外での武力行使は絶対やらない。自立とは米国一辺倒を改める。共生とは、弱者と共に生きることだ。」

「国際紛争は何としても多国間の平和的な話し合いの中で解決していく、という姿勢だ。現代の核・化学・生物兵器の恐ろしさを皆忘れている。敵味方とも生き残らない、皆殺しだよ。」

後藤田氏は私より15歳上の89歳。しかしその言葉は戦争の無意味さを味わわれた世代の重みを感じます。自民党からも野中さん、宮沢さん、後藤田さんが引退され、戦争を知らない世代の若者が増えてきています。その為か過去の日本の貴重な経験を無視した核武装をはじめ勇ましい論調が党内に横行するようになってきました。靖国神社に詣るだけでなく、恨みを呑んで死んでいった先人達の『戦争はするな。悲惨だ』の声(神社にはいろいろなタイプがあり伊勢神宮をはじめ祖先を神格化して祀るタイプから、京都の上・下の御霊神社・白峰神宮・北野神社のように非業の死を遂げた人の怨みを慰め静めるタイプなどもあります。靖国神社は本来後者の立場だと思っています)に耳を傾けた政治こそ日本のユニークな、世界の人へのメッセージを送り続けられる政治であることを銘記してほしいものです。自民党からもかっての重厚さが失われ、軽い、実のない内容が目に着くようになってきました。

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いま考えていること 156(2003年11月)
――恵まれた二日間――

2003年11月17・18の両日は、私にとっては奇跡的に恵まれた二日となりました。天候も素晴らしい秋晴れの二日でした。早くも明日は近畿は曇りの予報が出ています。私は7月にS字結腸部に癌性が疑われるポリープが発見され、医師から切除するよう命じられました。私の場合はまず家内をショートステイさせてその間に入院加療をしてもらう必要があるのです。介護保険があるからと言ってもショートステイさせることはなかなか容易でなく、親しい施設に入所させるには2ヶ月前に予約が必要でそれも月の第一日目で満床になるのです。結局9月1日に予約できて家内は11月の12日から20日迄滞在できることになりました。私は病院に11月13日入院、14日に手術をうけることになりました。14日内視鏡手術室で手術が始まり、内視鏡で改めて手術部位の確認観察が行われました。するとどうでしょう、ステージ4と生体検査でいわれたポリープが無くなっていたのです。「無いものは取れませんから今日退院しなさい」との担当医の言葉で即時退院となりました。これで家内もすぐに退院させても良いのですが、ヘルパーさん、マッサージの先生、来診医すべて変更しなければならず、この際予定通り20日迄預かってもらおうと決めました。

数日の余裕が出来たので、秋でもあり紅葉を訪ねようと思い計画を練りました。交通の便は関西は私鉄が発達しているのでこれを利用しようと思い、最終的に決めたのは第一日目は万博公園日本庭園を訪ね、その夜は箕面観光ホテルに泊まり、翌日箕面の瀧まで紅葉を探訪するというプランです。万博公園は万博以来の訪問ですが、行ってみて在りし日の余裕のあった日本の行き届いたつくりを今更ながら思い起こしていました。万博跡地が堂々たる公園になっているのです。財務大臣を主務大臣とし国と大阪府が出資した総額478億5417万3500円を原資として設立された日本万国博覧会記念協会が法律に則って運営しているのですが、手入れも行き届き、本当に立派な公園になっていました。子供から老人までなかなかの入りで、みな楽しそうに歩いておられました。日本庭園は上代から現代に至るまでの日本庭園の特徴を見せ、良い散歩のルートでもありました。その夜泊まった箕面観光ホテルは広く、一人旅の私にもツインルーム一つをあてがってくれました。清潔で備品も揃っていました。難をいえばお料理が大阪風で私の好みとは食い違っていましたが、天然の温泉の湯は多少アルカリ性気味でぬるぬるし、よく温まりました。泉温は湧出時33.7〜37.4度と言いますから湧かしているのでしょう。随分はやっているという印象でした。老若の夫婦連れや仲間同士の人が多いようでした。

翌日はチェックアウトが11時というのでのんびり出来、10時過ぎに出かけました。子供達が小さいときに昆虫館・瀧も訪ねたことがあるのですが、今朝歩いてみてかなりの距離を感じました。紅葉はまだ三分というところでしたが、山路のことで冷えるのでしょう、中には真っ赤に紅葉しているものもあり、見事で、美しいと感じました、お土産には紅葉の葉の天ぷら、銀杏、山栗など買ってきました。箕面の瀧を訪ねる人も若い人はいわずもがな、老人が目につきました。杖をつきながら不自由な体を運ぶ人も大勢で、ここでも夫婦連れが多く奥さんの手を引きながら歩く中年、老年の姿も見られました。私は家内を入院させての一人旅でしたが、気持ちでは家内も連れて歩いているつもりでした。今回は箕面山瀧安寺も訪ね、弁財天・如意輪観音にも詣で、ポリープ消失のこと、二日間の旅を頂けたこと、まして、希な好天気、暖かさ、も仏の贈り物と感謝を述べておきました。それにしても、帰りは阪急だけで帰ってきましたが乗り換えの連絡も良く、箕面−京都烏丸間の運賃が450円とは安いと思いませんか。

思いがけない贈り物だった。明日は恒例の月参りの僧を家に迎え、明後日は家内を病院に迎えに行って、完全に従来の生活のリズムに帰ります。

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